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※医師やスタッフの肩書き/氏名は放送時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。

十条リハビリテーション病院 院長 今村 貞夫

糖尿病のフットケア

十条リハビリテーション病院 院長 今村 貞夫

どうして糖尿病の方には足のお手入れが必要なのですか。

糖尿病は日本で1500万人ともいわれる非常に患者数の多い病気です。糖尿病自体はかゆくも痛くもない病気ですが、合併症を起こすことが多く、むしろこの合併症が恐い病気なのです。目では網膜症、腎臓では腎症が起こり透析が必要になる場合もあります。また、神経にも影響を及ぼし、知覚が鈍くなって、少々傷ができても気づかないという状態になります。運動神経に影響が出ると、まっすぐ歩けなくなるなどの運動障害が起こります。自律神経では血流の障害が起こり、栄養が行き届かなくなってケガが治りにくくなり、最終的には足を切断しなければならない状態にまでなるのです。このため、糖尿病の方は足の手入れが大事だというわけです。

足の手入れを怠るとどうなりますか。

ケガに気がつかないということが増えます。糖尿病ではもう一つの合併症である、免疫力、抵抗力の低下が起こっていることで、ケガをすると傷口が化膿しやすくなり、潰瘍が生じて最終的には壊疽という足が腐ったような状態に至ります。ここまでになると足を切断することになり、これが一番恐い状態です。糖尿病のために足を切断される方はかなりおられ、アメリカでは毎年何万人という方が糖尿病のために足を切断されています。

普段の生活ではどういったことに注意していけばよいでしょうか。

まずはいつも足を清潔にすること。不潔にしますと、抵抗力が低下しているために化膿しやすくなります。毎日お風呂に入り、足の指の間も含めて洗うようにしましょう。また、感覚が鈍くなっておられる方が多いので、熱いお湯でやけどをしないよう、湯加減に注意することも大切です。長風呂をしますと皮膚がふやけることでケガをしやすくなりますので、気をつけましょう。お風呂の中では、あまり固いタオルやスポンジでゴシゴシ洗うのではなく、優しく洗ってあげるとよいのです。中高年以上では皮膚がカサカサしてひび割れを起こしやすくなっていますので、お風呂から上がった後はしっとりとしている内に保湿剤を使いましょう。
日常生活では、ご自分の足にフィットした靴を履くようにしてください。きつい靴を履くとケガをします。足は夕方が一番太くなりますので、夕方のサイズに合った靴を履くのも大切です。また、禁煙は重要です。喫煙は健康な方でもよくありませんが、特に糖尿病の方は血液の循環が悪いので、喫煙によってますますそれが悪化します。禁煙は絶対に行ってください。

足の異常に気づいたときはどうしたらよいでしょうか。

出来るだけ早く医療機関に行っていただくことです。応急手当はすぐに必要ですが、化膿したり、潰瘍が出来てしまう前にきちんと治療することが大切です。水虫なども普通の方以上に治りが悪いですから、ひどくなる前に医療機関を受診しましょう。


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