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※医師やスタッフの肩書き/氏名は放送時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。

十条リハビリテーション病院 脳神経副センター長 奥村 厚

脳梗塞について

十条リハビリテーション病院 脳神経副センター長 奥村 厚

脳梗塞はどのような病気ですか?

一言でいえば、脳梗塞は脳の血管が詰まる病気です。詰まった脳血管から血流を受けていた脳細胞は酸素不足や栄養不足になり死んでしまい、再生されません。死んでしまった脳細胞が重要な場所にあれば手足の麻痺や言語障害など様々な障害が起こってきます。脳梗塞は脳血管の詰まり方によって3タイプに分けられています。

脳梗塞のタイプを説明してください。

ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症の3つに分けられています。
1)ラクナ梗塞―脳の細い血管が詰まる、小さな梗塞を意味します。高血圧の人に多く、特に睡眠時に多く発症します。
2) アテローム血栓性脳梗塞―高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病が原因で、脳の太い血管や頚動脈が詰まるタイプです。やはり睡眠時に多く発症します。
3)心原性脳塞栓症―心臓病が原因で起こる脳梗塞で、心房細動、心臓弁膜症などにより心臓の中にできた血栓が脳に流れ、脳血管を詰まらせた時に突然に発症します。このタイプは日中活動時に多く発症します。

脳梗塞はどのような症状ですか?

手足がしびれ、感覚の低下、手足の運動障害、言葉が出てこない・他人の言うことがわからないなどの言語障害、ものが見えにくい、意識障害などがみられます。

前触れがあるのでしょうか?

脳梗塞の約3割の人は一過性脳虚血発作(TIA)とよばれる前触れ発作を経験しています。例えば、手足に力がはいらない、ふらふらしてまっすぐ歩けない、ろれつが回らない、言葉が一瞬出てこない、ものが二重に見えるなどです。一過性脳虚血発作は、大半が数分から数十分で治まりますので、多くの人は軽く考えて専門病院に行かないようです。このようなことが、その後の重篤な脳梗塞の発症率を高くしています。

脳梗塞の診断はどのようにしますか?

脳梗塞が疑われる場合には、病変の部位を確認するために画像検査、例えば頭部のCT、 MRI、脳血管撮影などの検査を行います。また脳梗塞のタイプを決めるために心電図、心エコー、頚部の血管エコーなどの検査を続いて行うこともあります。

脳梗塞の治療はどのように行われますか?

治療の基本は途絶えた血流をできるだけ早く再開し、後遺症を軽減することにあります。そのために急性期の治療が重要となります。治療は薬物療法が中心で「血栓溶解療法」、「抗凝固療法」、「抗血小板療法」、「脳保護療法」、「抗浮腫療法」などが行われます。「血栓溶解療法」は最近(2005年10月に認可された)導入された「t-PA」という「血栓溶解薬」を用いて血栓を溶解させる方法です。発症後3時間以内の脳梗塞であれば、症例によっては「血栓溶解薬」により血栓を溶解させることができます。また「脳保護療法」は「脳保護薬」を利用して、梗塞部周辺に発生して脳細胞を傷つけるとされている「活性酸素」の働き抑える方法です。

脳梗塞になったらどの程度回復するでしょうか?

梗塞の程度が高度であれば、死亡することもあります。後遺症として手足の麻痺や、言語障害などの後遺症を認めた場合には、家庭復帰、社会復帰をするにはいろいろな訓練が必要で、リハビリテーションが重要となります。

脳梗塞の再発を防ぐにはどうしたらよいでしょうか?

脳梗塞は再発率の高い病気です。そのために「抗血小板薬」や「抗凝固薬」などを使った薬物療法が行われます。さらに「高血圧」・「高脂血症」・「糖尿病」・「喫煙」・「飲酒」・「肥満」・「運動不足」といった「生活習慣病のいろいろな危険因子」を減らしていくことは強く推奨されます。なお自己判断で勝手に服薬を止めずに一生続ける覚悟が必要です。また定期的に専門医の診察を受けることも重要です。


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