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武田病院の新着情報

2014.10.31 第27回康生会武田病院症例検討会が開催されました

■第27回康生会武田病院症例検討会
地域の開業医の先生とともに
最新医療情報の共有化のために研修

地域医療支援病院としての貢献と最新医療情報の共有を目指す第27回「武田病院症例検討会」(康生会武田病院主催)が10月25日、ホテルグランヴィア京都で開かれ、地域の開業医の先生方や武田病院グループの医療従事者ら100人が、治療に関わった症例についての分析を行いました。

20141031ka07.jpg症例発表に先立ち葛谷英嗣院長が、「毎年1回の症例検討会も27年目を迎えましたが、京都市内で開業されている先生方のご支援があってこそです。特に特別講演していただくアルツハイマー病は、国民の関心が非常に強い疾患であり、医療者にとっても糖尿病など各科にまたがる疾患でもあります。開業医の皆様にとっても情報共有のいい機会だと思っております」と挨拶、第1症例『細菌性肺炎との鑑別を要したウェゲナー肉芽腫症の1例』の発表に移りました。



20141031ya03.jpg20141031ko02.jpg第1部では、下京西部医師会の小泉俊三先生(一般財団法人東光会七条診療所所長)が座長を務められ、武田病院の安岡貴之・初期臨床研修医が、国の難治指定となっているウェゲナー肉芽腫症について、肺炎との鑑別の難しさや、感染症との関与について分析しました。安岡研修医は『80歳女性、喀痰、呼吸困難などで当院入院』の症例の中で、レントゲン、CT画像や心臓エコーを示しながら、「入院6日目までの抗生剤投与でも喀痰などが止まらず、胸水増加が認められ、届いたばかりの血液精密検査の診断によってウェゲナー肉芽腫症を疑いました。プレドニゾロン30g、シクロフォスファミド50gを開始し、2カ月後には退院していただきました」と、考察について詳細を報告しました。



20141031ao04.jpg症例2として、武田病院脳卒中センターの荻野英治医長が『新規デバイスを用いた脳梗塞急性期再開通療法の検討』を発表、下西医師会の青木淳先生(青木医院院長)が座長を担当されました。荻野医長は、脳内の血栓回収デバイスが2014年に新しく開発・発売され、従来型との相違や優位性について、自身が治療に当たった症例画像を示しながら紹介。急性期の脳梗塞の血流再開については、これまでは栓溶解(tPA)療法が中心だったが、社会復帰への確率としては40~60%とされていることを、最初に報告しました。



20141031og05.jpg特に荻野医長は、「脳梗塞の中でも心原性脳塞栓症の場合には機能予後が悪く、ラクナ梗塞に比べると社会復帰率は半減します。原因としては心原性、脳塞栓による内頚動脈・脳底動脈閉塞症に対し、tPA療法での再開通率は1~2割程しかなく、機能予后を悪くしている一因と考えています」と分析。『85歳女性、右内頚動脈閉塞、半身マヒで当院入院』の症例について、tPA療法が無効であったため新しいステント型の血栓除去デバイス「Solitaire FR」により血栓回収療法を実施。血管内で自己拡張型ステントが自然な形で開いて、血栓に絡んで血栓が体外に取り出せ、1カ月後に歩行訓練ができるまで回復したことを報告するとともに、その優位性を強調しました。



20141031to06.jpg特別講演では、滋賀医科大学神経難病研究推進機構分子神経科学研究センター長の遠山育夫先生が、『アルツハイマー病と先制医療~その考え方と最近の知見~』と題して、冒頭、軽度認知症の予備軍を併せて800万人と、アルツハイマー病患者が急増している現状を報告。遠山先生は、アルツハイマー病発症の機序として①大脳の萎縮と大脳皮質の神経細胞の減少②老人斑という黒色のシミが多発③神経細胞の中に繊維状の塊(神経原線維変化)が蓄積する―と分析し、「アルツハイマー病の脳に〝必ず〟蓄積するのはアミロイド蛋白質(Aβ)とタウ蛋白です」と解説しました。

また、遠山先生は、アルツハイマー病の研究や治療に当たっては、5~10%が家族歴や遺伝子変異が大きく関与していると考えられており、さらに研究を深める必要性があることを強調、「現時点で治療面での先制医療は、家族性のアルツハイマー患者に対して施されているが現実で、それ以外の患者については、糖尿病、中年期の高血圧、肥満、運動不足、抑うつ、禁煙など生活習慣の改善による予防が大きなテーマになっています」と訴えました。

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