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医仁会武田総合病院の新着情報

2018.03.14 第55回 医仁会武田総合病院特別講演会を開催しました

2018.2.22(木)

第55回医仁会武田総合病院「特別講演会」

地域の開業医の先生と最先端の医療について研修

 

 高齢者の肺がんなどの治療と予防について、最新の医療情報を共有する第55回「特別講演会」(共催:医仁会武田総合病院、伏見医師会、第一三共株式会社)が2月22日、京都市中京区の京都ホテルオークラで開かれ、南部地域の開業医や医療従事者ら110人が出席、熱心に討議を重ねました。

 第55回特別講演会01.jpg森田陸司院長

 講演会に先立って、武田総合病院の森田陸司院長が、「特別講演会も55回、27年という長きにわたって継続できたのも、医師会の先生や薬剤メーカーの支援があったからです。今年は厚労省の地域医療構想が一層進められ、地域で医療や介護を発展させる節目の時で、いっそう連携を強めてまいりたいと願っております」と挨拶。発表1では宇治久世医師会(中田医院)の中田哲雄院長が座長を務められ、『マイコプラズマ感染後のギラン・バレー症候群の一例』と題して、武田総合病院神経内科の小野通夫医員が発表しました。

 第55回特別講演会03.jpg小野通夫先生 第55回特別講演会02.jpg中田哲雄先生

 小野医員は、最初にギラン・バレー症候群における、臨床像、病態、検査、本邦での罹患率、合併症、予後などについて概説しました。

  その後、中田医院からの紹介症例に移り、マイコプラズマ感染後にギラン・バレー症候群を発症した症例を提示しました。入院後速やかに単純血漿交換療法を施行することで良好な経過を得たことを報告しています。

 第55回特別講演会05.jpg米田義崇先生 第55回特別講演会04.jpg澤井泰志先生

 2つ目の演題は、さわい整形外科内科クリニックの澤井泰志院長を座長に、武田総合病院の整形外科から米田義崇研修医により、『MRSA化膿性骨髄炎に対しVAC療法が有効であった1例』を報告しました。肘頭骨折と上腕骨小頭骨折の術後数ヶ月後も、肘関節の可動域制限(屈曲45度、伸展-40度)を認め、抜釘術と関節受動術を施行した患者に、術後のMRSA化膿性骨髄炎を来した症例を提示。米田医師は、術後の皮膚壊死へのデブリドマンによる軟部組織欠損を1ヶ月間のVAC療法により、良好な肉芽が形成されたことを報告。VAC療法により、創の安定化をもたらす利点を強調し、今日のVAC療法に関して解説しました。その後の皮弁や分層植皮の生着や感染コントロールも良好であり、また可動域制限も改善(屈曲90度、伸展-25度)し、感染後約2ヶ月で退院に導いたことを提示しました。        

 第55回特別講演会07.jpg花岡淳教授 第55回特別講演会06.jpg鈴村雄治先生

 特別講演として、滋賀医科大学呼吸器外科の花岡淳教授から『肺がん外科治療の現状〝特に高齢者肺がん症例〟』と題し、国のガイドラインなどを示しながら、85歳ぐらいまでの後期高齢者の肺がん患者に対しても、普段から体力的に優れている人には積極的な手術療法が有効である実態などを詳しく報告していただきました。

 

 花岡教授は、「肺がんは高齢者特有の病態で、40歳未満では極端に少ないのが特徴で、75歳以上が肺がんのほぼ半数を占めています。日本の人口動態としては、平成77年には65歳以上が2.6人に1人、75歳以上が4人に1人に上り、高齢者肺がんはさらに増えると思われます」と紹介。現行の肺がん診療ガイドラインでは手術適応に年齢制限の記載はなく耐術能が重視されており、呼吸・循環などの臓器機能のみならず加齢による変化や高齢者の身体的特徴を十分評価し、特にPerformance Status(PS)を低下させないように留意し、予後改善が期待出来る手術療法を行うことが重要と指摘されました。

 

 花岡教授は、高齢者には低侵襲を目的とした胸腔鏡下肺切除術を行うよう配慮し、特にリスクの高い症例では区域切除術などの縮小手術を考慮すると、カラー画像を示しながら手術方法についても詳しく解説されました。

 

 質疑応答では、「ギラン・バレー症候群の重症化の指標、死亡率」「抗ガングリオシド抗体の種類」「VAC療法での患者の苦痛を防ぐ工夫は」「外科手術の際のスポンジは特殊な物を用いるのか」など多くの質問が寄せられました。

 

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