※武田病院グループが発行する「たけだ通信」記事からの転載です。医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点のものであり、現在は変わっている可能性があります。

過去の栄光よりも今の努力~2000~2500歩の歩数を増やそう~
医仁会武田総合病院 疾病予防センター 健康運動指導士 主任 黒瀬 聖司
「若い頃はスポーツをしていたから体力には自信がある」、「今は運動していないけど最近までしていた」という声をよく耳にします。
一方で、「昔は何もしていなかったけど、健康づくりのために運動を始めた」という声も聞きます。昔は運動していたけど今はしていない
人と、昔は運動していなかったけど今はしている人ではどちらが健康的なのでしょうか?
65歳以上の女性を対象として、昔から身体活動量が少ない人、身体活動量が少なくなった人、昔から身体活動量が多い人、身体活動
量が多くなった人(1日に約1.6Kmの活動量を増加)に分類して、身体活動の違いによる死亡率の比較をした研究があります。その結果、昔から身体活動量が多い人と身体活動量が多くなった人は、昔から身体活動量が少ない人と身体活動量
が少なくなった人に比べ、心血管死亡率が40%低いことが報告されています(図1)。
つまり、昔何をしていたかより、今何をしているかが健康づくりには重要なのです。
![[図1]65歳以上の女性は身体活動量を増やすと死亡率が低下する](img/29_02.gif)

疾病予防のための運動療法は、体力を維持、動脈硬化を進行させる状態を正常化させ、生活の質(QOL)を高めることに有効です。ま た日常生活の総歩数が多い人は身体の中で酸素を消費する能力(体力)が高く、活発な歩数が多い人は、さらに体力が高いということもわか っています(図2)。体力は病気の予防や予後を決定する要因です。 万歩計を装着し、身体活動量を把握することは、健康づくりを始める第一歩になると思います。
今さら運動しても遅いということはありません。
「今、何をしているか」が、健康づくりのポイントです。今まで運動習慣がなかった人は、1.6kmに相当する、時速4km(3メッツ)なら20~25分(2000~2500歩)の歩行を増やすことから始めてみましょう。翌日に疲労感が残らなければ、歩数を増やすことや少し速く歩くことをお勧めします。
![[図2]歩数量の増加は体力を高める](img/29_04.jpg)







