※武田病院グループが発行する「たけだ通信」記事からの転載です。医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点のものであり、現在は変わっている可能性があります。

高齢者の運動の必要性と安全性
医仁会武田総合病院 西館5階 疾病予防センター 健康運動指導士 村上 里美
持久力と筋力鍛え いつまでもハツラツ
少しでも身体を動かす機会を持ってもらうために、歩行に関する方法と注意点、歩行を行うにあたっての準備体操と整理体操を紹介します。

加齢に伴い身体の機能が低下していく中で、高齢者にとって体力は健康を支える重要な要素になります。
体力には持久力・筋力・瞬発力・巧緻性などがありますが、持久力や筋力が低下すると、立位・歩行が出来なくなったり、起きられなかったりと、日常生活の自立が困難になってきます。現代社会において、機械化が進み快適で便利な生活を送れるようになった一方で、身体を動かす機会が少なくなり、運動不足により体力がさらに低下しやすくなっています。 また、表1に見られるように、運動習慣のある人は無い人よりも障害のあるなしに関わらず、「自立」している割合が多くなっています。
身体の活動量を表すのに、METS(メッツ)というものがあります。 人が静かに椅子に座っている時に消費される酸素の量を基準として1METS、立位はその2倍の酸素摂取量なので2METSになります。

このように身の回りの活動をMETSで表すことができます。
実際に日常生活レベル維持に必要なMETSの水準は確定されていませんが、様々な研究の報告より日常生活能力は3~4METSとされています。表2では軽作業などが行える強度になります。 METSを維持・向上させるにはどのような運動をすればいいのかというと、簡単に大きな筋肉群を動かす歩行運動があります。 何事も無理をせずに自己ペースで行うことが大切になります。疾病を持っておられる方は主治医にしっかり相談しながら身体を動かしていき、現在の体力を維持・向上させて下さい。
「歩行」の方法と注意点

プログラムの一例
- 時間:10~30分
- 早さ:ゆっくりと各個人のペースで(他人と比べない)
- 回数:週3回
次のような時は運動を中止してください。
(無理に行っては逆効果になり、けがをしたり、病気になることがあります)
- 風邪をひいている
- 関節の痛みがある
- 脈拍がいつもより多い
※ストレッチ体操は10~15秒伸ばし、呼吸を止めずに行ってください。
※立位保持の難しい方は、壁やイスを持って行ってください。
※座位保持の難しい方は、椅子に座るか介助者が支えて行ってください。
※できない体操は無理をしないで下さい。
- 歩行は日常生活の中で庭や公園の掃除、買い物、散歩などで行えるものです。無理に歩こうとするのではなく、その中で少しずつ行うようにして下さい。
- それが出来るようになったら、持続時間、実施回数を増やしていって下さい。
- 直射日光の強いときは帽子をかぶり、寒いときはしっかり防寒をして実施して下さい。
- 車椅子の方は外に出ることにより、ストレス解消・日光浴になります。







