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※医師やスタッフの肩書き/氏名は放送時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。

十条リハビリテーション病院 神経内科部長 高橋 満

糖尿病としびれについて

十条リハビリテーション病院 神経内科部長 高橋 満

糖尿病の人は足がしびれるとよく聞きますが、どういった病気なのでしょうか。

糖尿病は非常にたくさんある病気の一つで、その中でも全員が足がしびれるわけではありません。糖尿病を患っていて足がしびれる人は、まず糖尿病によるものだろうと考えます。末梢神経障害であると考えられ、症状としては足の裏に皮を一枚貼ったような感じがするとか、裸足で砂利道を歩いている感じがするというような表現をします。中には、夜寝ている時に足がしびれてじっとしていられない、というような「ムズムズ足症候群」の人もいます。

糖尿病による末梢神経障害はどのように診断されるのですか。

筆などを使って足の先にいくにつれて知覚が鈍くなっているかを調べます。また、打鍵器という小さいハンマーのようなものを使うと、アキレス腱の反射の低下が両足にみられます。そういう検査で疑われると、足にいく末梢神経に電気が伝わる速さを調べます。神経の上に電気が伝わる早さというのは1秒間に50メートルの速さで、つまり100メートルを2秒、100メートルの世界記録の5分の1ほどの速さで命令が末梢の方に伝わるわけです。糖尿病性末梢神経障害の症状がある人はそれが半分ぐらい、つまり1秒間に2~30メートルほどの速さで、連動速度というものが遅くみられます。

どうして足の神経に指示が伝わるのが遅くなるのですか。

末梢神経を電線コードのようなもので例えて、電線コードの周りにあたる皮の部分を「髄鞘」と言われています。これは糖たんぱくというたんぱくで出来ていて、これが壊れてしまったり、あるいは知覚神経の数が減ってきているとみられることがあります。そもそも糖尿病という病気は、栄養として摂る炭水化物をインスリン不足などのために、糖として体の中に使い切れずに過剰になり血液の中に残り、その結果、おしっこの中に無駄に糖が捨てられているという現象です。過剰な糖というのが酸化されずに還元されてしまい、ソルビトール代謝経路という中に入ってしまいます。ソルビトールが末梢神経の皮に溜まって膨張してしまいます。このために、神経のワイヤーの皮のような所が腫れてきたり、壊れてきたりします。

糖尿病性の末梢神経障害について、どのように治療されるのですか。

糖尿病の食事療法と、インスリン分泌を促す様な薬を使ったり、糖の処理能力を高める薬の処方だとか、基本的な治療を行います。このような糖尿病の治療だけでも良くなる人がいます。最初の頃は糖尿病が改善していきますと、感じやすくなるといった現象が出てきて、しびれが少し強く感じることがあります。しばらく糖尿病の治療を続けていると痛みやしびれが軽くなっていきます。最近では、薬も出てきており、糖尿病性末梢神経障害の薬物療法としては、血液の中の糖がソルビトール関連経路に入ってしまうのを抑える「キネダック」という薬と、神経の栄養である「ビタミンB剤」を併用すると、だんだん軽減してくるのがみられます。また、足を衰えさせないことへの配慮も大事で、1日30分ぐらいはマイペースな散歩をおすすめします。

足のしびれと言っても、いろいろな原因があると思われるのですが、いかがですか。

しびれを訴えて外来に来られる人が多いのですが、一つは脳梗塞などの脳や中枢神経からくるしびれがあります。それは片側のしびれが多いので、糖尿病のように両足の先のしびれというのはほとんどありません。これはCTやMRIで検査してもらう必要があります。それから背骨などが変形してきて、お年を召されますと末梢神経の出口の神経の根元である「神経根」が圧迫されてしびれが出てくることがあります。このような時は、骨を調べて整形外科で見てもらうということをおすすめしています。糖尿病性のしびれの特徴は両足の先がしびれるとか、足の裏がしびれるとか対称性のしびれがあります。いずれにしても、早めにしびれの原因を突き止めて、糖尿病も早期治療が最も元気で健康な生活を送るということになると思います。

とにかくしびれを感じたら、動き出さなければいけないということですね。

そうですね。


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