※医師やスタッフの肩書き/氏名は放送時点でのものであり、現在は変わっている可能性があります。

身体の動かし方とその工夫
医仁会武田総合病院 疾病予防センター 健康運動指導士 大塚 潤子
今日はどんな運動についてお話ししていただけますか
日常生活の中で「身体を動かした方がいいんだろうなぁ」と感じてる人が多いと思います。そこで、どのように動かせばいいのかという工夫の方法をお話しいたします。 最近、山川さんは運動をされてますか?
昨年、健康運動指導士さんのお話を聞いてプールに行こうと思っていたのですが、まだ申し込みもしていません(笑)。普段、京都市内を移動する時はなるべく徒歩や自転車に乗るようにしたり、寝る前にストレッチ体操や足の筋を伸ばす踏み板に乗ったりしています
仕事をしていると運動する時間がなかなか取れないと言われる中で、10、20代の若年層に比べ中高年層は約2倍程度運動習慣があると新聞などで取り上げられました。疾病予防センターには病気にかかられたり、時間に余裕がある方が来られるのですが、やり始めても継続は難しいようです。
何事も続けるのが一番難しいんですよね
運動は苦しいものだというイメージを持ってしまうと続きません。運動継続のポイントは「楽しく無理なく実施」です。医療法第42条施設、疾病予防センターを利用される約8割が有疾患者ですが、健常者の方も含め一次・二次予防のための運動プログラムを提供しています。
どのような運動ですか
体操をはじめ、自転車こぎ(エルゴメーター)、歩く機械(トレッドミル)、よく深夜番組で放送している両手両足を一緒に動かすニューステップなどの有酸素運動、卓球、スポンジボールを使ったテニス、ビーチバレーボールなどの球技もできます。
卓球は楽しいでしょうね
一般のフィットネスクラブには運動する器械はあっても、卓球道具を置いているところは少ないと思います。
高齢者の方や病気された方も卓球を楽しまれているのですか
運動習慣がない人がいきなり卓球をすると、バランスが取れないなどの危険がありますので、まず自転車こぎや歩く器械など日常生活動作の運動を継続的に行っていただいて、体力的に大丈夫になってから卓球をお勧めしています。あと筋力トレーニングの器具・道具を設置し利用していただいています。参加者の年齢は幅広く、運動のプログラムは年齢、運動の目的、参加者のリスク等に合わせて調節しています。
各自の体力に応じて、健康運動指導士さんたちがアドバイスしてくださるのは安心ですね
楽しみながら運動を続けるのにはいろいろな要因があります。過去に施設利用に関するアンケートをしたことがあります。ちなみに山川さんは、疾病予防センターで運動をするとすれば何をやってみたいですか?
スポーツジム=自転車こぎというイメージがあるので、自転車こぎをやりたいです
歩きや自転車こぎは普段からされているので、やりやすいと思います。アンケートの結果 、一番人気は卓球で、次いで歩く動作や自転車こぎでした。
旅館に行くと卓球台が置いてあるように、楽しそうに見えるんでしょうね
黙々とこぐ自転車と比べて、卓球は会話が弾み、参加者の方も楽しそうです。卓球も温泉でやる卓球からアテネオリンピックで活躍した福原愛ちゃんがやっている競技卓球まで技術によって運動強度の差がありますが、日常動作に置き換えると、同じ時間あたりの酸素消費量は普通の歩行(5km/h)や自転車で緩やかな坂を上る、ペンキを塗る、入浴をするなどの活動と同じレベルです。
それほどしんどくもなく、適度な運動になるのですね
卓球というとあまり運動にならないというイメージを持っている人がおられますが、意外にしっかりと運動効果が出てきます。歩行や自転車こぎはずっと同じ筋肉を使うのですが、球技は1回ごとの動作に変化があり、さまざまな筋肉やバランス感覚、動体視力などあらゆる体の機能を使うことができます。ただ、やり過ぎるとちょっとした反動で、一気に体重が膝にかかることがあるので、膝を痛める可能性もあります。
膝が悪い人は、特に注意が必要ですね
運動の種類はたくさんありますから、例えば、私はしっかり歩くのが好きという人は、日常生活で歩くことを中心にやり、黙々と歩くなど単調な運動が苦手な人はゲーム感覚のあるスポーツをお勧めします。
友達からボウリングに誘われているのですが、ボウリングはいかがですか
全身を使う運動にはなりますが、投げて休んでを繰り返すので、運動の効果としては持続時間が短くなってしまいます。
卓球と比べると運動効果が少ないと…。でもしないよりはましですよね(笑)
各人自分の体力や膝の状態を確認してもらって、できそうな種目を選んでいただけたらと思います。
参加者を見ていて、大塚さんも特別 に運動しようと思われますか
中学・高校・大学とスポーツをやっていたので、日常生活でも積極的に身体を動かしています。疾病予防センターの参加者の方々は、同年代の一般 の方と比べるとお元気です。身体を動かしている人は元気ですし、元気だからこそ運動に来られるのです。自分が年を取った時に、近くにこういう施設があればいいと思います。
疾病予防センターに来られる方は、以前から運動習慣がある方ですか
運動習慣がなかった方が多く、大半はご病気をきっかけに参加されます。働いている時は健康管理よりも仕事が中心なのですが、病気によってこれまでの生活を振り返って、食事や運動、薬など自分で管理され、健康に気をつけるようになられます。
やり始めれば、できるものなんでしょうね
習慣化するまでが時間がかかり、一人でできない方はご家族の協力が必要になります。また、疾病予防センターでお友達になる方も多く、仲間ができると続けやすくなると思います。
ほかに運動を継続することで何かありますか
運動の時間についてお話しします。もし今「お散歩に行きましょうか」と誘ったら、何分ぐらい歩けますか?
ウインドーショッピングしながらだと3時間ぐらいは休憩なしでも平気です
すごいですね。厚生労働省では、一般に一週間で180分、もしくは1日30分程度運動習慣を作りましょうと勧めています。参加者に気持ちよく運動できる時間を聞いたところ、20分と答えられた人がほとんどで、一般に言われている30分よりは短めでした。当施設のプログラムは、1回20分の運動を2セットなので計40分ですが、1回の持続する運動時間は少し短くなっています。
でも20分間ずっと自転車をこぐのはしんどいですよね
歩くのは散歩気分でできるのでしょうが、自転車で20分はかなりの距離を走ることになるので、しんどいかもしれません。運動は目的によって時間が変わってきます。運動を10~15分したころから脂肪分が燃えてくるので、体重を落としたい、シェイプアップしたいという方は15~20分以上の運動がお勧めですし、いろいろな効果を考えると20分ぐらいが適当だと言われています。
10分だけだとシェイプアップ目的の人には効かないんですね
10分3セットやるよりは、30分を1セットした方が運動効果があります。あと昔に比べて足腰が弱ってきたから、筋力を鍛えるために来られる人もおられます。
足腰の筋力を鍛えるための運動時間はどれくらい必要ですか
例えば、ある場所から駅まで歩くのが昔に比べてしんどくなったという人は、駅まで10分かかるとすれば、10分前後歩くことから始めて、少しずつ時間を延ばしていくと駅までの距離が楽に歩けるようになり、足腰も強くなってくると思います。
歩く練習をするということですね
息が上がっておしゃべりできなくなるのは、ただ心拍数が上がっているだけで、脂肪分が燃えていないことがあるので、運動の効果は低くなります。
ほかにアドバイスがありますか
運動を始めようと思えば、近所の散歩などはすぐにできるのですが、それがなかなか難しいという方が多いと思います。近くにフィットネスクラブや医療機関が運営する運動施設がある方は、運動習慣づくりや効率のよい運動効果を得るために専門スタッフの指導のもと実施していただくといいと思います。また、地域で開催されている卓球教室や歩こう会などのイベントに参加するのもいいでしょう。
ちょっとしたきっかけから運動を楽しんで、身体を動かすようにしていきたいと思います。本日はありがとうございました







