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メディア登場

武田道子の「京おんなミニ・トークシリーズ」

※下記の文章については、ラジオ放送時の内容を一部リライトして掲載しております。ご了承ください。

武田道子

貧血について


今日はどんなお話ですか。

貧血についてお話してみたいと思います。素敵な女性になっていただくためには健康が第一です。今日は特に女性の貧血についてお話したいと思います。

女性は男性に比べて貧血になる人が多いように思いますが、女性は男性より血が少ないのですか。

貧血は、血液の量が少ないわけではなく、赤血球が少なくなることなんです。赤血球中のヘモグロビンには鉄が含まれていますから、鉄が欠乏すると貧血になります。貧血の90%以上が鉄欠乏性が原因で起こるんです。

ヘモグロビンはどういう働きをしているんですか。

ヘモグロビンは全身の組織や臓器に酸素を送る役目を果たしています。ヘモグロビンの正常値は、男性は13~17g/dl、女性は少なくて11~15g/dlぐらいです。

貧血には他にどんな症状がありますか。

貧血になると顔色が悪くなります。そして動機や息切れなどが起き、疲れやすくなりますね。そして、症状が少し進むとめまいが起こるようになります。常に頭が重いとか、頭が痛いというのも貧血の始めなんです。さらに進むと、目の結膜が白くなったり、首のところの血管から「ザーザー」という雑音が聞こえるようになります。

貧血かどうか調べるのはやはり血液検査ですか。

そうですね。診断は血液検査をすればすぐわかりますし、鉄も測ることができます。赤血球の正常な数は、男性は410万~550万、女性は380万~500万と少し少ないですね。

正常値でも常に女性が低いということは、女性が貧血気味ということですか。

そういうわけではありません。女性に貧血が多いのは、出血することが多いからですね。まず、月経(生理)がありますね。これが正常であれば貧血にはなりませんが、若い女性によく見られる月経過多症や、30歳ぐらいから見られる子宮筋腫があると貧血になりますね。また、無理なダイエットなどで生理が止まることもありますし、止まると出血は少なくなりますが、食物からの鉄分補給が減少しますのでやはり貧血が起こります。

やっぱりこういった機能が大きく関係しているわけですね。

そうですね。女性にとって月経はとても大事なもので、「体調のバロメーター」です。ですから、月経が来なくなったら女性にとってはアラームを意味していますね。月経が止まる原因はさまざまですが、極端なダイエットを短期間にするなどの極端な体重の減少や肥満、ストレス、過労、過度な運動などが挙げられます。また、根底に糖尿病や甲状腺などの病気が潜んでいる場合もあります。

周期的に来ないと何らかの異常だと思えばいいですか。

月経が来ない状態を放っておくと、卵巣から分泌される女性ホルモンが低下し、骨がもろくなったり、将来骨折しやすくなります。

妊娠すると月経は止まりますが、鉄不足になるんですか。

妊娠中は胎児が母体の鉄分を消費しますので出産や流産で大量の血液を失われることもあります。出産後は母乳に鉄分が含まれていることから、女性は鉄分不足になる条件が揃っているんですね。

男性には貧血はないんですか。

男性にも貧血はあります。女性特有のものではありません。一般的には胃潰瘍や痔など体のどこかで出血して、気付きにくいまま長く続いていると、男女関係なく貧血になります。

貧血はどうやって治せばいいですか。

薬物療法で鉄を摂取する、あるいは食事で動物性タンパクや植物油を含む植物性タンパクを摂るのがいいですね。鉄分は吸収が悪く、不安定なので、鉄剤をずっと飲んでいると、胃の調子が悪くなってなかなか続けて飲めない人もたくさんいます。また、食物から摂るにはたくさんの量が必要となり、必要量の10倍ぐらい摂らないといけません。

レバーの佃煮や小松菜とか、鉄分が豊富な食品を摂った方がいいですか。

そうですね。食品に含まれている鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があります。ヘム鉄は吸収がよくて、レバーやお肉、かつお、まぐろ、いわしなどに含まれています。しかしそればかり食べていては健康に支障が出てきますので、バランスよく食べることが一番です。吸収が悪い非ヘム鉄は、貝や豆類、緑黄色野菜、海藻などを食べることが大事です。増鉄や鉄の吸収に欠かせない栄養素としては、ビタミンB2、B6、B12といったビタミンB群ですね。それと葉酸、ビタミンC、銅なども欠かせません。そのためには偏食をせず、バランスのよい食事を心がけることです。もちろんたんぱく質も十分摂らなくてはいけません。

吸収の悪い非ヘム鉄の吸収をよくする方法はあるんですか。

ビタミンCを一緒に摂れば、非ヘム鉄を吸収しやすい形に変える助けにはなりますね。その作用は果物や梅干のクエン酸、お酢にもあります。そしてお肉やお魚のタンパク質に含まれる非ヘム鉄は、消化管内で溶解することを助けてくれるヘム鉄の吸収を助けてくれます。また、海藻類を使った酢の物は、胃液の分泌が高まることによって鉄の吸収がよくなります。すっぱいもの、からいもの、ハーブなどはいいんですね。ただ、お茶に含まれる苦味成分、タンニンは、鉄の吸収を阻害するようですから、食後にはタンニンを含まないほうじ茶や麦茶がいいようです。普通に緑茶を飲むときも、熱すぎると苦味が出てしまいます。食品の組み合わせだけでなく、日本の伝統的な食生活は素晴らしいんですよね。今ではあまり見かけませんが、鉄瓶のお湯は鉄不足を補っていましたね。私が患者さんにお勧めしている調理法は、鉄のなべやフライパンを使って鉄を自然に摂りましょうとお話してます。

努力をしても貧血が治らない場合はどうすればいいでしょう。

鉄剤を直接飲んでいても貧血が改善されない場合は、胃の検査や、特に女性なら腹部エコー検査を受けるといいでしょう。これで子宮筋腫の有無が調べられます。子宮筋腫は切除すればすぐに貧血が治ります。また、貧血は悪性のいろんな病気や腫瘍などの現れでもあるので、腫瘍マーカーの検査もしてみてください。貧血にはいろいろな病気のシグナルがありますから放置しないでくださいね。

最後に一言まとめていただけますか。

貧血だとバカにしないで、特に女性の方は貧血を放置しないで下さい。若々しくきれいな女性になるためには、貧血を早く食い止めないといけません。


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