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知っ得? 納得!運動不足解消術
医仁会武田総合病院 疾病予防センター 健康運動指導士 黒瀬 聖司
体を動かすことのポイント
- 正しい知識を習得する…自分の思い込みでやっていることが、逆に健康に悪影響を及ぼすこともありますので、正しい知識を身につけましょう。
- 自分の生活を振り返る…今日何をしたか、昨日何をしたか、些細なことでもいいので振り返ってみましょう。細かな内容は出てこなくても、行為を思い出すことが大切です。
- 数値化して記録する…例えば体重や血圧など、感覚ではなく実際に数値を記録してみるといいでしょう。
- 便利、楽なことばかりは考えない…現代社会は文明の利器が多く、エレベーターや車など便利なものを使いがちです。もちろん、使わなければならない人もいますので、元気な人は自分の足を使いましょう。
- 目標を持ち、達成したらご褒美を…自分の目標が達成できたら、それに対してご褒美をあげることでやる気が維持されます。
日本人の死因はがんが1位で34.2%、心疾患(心筋梗塞、心不全など)が約16%、脳血管疾患は約11%で、日本人の中で30%弱ぐらいが心筋梗塞や脳出血で亡くなることが多く、身近な病気です。これらをしっかり予防することが長生きの秘訣です。
Q1.2009年に発表された日本人の平均寿命は、
・男性79.29歳(世界4位) ・女性86.03歳(世界1位)
平均寿命と死亡年齢の平均値である?
A1.答えは×です。
平均寿命とは、あくまで基準となる年の死亡状況が今後変化せず、今の医療水準や生活水準が変化しないと仮定したときに、今生まれてきた赤ちゃんがこれぐらい生きるであろうという予測値です。何年生きられるかという期待値を表したものが平均寿命なので、79歳まで生きていられるという意味ではありません。
Q2.腹が減っても戦はできる?
A2.「腹が減っては戦もできぬ」という言葉がありますが、答えは人間の体上、○です。
おなかが減っていても、体が動くようにできています。人類が地球上に誕生してから飢餓の時代がずっと続いてきました。飽食の時代と呼ばれる昨今は、人類が誕生してからごくごく最近のことです。人間は常に飢餓と戦ってきたので、基本的に餓えに耐えられる細胞が残されているのです。
Q3.昔から痩せているので、たくさん食べても太る心配はない?
A3.これは×です。
人間は、生きていく上で最低限必要なエネルギーである基礎代謝が年齢とともに減っていき、特に男性は40歳ぐらいから急激に、女性はじわじわと落ちていきます。だから昔と同じようなものを食べていると、どんどん太ってしまいます。体重にもよりますが、70歳男性の基礎代謝は1300kcalぐらい、女性は1100ー1200kcal、痩せ型だと1000kcalないと思います。
「沖縄」といえば「長寿」のイメージがあるかもしれませんが、2000年に沖縄の男性平均寿命が26位まで落ちました。これは、第二次世界大戦後にファーストフードが広まったことが原因だといわれています。今では肥満率男女ともに1位になってしまいました。沖縄は人口1000人あたりの外食店の数が一番多く、肥満が増えて心筋梗塞や脳梗塞が増加し、平均寿命が下がってきたのです。
Q4.狭心症で冠動脈を風船治療とステント治療を行いました。ステントは薬剤溶出性のステントで再狭窄の確立は低いようです。今までどおりの生活をしても問題ない?
A4.狭心症とは、心臓に3つの血管がありますが、その血管が細くなってしまう病気で、細くなった血管を風船で広げる治療があります。薬剤溶出性のステントが認可され、短期的な再狭窄が少なくなりました。しかし、今までと同じ生活をしても問題ないのかどうか、これは×です。運動不足や食事の乱れなどが原因であれば、治療前と同じ生活に戻ると再発のリスクが高くなります。短期的には問題ありませんが、長期で見ると再狭窄や新しい病変ができてしまうのです。
Q5.心臓病の人は体力が低く、長生きできない?
A5.正解は×です。
心臓病を患ったとしても、心臓病のない方と比べてもそんなに変わりはありません。調べてみると、体力に影響する要因で一番強いのが年齢です。もちろん体力は若い人のほうがあるので、当然です。その次に影響するのが除脂肪量や運動継続期間です。運動を長く続けた人のほうが体力があり、逆に心臓病があるかないかの影響は小さいようです。
Q6.昔、体力があった人は、現在運動していなくても病気を予防できる?
A6.これは×です。
昔から運動をしていない人と、昔はしていたけど今はしていない人の心血管死亡率は同程度です。また昔から運動を続けている人と、昔はしていなかったけど今はしている人では心血管死亡率は低くなります。今から始めても決して遅くはありません。遅い早いよりも、今何をするべきかを考えてもらったほうがいいのかなと思います。
Q7.健康づくりのためには、有酸素運動だけでは十分でなく、筋力トレーニングもしたほうが効果的である?
A7.筋力トレーニングをしたほうが効果的だということがわかってきています。
これは、歩くだけでは筋力低下を完全に抑えることができないからです。歩いていても筋力は年齢とともに落ちるほうが大きいことがわかっています。せっかく歩くのであれば、簡単な筋力トレーニング(椅子からの立ち上がり、かかと上げなど)をするだけでも効果的です。
Q8.長時間の運動を続けなくても、細かな動きでも運動になる?
A8.30分続けて歩いた人と、10分を3回に分けて歩いた人とではどちらが運動効果があるでしょうか。運動効果はどちらも同じです。続けても歩いてもいいし、休憩を入れながらでもいいし、自分のペースにあわせてやってもらうことが一番だと思います。ただ、10分以上は続けて歩いたほうが効果的ですし、余裕があれば少し早歩きをするとさらによいでしょう。
活動量を十分確保することが大切
昔は運動することが大層に思えたのですが、運動は身体活動の中に含まれます。身体活動は、読書や食事なども身体活動に値します。さらに生活活動も含まれ、犬の散歩や掃除などでも十分です。簡単にいうと、身体活動量が十分であれば、運動にこだわる必要はないと思います。日常生活では、家事の途中にテレビを見ながらなど「ながらストレッチ・下肢筋力運動」を行ったり、掃除の際に普段より大きく腕を動かしてください。エレベーターを利用せず、階段を利用する。買い物は車を利用せず、徒歩や自転車で行く。万歩計をつけて、セルフモニタリングするなど、工夫することも大切です。







