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健康のために

メディカルアドバイス

※武田病院グループが発行する「たけだ通信」記事からの転載です。医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点のものであり、現在は変わっている可能性があります。

医仁会武田総合病院 院長 森田 陸司

 

骨粗鬆症の予防と治療
~丈夫な骨で活動的な日々を。骨の健康を考えていますか?~

医仁会武田総合病院 院長 森田 陸司

社会の高齢化に伴って、骨粗鬆症患者数は増加し、現在わが国に約1000万人以上の患者が存在すると推定され、かつ、骨粗鬆症による骨折は「寝たきり」の第三の原因と言われています。

わが国は世界に誇れる長寿命国となりました。高齢者が活動的で、健康的な生活を送る方策を考えなければいけません。

骨粗鬆症の予防や対策はどうしたらよいのでしょうか。
骨はどうして年と共に脆くなるのか、骨折をどうして防いだらよいのか?を考えてみましょう。

それとも、「自分はまだまだ大丈夫」と思っていませんか?

加齢と共に、骨はどのように減っていくのか

[図1]加齢に伴う骨量の変化

骨粗鬆症は、実は寿命の延長と密接な関係があります。つまり、加齢と共に、骨の量は減少し、スカスカとなって脆くなり、それが進むと遂に潰れたり、骨折を起こしてしまいます。

実際に骨の量(骨密度)を測ってみますと、図1のように、骨密度は成長期に、その個人の最大量(最大骨量)に達し、以後しばらくそれは維持されますが、女性では50歳頃から急激な骨減少が生じます。
その減少率は閉経直後では年間数%に及び、それ以降は緩徐な骨減少に移行しますが、全体として年1%の割合で減少する事になり、その結果として、80歳代では40歳代の約半分にまで低下してしまいます。

従って、更年期女性にとって、骨量減少を食い止める事が極めて大切です。

男性でも骨減少はみられますが、その低下は緩徐であり80歳代で40歳代の70~80%に減少します。

 
骨粗鬆症について

[図2]骨密度の測定、[図3]腰椎骨密度、[図4]大腿骨頚部骨密度

骨粗鬆症は、骨の量が減ってスカスカになり、骨が折れやすくなった状態です。
しかし、特有な症状がないために、「沈黙の疾患」と言われています。そのため、自分が骨粗鬆症である事を知らず、合併症である骨折を突然来たす人が多くいます。

骨粗鬆症は、骨量測定、骨X線写真でしらべます。骨量測定法は、最近は著しく進歩し、早期に正確に骨粗鬆症の診断が出来ます(図2、図3、図4)。s

自分の骨量がどの位あるのかを知っておく事が、骨粗鬆症対策の第一歩です。
骨の量が減るにつれて、骨折の危険度は確実に増加します。
実際に骨折を生じる閾値は個人差がありますが、一般に骨密度が若年者の70%以下になりますと骨折の危険性が高まりますので、この値以下を骨粗鬆症として、骨折予防のための治療を開始する事になっています。


骨粗鬆症の予防はどうしたらいいのか

骨の量は誰でも年と共に減少しますので、骨粗鬆症の予防には、(1)若い時の骨量を如何にして高くするか、そして、(2)閉経後の骨減少を如何に低く抑えるか、という事になります。
では、具体的にどうしたらよいのでしょうか。

様々な研究から、骨粗鬆症や骨折の「危険因子」というのが知られています。 それらは、低骨量、骨折の家族歴、骨折の既往、やせ、運動不足、カルシウム摂取不足、喫煙、過度のアルコール摂取、ステロイド剤服用などです。つまり、骨粗鬆症の発症には、食事や、運動などの生活習慣が大きく関与します。
これ等の危険因子のうち、避ける事の出来るものは避ける事が第一です。

つまり、バランスの良い食事で、カルシウムを積極的にとり、過度の飲酒を避け、喫煙をやめ、適度の運動を維持して、骨に良い生活習慣を若いうちから身につける事が大切です。

骨粗鬆症の薬物療法

既に骨量が低下して、骨折の危険度が高まった人には、栄養療法や運動療法だけで、骨折を防止する事は出来ません。転倒の防止と共に、薬物療法が必要です。

最近、骨粗鬆症の治療法は著しく進歩し、幾つかの優れた治療薬が登場しています。 高度に粗鬆化した骨を、元の元気な骨に戻す事は困難ですが、骨の量を増やして骨折の危険度を減らす事は可能になりました。 ですから、骨減少を早期に発見して骨折の危険度に応じた予防と治療を始めることが大切です。

医仁会武田総合病院では、水曜日午後に森田院長による骨粗鬆症外来を行っています。


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