※武田病院グループが発行する「たけだ通信」記事からの転載です。医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点のものであり、現在は変わっている可能性があります。

あなたは運動不足になっていませんか?
東山武田病院 生活習慣病センター 健康運動指導士 科長 今井 優
一、乱れた生活習慣は危険
誰もが元気で長生きしたいと願うのは不思議なことではありません。日本人の三大死因は、悪性新生物・心疾患・脳血管疾患です。心疾患と脳血管疾患は動脈硬化が関係する疾患であり、この二つの疾患で亡くなられる方は悪性新生物と同数であることから、癌の予防対策と同様に動脈硬化の予防対策も重要であることは周知の通りです。
動脈硬化の進行は、不健康な生活習慣が問題とされています。食事の取りすぎや運動不足といったバランスの乱れは内臓脂肪を蓄積します(メタボリックシンドローム)。脂肪が身体に適した量であれば、脂肪細胞から動脈硬化を防ぐ良質なアディポサイトカイン(生理活性物質)が分泌されます(アディポネクチン)。しかし、脂肪が過剰に蓄積した細胞からは、アディポネクチンの分泌を抑える物質、さらに血圧を上げ、脂質代謝・糖代謝を悪くする不都合な生理活性物質が分泌されるようです。この状態を放置すると動脈硬化が進行し、心疾患・脳血管疾患の発症に繋がります。
二、運動不足を防ぐ歩数量
運動不足かどうかは、生活活動・身体活動量を調べることが進められています。その方法で多いのが歩数計で一日の歩数を調べる方法です。あなたの歩数は、国民の目標値、全国の平均値、京都府の平均値(資料1)と比べてどうですか?平均値を下回っている方、日々変動が大きい方は、通勤や買い物で歩く、階段を上がるなどと活動意識を向上させましょう。積極的な外出が減ってきている方は、社会生活に参加する目標を立て、家の中で動く、家から出るなどの工夫が必要です。これには家族や地域の方の協力も大事です。
三、運動の注意点
闇雲に歩く量を増やすことも危険なことがあります。資料2の運動の注意点を参考に、運動不足を解消し、動脈硬化の進行を防ぎましょう。
| 【男性】 | 【女性】 | |||||||
| 年齢 | 健康日本21 目標値 |
平成16年国民健康・ 栄養調査結果 全国平均(下限~上限) |
京都府 平成18年 資料 |
健康日本21 目標値 |
平成16年国民健康・ 栄養調査結果 全国平均(下限~上限) |
京都府 平成18年 資料 |
||
| 20~29歳 | 9,200 | 8,302 | (2,817~13,787) | 8,998 | 8,300 | 6,948 | (3,051~10,845) | 6,954 |
| 30~39歳 | 8,250 | (3,801~12,713) | 7,896 | 6,914 | (3,251~10,166) | 6,108 | ||
| 40~49歳 | 7,934 | (3,489~12,019) | 7,860 | 7,494 | (3,806~11,152) | 7,098 | ||
| 50~59歳 | 7,979 | (3,501~12,457) | 8,179 | 7,070 | (3,475~10,665) | 7,106 | ||
| 60~69歳 | 7,434 | (2,875~11,993) | 6,796 | 6,421 | (2,696~10,146) | 6,222 | ||
| 70歳以上 | 6,700 | 6,700 | (1,385~9,387) | 4,938 | 5,900 | 3,917 | (863~6,971) | 3,994 |
資料2 運動の注意点
一、気分がよいときにのみ運動する
発熱時、体調不良時は休む。症状消失後2日以上たってから再開する。
二、食後すぐに激しい運動をしない
食直後の運動は避ける。食事は腸管の血液需要を増し、激しい運動時には腸と筋肉の両方に供給する血液循環能力を超えることがある。こむら返り、悪心、めまいの原因になる。
三、天候にあわせて運動する
環境条件にあわせて調節する。暑いときには、熱傷害、脱水を避けるために水分を摂取する。暑さを避け早朝または夕方に運動する。寒冷時は、十分なウォームアップと衣服による防寒が必要。
四、適切な服装と靴を着用する
ゆったりとした快適なもので、天候にあったものを用いる。スエットスーツは暖かさを保つ目的でのみ使用する。直射日光下で はうすい色の運動着と帽子を着用する。また靴は運動用と指示されたものを用いる。
五、自分の限界を把握する
期的に医学的検査を受け、運動の制限を確認する。服薬内容を考慮して運動する。運動処方は守る。上り坂では速度を落とす。
六、適切な運動を選択する
有酸素運動が中心となるが、柔軟性と筋力も考慮に入れる。ウォームアップは必ず入れる。
七、自覚症状に注意する
運動前日・当日の体調の変化、運動中・後の胸部やその周囲の不快感、呼吸困難を伴う息切れ、骨・関節の不快感、慢性疲労・不眠などは運動を中止し医師に診てもらう
八、ゆっくり開始し徐々に進めていく
順応するのに十分な時間をかける







