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健康のために

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※医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点のものであり、現在は変わっている可能性があります。

武田総合病院 疾病予防センター主任 健康運動指導士 黒瀬 聖司

今から始める健康づくり~動く喜び、動ける喜び~

武田総合病院 疾病予防センター主任 健康運動指導士 黒瀬 聖司

みんなの願いは健康長寿

今何が不安ですかと聞いたところ、

  1. 自分や家族の健康
  2. 配偶者に先立たれること
  3. 災害

という結果でした。では、健康で心がけていることは?と尋ねたところ(平成16年内閣府調べ)、

  • 食生活に気をつける
  • 睡眠や休養をよくとる
  • 規則正しい生活をする
  • 運動やスポーツをする
  • 酒・たばこを控える

などの答えが出ました。この答えからもわかるように、みなさんの願いは健康長寿が一番なのです。

自動車の保有台数=糖尿病患者

ここ50年で生活のスタイルがどんどん変化し、その結果、糖尿病の方が増加しています。これは、肥満の増加が原因で、自動車の保有台数が増えたことによって肥満も増加しているのです。

さらに、脂肪の摂取量も徐々に増加しています。つまり、生活スタイルの変化がメタボリックシンドロームを引き起こしているのです。

体力とは

「体力」という言葉にはいろいろな意味があります。構成要素として筋力や敏捷性、柔軟性、平衡性、全身持久力などがあります。

筋力は、筋肉の強さ、支える力です。筋肉は使うことで向上・維持しますが、使わないとどんどん低下してしまいます。筋肉は骨を守ってくれるので、関節や腰の痛みなどとも深い関連があります。膝が痛い方が病院の先生に「もっと歩きなさい」と言われることがあると思います。これは、太ももの筋肉を強くすることで痛みが軽減することもあるからなのです。

敏捷性は、瞬時に動くことが出来る能力です。柔軟性は、関節や筋肉のやわらかさのことであり、原因がわからない肩こりのほとんどが、筋肉が硬くなることで出現します。マッサージをすれば楽になるのですが、間違ったマッサージをすると悪循環になることもありますので、自分でできる肩や首の筋肉をリラックスさせるような体操がおすすめです。

平衡性は、バランスを保つ能力で、加齢とともにどんどん低下してきます。昔より転倒することが多くなった人は、平衡性が低下している可能性があります。

全身持久力は、運動を持続できる力のことで、生活習慣病の発症に一番関連が深い要素です。持久力を高めると病気になりにくく、健康に過ごせますが、やりすぎると悪影響となることもありますので、主治医や専門家のアドバイスを受けましょう。

運動は認知機能を維持

体力に影響するものを調べたところ、

  1. 年齢が若い
  2. 運動継続年数が長い
  3. お腹周りが小さい
  4. 除脂肪量が多い

方は体力レベルが高いことがわかりました。

加齢による体力の低下は当然ですが、運動療法を継続し適切に体組成を管理することが重要です。

また運動をすることで認知症の予防になると言われています。一日の歩行距離が3.2キロ以上の人の認知症発症率は、430メートル未満の方に対して約半分になるとの報告があります。運動をすると、脳細胞の栄養となる物質が増えてくるのです。

運動の強さは楽である~ややきついかなと思うぐらいがちょうどよいといわれており、無理にがんばってしなくても、友達と話をしながらできるぐらいのゆっくりとしたペースで歩いてもらえば、脳細胞を活性化すると言われています。

動く喜び、動ける喜び

身体活動量が減ると、病気の発症、転倒、膝痛や腰痛、認知機能の低下につながります。

体力を維持、向上させる唯一の方法は身体活動量を増やすことです。血圧を下げるお薬や、中性脂肪を下げるお薬がありますが、体力低下の薬は自分で動かすことなのです。つまり、動くことが健康につながり、動けることの幸せを感じられると思います。

身体活動量とは、生活活動量と運動を合わせたものです。昔は運動を続けて30分以上しないと意味が無いと言われた時代もありましたが、そうではありません。運動初期は10分×3回の細切れ運動でも効果は出ます。

また生活活動量とは家の掃除、庭の仕事や階段の昇降などであり、これも身体活動量の一部です。要は一日のうち、どれだけ動けたかということが重要です。

週23エクササイズで生活習慣病予防

厚生労働省よりエクササイズという身体活動量を表す単位が発表されました。

エクササイズとは運動の強さ(メッツ)と時間をかけたものです。座位安静時を1メッツと考え、通常の歩行は座位安静時の3倍の強度となるため3メッツになります。歩行を1時間行えば、3メッツ×1時間=3エクササイズとなります。週23エクササイズで生活習慣予防と言われていますが、簡単に言うと毎日8000~10000歩ぐらいの活動量がある方はこれに相当します。

日常生活での工夫として、家事をしながら、にテレビをみながらなどの「ながらストレッチ」を行うとか、掃除の際に普段よりも大きく腕を動かしたり、エレベーター等を極力利用せずに階段を利用するなどがあります。

また目標を作ることも大事です。脂肪1キロ落とすには、約7000キロカロリー消費しないといけません。水だけの生活を5日間続けてやっと1キロ落とせるエネルギー量です。それぐらい脂肪というものは燃えにくいものなので、一気に減らそうと考えないで下さい。日常生活の中で、コツコツとうまくやることが大事です。

運動するときの注意点

運動をできるだけ安全にするための注意点は、寝不足や体調が悪いとき、また天気があまりにも悪いときなどは、あまり無理をしない方がいいと思います。毎日の日課にしておられる方もいらっしゃると思いますが、睡眠不足時に無理して運動すると、脈拍が高くなり、心臓に負担をかけることになりますので、休むことの勇気も大切です。そして、食直後は避け、食後1~2時間はあけてから運動しましょう。食直後に体を動かしてしまうと、消化不良を起こしてしまいます。お薬を飲んでおられる方も、服用後1時間はあけてから行ってください。

運動は30~60分程度が適当で、休憩を入れながらやっていただければと思います。1回運動すると、2、3日効果が持続しますので、毎日しなくても週3~5回でも十分効果は出ます。運動中に楽に会話ができて、翌日に疲れが残らないようにしましょう。

昔、体力があったからといっても今も体力があり、健康であるとは言えません。大切なのは今現在の取り組みです。


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