※武田病院グループが発行する「たけだ通信」記事からの転載です。医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点のものであり、現在は変わっている可能性があります。

お風呂は効果的に
医仁会武田総合病院 西館5階 疾病予防センター 健康運動指導士 今井 優
入浴後のストレッチが大切
皆さんは、お風呂へ毎日入りますか。
日本人は 「入浴好き」といわれています。 それは、夏は高温多湿のため、ひと風呂浴びてサッパリしたい気持ちになり、冬は冬で冷えた体をお湯につけ全身を温めたくなる気候風土のため、日本の生活に入浴は欠かせないものとなっています。
お風呂の利用の仕方
お風呂の利用の仕方には色々あります。
自宅での入浴やシャワー、昔からの銭湯、色々な浴槽を揃えた大型大衆浴場、温泉を利用したクアハウス。
また目的も様々有り、一日の疲れをいやす、病気・怪我の療養、身体を美しくする、体をつくる、汗を流して減量、前日のお酒を抜くなど、目的に善し悪しはありますが、生活習慣には欠かせないものです。
公共の浴場には、「心臓病の方は御遠慮下さい」、 「高血圧・糖尿病の方は注意して下さい」と疾患を持っておられる方への注意書きを目にすることがあります。
シャワーは、静かに椅子に座っている動作の 3倍の活動強度、入浴は 5倍の活動強度があります。この強さは、家事、車の運転、ゆっくり歩く、自転車に乗るといった日常の活動よりも高いレベルにあります。
入浴は内科的疾患を持たれた方には、時には心臓に負担を与えることになります。
入浴やサウナなどに関する資料には、サウナ中あるいは直後に死亡した例の57%は60歳以上の方であることや、スポーツ施設利用者の入浴直後に脳虚血様症状が現れ、病院で治療もしくは応急処置を受けたという報告があります。
入浴は誰もが爽快になれるわけではなく、時には入浴を控えなければいけないときもあるのです。
身体の変化
次に入浴の方法による身体の変化についてお話します。
お湯につかるとき、入浴初期には、交感神経の働きにより血圧が上昇します。暖まるに従って末梢血管抵抗が減少し血圧は下降してきます。
身体全体が暖まると、内蔵血管が収縮して血液を送り出し、血圧の低下を防ぐために、二次的に血圧上昇が認められます。
湯の温度の違いによっても、血圧や脈拍の変化に違いがみられます。ぬるめの湯では血圧の変動が少なく、熱めの湯では初期の血圧上昇により事故を引き起こすこともあるようです。
入浴前

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入浴前の運動はニコニコペースで30分
入浴時

42度以上の高温のお湯は要注意

入浴は半身浴でぬるま湯、長湯は避けましょう

全身浴は心臓に負担がかかります
入浴後


体操は入浴後に効果的なストレッチ体操を
脈拍
脈拍は水温の上昇に比例して増大します。水温高いお湯では、前述のように、末梢血管抵抗が減少して、皮膚血流量が増し、静脈環流が減少するため、心室からの1回拍出量が減少し、それを補うために心拍数が増大するようです。ぬるい湯では逆に水圧の影響により、静脈環流が増し、1回拍出量が増大するので心拍数が減少するようです。
水深
水の深さも心臓や体内の血液分布に影響を与えます。日常立位状態では、重力の影響で静脈が拡張して、血液が下半身に多く集まります。水中に腹部まで入浴した場合、下半身は水圧で圧迫されます。心臓内の血液の容量はやや増しますが、心臓への負担は少ないです。首までどっぷり浸かった全身浴の場合、心臓内は血液の容量が増え拡大します。肺の容量は減り下半身の血液分布は小さくなり心臓の負担度は増大します。
正しい入浴法
正しい入浴は、入浴時の労作、皮膚への刺激を与えるような高温、湯あたりを起こすような長時間の入浴は避けましょう。入浴の姿勢は首までの深い入浴は避け、心臓の高さ(目安としては乳首の高さ)が適当です。
激しい運動直後や入浴中の運動は、入浴事故を引き起こします。
入浴前の運動はニコニコペースで30分、入浴中の体操は避け、入浴後に軽いストレッチを試みて下さい。
効果的な入浴は、全身の新陳代謝が高まり、精神肉体疲労を回復させ、心臓への負担もなくなり、全身がリラックスできることでしょう。







