診療方針
「麻酔科」は主に、手術の時の麻酔・全身の管理を担当します。
手術中は血圧・脈拍・呼吸・ホルモンなどの状態が大きく変化しますし、もちろん出血もします。そのような状況の下で、厳重に全身の状態を見守り、体に加わる負担をできる限り少なく、また、手術を安全かつ円滑に進められるように、全身状態の調整を行います。具体的には、麻酔薬の投与以外に、各種薬剤の投与、点滴や輸血、人工呼吸などを行います。また、血圧・脈拍・呼吸・体温・尿量・血糖値などを監視・測定し、異常があれば補正して、安全な状態にします。
近代の麻酔はめざましい発展を遂げました。
麻酔の進歩によって、超高齢者やいろいろ合併症を持った重症の方も、安全に手術を受けられるようになってきました。しかし、残念ながら、100%安全な麻酔はありません。薬に対して特異的な反応を示す方や、元気そうに見えても、急に心臓が止まるような危険な状態になる方もあります。麻酔科医は数々の監視装置(心電図・血圧計・酸素濃度計・パルスオキシメータ・カプノメータなど)や薬を準備して、刻々と変化する手術中の体の状態をとらえ、異常事態にすぐ対処できるように努めています。
麻酔の方法には全身麻酔と局所麻酔とがあります。
全身麻酔は意識をなくして、全身のどこに刺激を加えても感じないようにします。現在の全身麻酔の多くは、空気の通り道である気管の中に管を入れて、人工呼吸を行います。一方、局所麻酔(腰椎麻酔・硬膜外麻酔・神経ブロックなど)は体の一部のみが刺激を感じないようになります。全身麻酔も局所麻酔も、それぞれ長所・短所があり、一概にどちらがよいかは言えません。手術の前には、質問や診察をして、手術を受ける方の全身状態や手術方法、ご本人の希望なども考慮して、最適な麻酔方法を選択します。
タバコを吸っている方は、できるだけ早い時期から禁煙して下さい。タバコは血液中の酸素を減少させたり、たんを増やしたりして、肺の合併症をおこすだけでなく、心臓の働きや免疫力にも悪影響を与えるからです。
麻酔の前には、食事や飲み物の制限をします。麻酔中はのどの反射が抑制されて、胃の中の食物が逆流しやすくなり、肺炎や窒息などをひきおこす危険があるからです。
手術の際には、足の血流が悪くなって、静脈に血栓(血の固まり)ができやすくなり、肺塞栓症など、生命にかかわる合併症(エコノミークラス症候群)をおこすことがありますので、予防のために、医療用ストッキングや器械を使用しています。
麻酔薬が分解されて、体から排出される時間には個人差がありますので、全身麻酔から覚めるのに時間がかかることがあります。また、呼吸や心臓の状態が安定するまで、気管に管を入れたままで、人工呼吸を続ける場合もあります。
痛みがあると、たんを出したり深呼吸したりすることができずに、肺の合併症をおこしたり、血圧が上がったりします。手術後の痛みに対しては、坐薬・注射・硬膜外注入などで対処していますが、痛みの感じ方には個人差がありますので、痛い時は遠慮せずに申し出てください。痛みを我慢する必要はないのです。
その他、麻酔科医は病院によっては、各種痛みの治療を行う疼痛外来(ペインクリニック)・救命救急・集中治療室(ICU)など、手術室以外の領域も担当しています。
手術や麻酔には危険が伴いますが、より安全で質の高い麻酔を提供できるよう心がけています。
手術の際、麻酔について不安や疑問がある場合は、遠慮なく麻酔科医にお尋ね下さい。
診療体制
- 原 直樹
- 部長
- 間嶋 望
- 医員
診療実績
2008年度麻酔科管理下の手術件数888件
目標
安全な麻酔を行うこと、それが目標です。









