※医師やスタッフの肩書き/氏名は放送時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。

ストレス
十条リハビリテーション病院 うつ予防医療センター長 森下 茂
ストレスは誰もが感じる身近なものと認知されるようになった現代。しかし実際には「頑張らなくてはだめ!」という意識は変わりません。ストレスとの付き合い方について、十条リハビリテーション病院うつ予防医療センター長の森下茂先生にうかがいました。
〈お悩み〉ストレス
35歳の主婦です。以前調理師として15年間働いていました。当時はストレスで過呼吸になり、退職した現在でもさまざまな身体の症状に悩んでいます。
現在も息が苦しく、ひどい肩こりがある。だ液が飲み込めずパニックになることも
察するにかなり強いストレスにさらされて来たようですね。詳しい経過はよく分かりませんが、最も可能性があるのは「パニック障害」という病気でしょう。簡単に言えば自律神経のバランスが崩れる病気で、さまざまなストレスを引き金にして発症します。一番多く見られる症状が過呼吸や息苦しさの症状です。その他に動悸、肩こり、過度の緊張・不安、精神的な混乱などがありどの症状もそろっているようですね。この「パニック障害」という病名はアメリカから入って来たもので、少し前まで日本では「自律神経失調症」とか閉経期の女性では「更年期障害」と言われてきました。命に別状はありませんが自然には治らず、かなり長期間続く場合があります。原因は脳の中の自律神経のバランスの乱れと考えられています。もともと健康であってもある日突然この病気になり、人に相談できず苦しんでいる人はたくさんいます。精神科領域のドクターですとこの病気のことはよく知っているのですが一般のお医者さんには残念ですがまだあまり知られていません。おそらく御質問をされた女性もいくつかの病院を受診されたことがあるかもしれませんが、一般的検査では異常なしと言われているかもしれません。
病院へ行くべきでしょうか
この「パニック障害」は治ります。病院に行って治療を受けて下さい。ただし先にも述べましたが専門医に行くことをお勧めします。精神科がベストですが、近くにない場合は心療内科でもかまいません。治療法については、薬がありますのでそのお薬を飲めばほとんどの人はほどなく治ります。商品名で「ソラナックス」あるいは「コンスタン」という薬です。この薬は自律神経のアンバランスを元に戻してくれます。薬の飲み方は専門医と相談しなくてはいけませんが適切に治療すれば驚くほど早く治るといってもよいほどです、安心して下さい。
退職しても改善しないのはなぜ
御相談の女性のように職場とか生活の中の出来事は引き金にはなりますが、根本的な原因ではありません。原因は先に述べたように脳の中の自律神経のバランスの崩れです。ですから御相談の女性のように退職しても治らないのです。もし仕事が根本的な原因であるとすると御相談の女性は調理師をするとストレスがかかり一生調理師として働くことが出来ないことになりますが、そんなばかな話はありません。治れば何度でも同じ仕事は出来ます。
ストレスとの付き合い方
現在の社会情勢の中でストレスを避けて通ることは出来ません。ストレスはあまんじて受けるものなのです。当然ストレスを受けると心も体も疲労します。疲労をほったらかしにすると様々な障害が出てくるのです。パニック障害もその一つです。疲労をとるための休養が必要です。「忙しくて」という言い訳をする人がいますが、忙しいならそのような状況を自分なりに見直す必要があるのです。昔から「ない袖は振れない」といいます。楽をして得られるものは何もありません。休養も工夫をしてとることが重要ですね。







