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※医師やスタッフの肩書き/氏名は放送時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。

十条リハビリテーション病院 脳神経センター長 山下 純宏

脳卒中

十条リハビリテーション病院 脳神経センター長 山下 純宏

脳卒中というと三大国民病の一つと言われているそうですが、詳しく教えてください。

脳卒中という言葉で何を思い浮かべられるでしょうか。例えば、ジャイアンツの長嶋茂雄元監督や、小渕元首相が脳卒中で倒れられたこともまだ記憶に新しいところではないでしょうか。 動脈硬化を起こした高齢者の脳の血管が破れてしまうと、「脳出血」になり、逆に血管が詰まってしまうと「脳梗塞」になります。いずれの場合も脳の脳組織が損傷されることによって、意識障害や片麻痺が起こるわけです。もう一つ、脳の表面の比較的大きな血管の分岐部にできた脳動脈瘤が破れると「くも膜下出血」が起こります。これら「脳出血」、「脳梗塞」、「くも膜下出血」を合わせて「脳卒中」または「脳血管障害」と呼ばれます。

脳卒中の80%は脳梗塞だとお聞きしましたが。

50年ほど前には、塩分の摂りすぎが原因で血圧の高い人が、特に農村部で多かったので、「脳卒中」(中風ともいわれた)といえば殆どが「脳出血」(脳溢血ともいわれた)でした。ところが時代が変わり、医学・医療の進歩と啓蒙運動により、国民の平均寿命が長くなりました。その結果、高血圧による「脳出血」が減少し、高齢者の「脳梗塞」が増加しました。最近では脳卒中の80%が「脳梗塞」、15%が「脳出血」、5%が「くも膜下出血」という状況となりました。

回復期リハビリテーションという言葉を聞くのですが、どういったものなのでしょうか。

病気治療は急性期、回復期(亜急性期)、維持期(慢性期)に分けられます。最初に救急車で運ばれた病院で急性期治療を受けた後、状態が落ち着いてから、発病後2ヶ月以内に開始して2~3ヶ月間かけて、「寝たきり老人」を防ぐことを第一の目的として集中的に行うのが「回復期リハビリテーション」なのです。医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、地域医療室のケアマネジャーなどの多くの専門職が一体となって、一定の期間集中的に訓練し、在宅復帰を目指します。

退院後、自宅へ帰ってリハビリしているという方は、回復期リハビリテーションになるわけですね。

いいえ、違います。「回復期リハビリテーション」をすました後に退院され、その後自宅で受けておられるリハビリは、介護保険による「訪問リハビリテーション」に相当するかと思います。

人間ドックの中には「脳ドック」というのがあるそうですね。ここではどんなことがわかるんでしょうか。

当院でも「脳ドック」を行っています。侵襲性の少ない、すなわち痛くない「脳のMRI」と「頚部超音波エコー」という最新の2種類の検査により、まだ症状を現していない極初期の「無症候性脳梗塞」「未破裂脳動脈瘤」「脳血管の狭窄」「内頚動脈の動脈硬化性変化」をとらえることができます。そのような異常所見がなければ「大丈夫ですよ」といいます。何らかの病変が見つかれば「これが更に悪くならないように注意しましょう。1年後に再度検査をしましょう」と説明します。

脳卒中にならないための予防策は。

これは、「脳ドック」で何らかの初期病変が見つかった方に「更に悪くならないためにはどうすればよいか」という質問に対しても、同じことを説明しています。結論を言えば、「メタボリック症候群」(生活習慣病)対策、すなわち、高血圧、糖尿病、高脂血症、動脈硬化などのコントロールです。自分でできる具体的行動としては、1)食べ過ぎに注意しましょう。2)できるだけ運動しましょう。3)できるだけストレスを減らしましょう。この3つです。

タバコはだめなんですね。

勿論、論外です。タバコには百害あって一利なしです。


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