※下記の文章については、ラジオ放送時の内容を一部リライトして掲載しております。ご了承ください。

インフルエンザについて
今年最後の放送です。今日はどんなお話ですか。
インフルエンザについてお話しましょう。
恐怖心をあおり過ぎるぐらいにテレビでやってますが、やはり流行ってきていますか。
そうですね。ぼつぼつ京都にも出てきています。厚生労働省は新型インフルエンザの流行を想定して、このような対策に取り組んでいます。インフルエンザは、毎年大体12月から3月にかけて流行します。これに合わせて11月1日からインフルエンザの予防注射が施行されます。この時期は空気が乾燥して冷たいので、のどや鼻などの粘膜を刺激して、上気道炎を起こします。症状的には気管支炎と全く同じですが、インフルエンザは全身的な症状が非常に強いというところが違いますね。年末年始、特に人の移動が多くなるのでウイルスが全国に広がるだろうといわれています。
インフルエンザには型が何種類かあるようですが。
インフルエンザには、一般的に見られるA型とB型、もう一つC型がありますが、C型はほとんど見られません。A型は、人と鳥と豚に、B型は人のみに感染します。このA型が鳥インフルエンザとして心配されているのです。感染症の恐怖は2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)が中国で猛威をふるいましたね。
普通の風邪とA型のインフルエンザはどう違うんですか。
高い熱が出ることですね。そして、全身状態が非常に悪くなり、関節痛や筋肉痛が4、5日続きます。最近は下痢も多いと言われてますね。潜伏期間は1~3日と短く、発熱期間も3~4日ぐらいですね。ただ、解熱後一週間で治癒するといわれていますが、インフルエンザ肺炎や、細菌性の脳炎など、あとに残るような合併症を起こすことがあります。特別な感染対策予防というのはありませんが、一般の感染症と同じく、手洗い、うがい、マスクの使用、できるだけ人ごみに出ないなどがありますが、一番力強いものは予防接種ですね。ただ、ワクチンは摂取してすぐには免疫ができません。2、3週間で免疫ができて、大体6カ月ぐらいしか有効期間がありません。早くしないと流行期に間に合わず、予防注射したから大丈夫と思われても3週間ぐらい先にならないと免疫ができないのです。
インフルエンザがあっという間に広がって、たくさんの死者が出ると聞いたのですが、本当ですか。
確かに新型インフルエンザが流行すれば、たくさんの人が亡くなるだろうと予想されています。今の予想では、3200万人ぐらいの感染者が出て、その中で約65万人の死者が出るだろうということです。人から人へ感染するのが通常の感染症ですが、他の動物のインフルエンザにも感染するということが、新型インフルエンザなのです。鳥や豚が感染するインフルエンザと、元々人に感染するインフルエンザの両方同時にかかると、重症症状が出ます。各ウイルスが体内で混ざり合うと、人から人へと感染するハイブリッドウイルスになるんですね。いわゆる複合感染を起こすのです。そうすると、鳥インフルエンザウイルスが鳥や人の体内でどんどん変化して、これが人から人へと感染するウイルスになっていくのです。ですから、新型インフルエンザのワクチンは、まだ一般的にはできていない、あるいは、今できている途中なんですね。現在、新型インフルエンザワクチンとしてプレパンデミックワクチンというのができてきています。これは新型インフルエンザウイルスが大流行したときに作ることができます。また、パンデミックワクチンもあります。これは、人から人へ感染を引き起こしているウイルスを基にして製造しています。現実に新型インフルエンザワクチンができるのは、流行しないと完全なものができないのです。とはいえ、現在のワクチンを接種しておけば、かなりの効果があるので、できるだけ早くワクチンの摂取をお勧めします。70~90%ぐらいの効果があると言われています。初回の方やお年寄りで免疫力の落ちている方は、一回ではなくて二週間後に二回目をするといいでしょう。
他に対策はありますか。
体力をつけるのが一番です。他にはマスクや食料品の備蓄が必要だと言われています。厚生労働省の話では、一人当たり20から25枚のマスクを備蓄するようにと勧めていますね。
治療法は、やはり薬ですか。
お薬は抗ウイルス剤だけですね。抗ウイルス剤は、体内に入るとインフルエンザの増殖を抑えてくれるお薬です。抗A型インフルエンザには、アマンタジンというのがありますが、B型にはこれは効きません。今一般的なインフルエンザ薬のタミフルは、予防投与としても認められています。
子どもさんが飲むと少し意識障害を起こすんですね。
そうですね。これが髄膜炎の症状が原因で出ているのか、タミフルが原因なのか、まだ確証がないのですが、一応成人はタミフル、シンメトレルを、子どもさんはリレンザというのを使うことになっています。
インフルエンザかなと思って病院へ行くと、すぐにわかるんでしょうか。
今現在の確定診断として、迅速診断法のキットがあります。A型かB型どちらか判定するキットですが、20分ぐらいですぐわかります。
先生、最後にもう一言まとめていただけますか。
いずれにしても感染症は、体力が一番です。ですから、健康は何物にも勝る宝です。健康というのは自分自身を守るものなんですね。来年もみなさんにとってとにかく健康である年でありますようにと祈りたいものですね。







