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メディア登場

武田道子の「京おんなミニ・トークシリーズ」

※下記の文章については、ラジオ放送時の内容を一部リライトして掲載しております。ご了承ください。

武田道子

過換気症候群について


今日はどんなお話ですか。

最近、過換気症候群という病気が多いのでお話ししたいと思います。

これは私も聞いたことがあります。呼吸困難に陥るというものですよね。

はい。字の通り、空気を吸い込み過ぎるということです。呼吸がうまく出来ず、早く吸い込もうと呼吸困難を引き起こし、めまいとか手足のしびれなどの症状が出てきます。これぐらいだと自分で対処出来る範囲ですが、たまに筋肉が硬直して失神することもあります。

内臓のどこかが悪いとか病原菌にやられたとかではなく、呼吸だけで調子がおかしくなるのですか。

そうです。

どのくらいの呼吸量で引き起こすのですか。

成人1回の換気量が500ミリリットル、呼吸数は1分におよそ16回と言われています。必要以上にこの呼吸数を上回って吸い込んでしまうと、過換気症候群の症状が出てきます。

発症したら体内がどう変化するのですか。

過呼吸の発作中は、血中の炭酸ガスが低下しています。そうすると血液や脳組織がアルカリ性に傾き、脳の血管が収縮し、脳の低酸素症状が現れてきます。呼吸不全の状態になってめまいや胸の痛み、また手足のしびれなども出てきます。更にこの神経症状の他に、消化器や循環器の症状も現れてきます。

他の臓器にも異常が出てくるということは、とても危険な病気なのですか。

この病気で直接的に死に至ることはありませんので、ご安心下さい。大体30分から1時間すると治ってきます。

自分が過換気症候群で息が荒くなったり、あるいは周りの人がなった場合はどう対処したらいいですか。

とりあえず腹式呼吸を行なって下さい。ゆっくりと息を吸い込んで落ち着けば、軽度の症状だと、それだけで治まってきます。また、昔からよく言われるのはペーパーバック法です。先ほども話しましたように、血液がアルカリ性に傾むくので、それを改善しようと紙袋を被ってその中で息をし、吐き出した炭酸ガスを再吸収することで血液がアルカリ性に傾いたのを改善しようというわけです

もし、それだけで治まらない場合、治療薬などはありますか。

あります。一度経験された方なら、精神的なものからくることが分かっているので、発作の前兆が大体わかってきます。これは再発するものですから。そういう場合は抗不安薬、精神安定剤などが効きます。

どういう時になりやすいのですか。

これらは不安と緊張などの情動変化によるもので、心理的刺激が原因です。よくあるケースで、修学旅行生が日常とは違う環境で興奮し、加えて疲労が重なり、過換気症候群で救急に入ってこられます。また、新しい職場での不安や環境の変化などでもよくあります。つまり精神的ストレスですね。肉体的疲労でも極限状態だったら起こる場合もあります。

前回のうつ病と言い、過換気症候群と言い、この時期の新入社員の方や新入生の方などは、ストレスからくるものが多いですね。

ストレス反応を起こす外界の刺激っていうのは一般的に四つあげられます。一つめは物理的なものとして、気温や気圧の変化、騒音や手術などですね。二つめは科学的なもので、タバコ、アルコール、薬物です。三つめは生物学的なものとして、微生物や花粉、食物などです。四つめは心理的な刺激。これが不安と緊張というようなことで、この心理的刺激というのが内分泌へのストレスになるわけですね。

ストレスで体がどう変化していくのですか。

汗が出てきて、呼吸促進や気管支拡張、筋肉の収縮力が増加して血糖値も上がります。そして、胃腸運動が抑制されるので、喉がカラカラになる。消化液が出てこないから、お腹がすかないなどの症状が出てきます。なぜか男性より女性に多く見られ、特に若い人に多いようです。原因は分かりませんが、炭酸ガス感受性の高い人に多いとも言われています。そういう方は炭酸ガス濃度に非常に過敏なので、脳脊髄液のpHセンサーを介して、この状態になると窒息警報が頭から発せられ、過換気症候群になると言われています。呼吸器関係なので、喘息の方や呼吸器疾患をお持ちの方は、特によく見られます。こういう方々は特に腹式呼吸で、吸気のコントロールをするというのが一番の方法です。これを代表するのがヨガです。

ヨガですか。ゆっくりした呼吸法を学んでおくと、過換気症候群にならないということですか。

そうです。とにかく発作が起きても周囲の人が慌てず、冷静に対処していれば治ることは間違いないですから。治療のポイントは冷静さですね。

現代はストレスが多くて、春になったらいろんな病気が出てくるので、皆さん気をつけて頂きたいと思います。先生、最後にもう一言まとめて頂けますか。

過換気症候群になる一番の原因は、不安や心理的負担などから起こるものですので、その不安を取り除くことが一番ですね。なかなか治まらない場合は、2~3日ぐらい精神安定剤を飲まれたら大丈夫です。


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