※医師やスタッフの肩書き/氏名は放送時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。
がんのピンポイント治療にトモセラピー
宇治武田病院 放射線治療センター長 岡部春海
がんの治療について、厚生労働省は平成十六年から「第三次対がん十カ年総合戦略」に基づいて、さまざまな施策を展開しているところです。それでも年間三十万人の方ががんで亡くなり、国民の三人に一人は何らかのがんにかかるとされており、早期発見・治療が生命予後の最も大切な手段といえます。
がん治療の中でも、トモセラピー(強度変調放射線治療専用機)は今、最も注目されている機器です。従来のがん治療では、悪性腫瘍(しゅよう)の周辺の正常組織部分まで放射線を照射せざるを得ませんでした。しかし、トモセラピーは、強度変調放射線治療にヘリカルCTの機能を合わせることで、より正確に患部を特定し、全身どこでも放射線を照射することが可能になりました。
高精度のコンピューター制御によって、放射線を複数方向から照射することで、ガンマナイフ(脳病変専用放射線治療器)やサイバーナイフ(定位放射システム)などで行っているような小さながん病巣へのピンポイント照射はもちろん、手術が困難な体の深いところへの照射や、さらに一度に複数の病巣への治療も可能で、腫瘍部分を中心とした照射のため、副作用も軽減されます。
放射線感受性の高い直腸やぼうこうの隣接する前立腺がんや脳腫瘍、頭頸(ずけい)部腫瘍、脳や内臓を避けた全身骨照射も可能となり、脳腫瘍の治療ではピンを固定する必要もありません。







