※下記の文章については、ラジオ放送時の内容を一部リライトして掲載しております。ご了承ください。

低温やけどについて
一番寒い時期なんですが、今日はどんなお話ですか。
今日は寒い季節によく見られる低温やけどについてお話したいと思います。最近はいろんな暖房器具がありますよね。ついつい暖房器具に頼りがちになりますが、中には注意しなければならない物もたくさんあります
昔暖房といったら、火鉢や練炭、石油など、火を使うものが多かったんですが、最近はそれが少なくなってきた代わりに、低温やけどが増えてきました。低温やけどって昔はなかったですよね。
あまりなかったですが、ときどきありましたよ。湯たんぽとかあんかとかでね。
それが低温やけどが起こる原因なんですね。高温でやけどするのはわかるんですけれども、低温でもやけどなんですね。
低温やけどの方が軽く見ていると、みなさんが想像されている以上に大変なことになります。
具体的にどんな暖房器具でどう使うと低温やけどが起こるのか、教えて下さい。
電気こたつや温風ヒーターは、ずっと当てていたら熱いですからね。今でも湯たんぽやあんかでの低温やけどはありますし、電気のカーペットでもやけどしますね。ほんのりと非常に心地よい温かさのものが危ないんですね。そういう器具の熱い部分を長い間皮膚に当てていると、低温やけどが起こってくるのです。
長い間皮膚に当てると言っても、電気カーペットの上にじゅうたんなどを引いたり、湯たんぽだとタオルをかぶせたりして、直接当たらないのではと思うのですが。
それが危ないんですね。長い間熱源が押し当てられていると、その部分の血流が悪くなり、血液が熱を運んでくれないためにずっとそこが熱くなるんですね。つまり、ゆっくり時間をかけて皮下組織が壊死してしまうのが低温やけどなんです。
触って熱くないような温度でも低温やけどを起こすのですか。
そうですね。ちょうど心地よい温度で起こってくるんですね。
これは気づくのが遅れそうな気がするのですが。
一瞬でやけどするような熱いものだったらすぐわかりますよね。ですが低温やけどの場合、触っているととっても温かくて気持ちがいいような温度なんです。大体60度ぐらいの温度でも1分間ずっと押し当てていたらやけどしますね。他にも50度で3分間押し当てていてもやけどすると言われていますし、42度ぐらいだと6時間ぐらいじっとそれに当たっていれば細胞が変化してくると言われていますね。
高温のやけどは、皮膚の表面がやけどしますが、低温の場合は。
低温の場合、表面はあまり気が付かないので注意が必要です。特に多いのは、糖尿病の方です。それは、末梢神経が麻痺しているからわかりづらいのですね。それから脳卒中の方でも、麻痺している側の感覚、機能が低下しているとわかりませんよね。そして高齢者の中でも特に手足の冷える方、こういう方は要注意です。ですが、健康な人でも低温やけどになるんですよ。これは本当に疲れてしまって電気こたつで居眠りした場合や、お酒を飲んで寝てしまった場合にも起こりますね。
さっき「低温やけどを軽く見ないで」とおっしゃいましたが、その辺をもう少し教えていただけますか。
低温やけどは、見た目は非常に軽く見えるんですが、実際は時間をかけて深く焼けているので、なかなか治りにくいものなのです。表面からはわかりづらいのですが、その下側の皮下組織が潰瘍を起こしており、手術をしないと治らないものもあります。
実際に皮膚科に「低温やけどした」って言う人は少ないですよね。
低温やけどだと気が付かないで放っておくと、ジクジクした感じがしてきます。そうすると皮下組織が壊死してしまって、治らなくなります。いろいろ消毒をして軟膏を塗っても、治るのに5、6カ月かかってしまいますから、これは手術した方が早いです。
低温やけどになった場合、家庭でできる治療法はあるんですか。
そのまま清潔なガーゼを当てて、専門医にかかってもらうのが一番です。よくやけどをしたらアロエやきゅうりを使うというのを聞きますが、それらが皮膚にくっついて取るのが大変で、場合によっては傷がひどくなることもあります。やけどしてチョットヒリヒリしているようなときは、水道水で冷やしてもらうのが一番ですね。
やけどの時、よく水ぶくれができますが、低温やけどでもできるんですか。
できますね。この場合は、つぶしてしまわず、水だけを抜いて下さい。そのままで来てもらわないと、返って感染症を起こしてしまいます。
低温やけどの予防法を教えていただきたいのですが。
直接皮膚に熱いものを長時間ひっつけないことですね。湯たんぽやあんかは厚手の袋に入れるなどして使うとかね。
湯たんぽは、赤ちゃんや小さい子どもに使うことが多くないでしょうか。
小さい子どもは必ず皮膚に触らない10センチから15センチほど離しておくことです。お部屋の暖房でも、直接当たると皮膚が弱いために赤くなったりとやはり危ないので、壁のほうへ向けて暖かい空気を分散し、直接当たらないような配慮が必要です。
先生、最後に一言お願いいたします。
そうですね。やはり低温やけどというのは侮れないということを一番に頭の中に入れておいてほしいですね。皮膚潰瘍にまでなるということを。







