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メディカルアドバイス

※武田病院グループが発行する「たけだ通信」記事からの転載です。医師やスタッフの肩書き/氏名は掲載時点のものであり、現在は変わっている可能性があります。

医仁会 武田総合病院 産婦人科 部長 山本 嘉昭

子宮の病気、切らずに治せます
マイクロ波による子宮内膜焼灼術

医仁会 武田総合病院 産婦人科 部長 山本 嘉昭

術後の痛みも軽く 女性守る高い安全性

MEA

医仁会武田総合病院ではこのたび、マイクロ波による子宮内膜焼灼術、MEA(Microwave Endometrial Ablation)を行うことになりましたので、ここに紹介させていただきます。子宮の病気のほとんどは、癌などの悪性腫瘍と良性の腫瘍(良性のできもの)に分けることができ、その比率は良性のものが90%以上でたくさんの患者さんがおられます。
この良性腫瘍とは、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮内膜ポリープ、子宮内膜増殖症などであり、そのほとんどが月経の量が多い過多月経、不正子宮出血、月経困難症(生理痛がひどいもの)というような症状を示します。
程度の軽いものは経過観察のみですが、貧血を起こしたり、何度も出血を繰り返したり、痛みがひどい場合には、一般的に子宮摘出手術や薬による治療が行われています。
手術療法も年々進歩し、当院では術後の痛みが少なく回復の早い腹腔鏡下手術が多くなりましたが、それでも子宮を残したい方やメスを入れるのは恐いと言った患者さんが増えており、年々薬物療法を選択される方の割合が増えています。

 手術療法は、一回の治療で根治し、その後の治療が必要ない事が最大の長所ですが、術後の痛み、入院や休職を要すること、手術による合併症や後遺症がまれに見られることが短所です。
これに対して薬物療法の利点は、手軽であり、メスを入れずにすみ、子宮が残っているという満足感、安全性などですが、閉経まで長期間の治療を繰り返し続けなければならず、また薬の副作用で更年期症状や骨粗鬆症、血栓症、肝障害などの心配があります。
この様な手術と薬物療法の利点を兼ね備え、短所が少ないと言う理想的な方法が子宮内膜焼灼術(MEA)なのです。

 子宮の内側には子宮内膜という粘膜が毎月新しく生えては落ちていくことを繰り返しています。
これが月経ですが、月経以外の出血もほとんどがこの内膜からの出血です。
そこでこの内膜を残らず焼灼して子宮からの出血を無くすというのがMEAの原理です。しかし、術後はまったく妊娠しない様になりますので、まだ子供がほしい人には絶対に行えません。
実際には1ヶ月間だけ薬を使用し、子宮内膜を薄くして効果を確実なものにしてから行います。
直径8mmの先が丸い棒状のアプリケーター先端には、マイクロ波を発する部分と温度計が取り付けられており、麻酔を行ってからこれを子宮腔に挿入してス イッチを入れます。マイクロ波は3mm以内の深度しか伝わらず、そこで発生する熱は温度計で監視され、70~80℃の治療温度域を維持してゆっくりとアプ リケーターを動かし、子宮内膜全面を焼灼すると、5~6mmの深さで均一に組織は破壊され、その後壊死して搬痕組織に変わってゆきます。

 必要時間はわずか3分間で眠っている間に終了し、術後の痛みは軽く、ほとんどの人が翌日から仕事もできます。
手術直後から月経量は激減し、24ヶ月以内に90%以上の人が減少したと答え、無月経になる人が60%、同時に生理痛も軽減し、全体の満足度は90%以上であります。
子宮筋腫がその後小さくなった症例も報告されています。もちろん子宮も卵巣も残っており体調の変化はありません。
最大の特徴はその安全性であり、術中の大きな副作用は未だかつて報告されていません。MEAは既に英国やカナダ、香港、オーストラリア、中国でも実際の治療に使われており、治療を受けた患者さんはすでに2000人を越え、産婦人科医師の注目を浴びています。
われわれ武田病院グループでは、このような優れた治療方法をいち早く提供するため、これまでにも尿路結石衝撃波治療や、腹腔鏡下胆嚢摘出術、心臓内膜アブ レーションなど、数々の先進医療を国内で最初に提供してきましたが、今回のMEAはその中で最新のものと言えるでしょう。

 子供を生み終えた女性にとって、過多月経や月経困難症、不正出血は大変やっかいなものです。 しかし、近年手術を受ける女性は減少し、閉経までの長期間ホルモン調整剤、鉄剤、鎮痛剤の服用を余儀なくされ、骨粗鬆症や更年期症状、嘔気、アレルギーなどの副作用を訴える場合も多く見られます。 一回の簡単な手術で症状がよくなり、長期間の薬物療法を必要としないMEAは、今後日本の患者さんからも支持を受ける治療法となるでしょう。



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