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大腸がんについて
東山武田病院 外科 副部長 梁 純明
大腸がんは増えているのですか。
「がん」のうち、最も多いのは胃がんです。胃がんは減少傾向なのですが、大腸がんは増えています。大腸がんで亡くなられる方は半世紀で約10倍になっています。
大腸がんの症状には、どういったものがあるのでしょうか。
がんの進行程度や発生部位で異なりますが、一般に下血や血便、下痢、便秘、下腹部がはってくる腹満感、体重減少などがあります。これらの症状が認められた場合、やはり躊躇せず、医療機関を受診して下さった方がいいのではないかと思います。
大腸がんの検診には、どのようなものがあるのでしょうか。
一般的には40歳以上の方が対象なのですが、便から血液成分によるヘモグロビン値を測定する、免疫的便潜血検査を行います。これは進行大腸がんでは陽性率80%以上なのですが、早期がんでは20~30%でしかありません。
大腸がんはそもそも遺伝性のものなのでしょうか。
大腸がんには遺伝性のものとそうでないものがありますが、遺伝性でないものが90%以上占めています。しかし、大腸がんは遺伝性素因が強い病気です。したがって、両親のいずれかが50歳未満で大腸がんにかかっている場合は、注意が必要だと思います。こういう場合には、検診ではなく精密検査を定期的に受けられた方がいいのではないかと思います。
血液検査ではわからないものなのですか。
よく患者さんからも聞かれるのですが、一般的に腫瘍マーカーというものがあるのですが、大腸がんではCEAとCA19-9が代表的です。しかし、早期がんの発見には役立つとは言えません。また、進行がんでも腫瘍マーカーが正常という場合が多数あります。腫瘍マーカーを機に大腸がんが発見される患者さんもいらっしゃるのですが、多くの場合、肝臓や肺に転移を来しています。ですので、腫瘍マーカーは、手術後の再発の有無、或いは抗がん剤の効果の有無を知る上で役に立ちます。つまり、あくまでも補助的な検査だと思っていただいていいと思います。
大腸がんの検査というとどのようなものになるのですか。
一般には肛門から診察する直腸指診、注腸レントゲン検査、大腸内視鏡検査があります。その他の検査としては、CTコロノグラフィーという検査があります。この検査は別名「仮想大腸内視鏡」と言いまして、CTで大腸の内視鏡と同じ画像が撮影できるというものなのです。本院でも行っていますが、利点としては、大腸内視鏡よりも合併症が少なく低侵襲で、検査も短時間で済みます。
治療はどのようにしていくのですか。
一般にがんというものは粘膜から起こるのですが、早期がんは粘膜内にとどまっているものを言います。逆に粘膜内にとどまっていないものが進行がんです。早期がんであれば、大腸内視鏡で粘膜を切除します。内視鏡で粘膜切除ができなかった早期がんや進行がんの場合には、外科的に大腸を切除します。肝臓や肺に転移を認める場合でも手術で切除を行いますが、切除できない場合には抗がん剤を中心とした治療を行っています。
大腸がんを予防するにはどうすればいいですか。
半世紀で大腸がんが約10倍になっているとお伝えしましたが、一人当たりの穀物消費量及び食物繊維摂取量が半減したという報告があります。このことから穀物、野菜を多く摂ることが予防法ではないかと思います。その他に予防としては、運動、ビタミン類があります。







