反復性肩関節脱臼(癖になった肩の脱臼)
病態
外傷が契機となり、関節包(関節を包む靭帯)が関節窩から剥がれ、肩がなんども抜けてしまします。
ゴルフボールの例でいいますとボールがティーから落ちないようにするには、関節包がティーに付着していることが必要ですが、関節包が剥がれると、ボールはティーから落ちやすくなるのです。

治療
他の肩関節疾患では、保存的治療が基本治療ですが、本症は外傷疾患ですので、完治には手術がベストです。リハビリ、筋力強化で治ると言われますが、脱臼肢位(脱臼しやすい腕の角度)では抜けそうな感じはとれないのが現状です。高齢になると、関節包が硬くなるので抜けにくくなりますが、関節が硬くなって脱臼すると、骨折や前述の腱板断裂が生じやすくなります。そういう意味では、若いうちに手術をしたほうが良いと思います。
手術方法
剥がれ落ちた靭帯を骨にくっつける手術を関節鏡で行います。糸つきのビスを関節窩に埋め込み、その糸で靭帯を関節窩に固定します。関節鏡手術のメリットとしましては、
- 創が小さい
- 術後の痛みが最小限で早期リハビリが可能
- 可動域制限が少ない(余分な筋肉を切ることがないため)
- 再脱臼の確率は従来の切開手術とあまり変わらない
等が挙げられます。
術後は着脱可能な装具を服の上からつける装具で患肢の固定をおこないます。大体の方は術後2ヶ月までに日常生活には困らなくなります。術後早期にリハビリを頑張りすぎると、靭帯がまた緩むことがあります。そうなると再脱臼や不安定感を感じることがあります。靭帯が関節かにしっかり固定されるには3ヶ月くらいかかるので、あせらないことが大事です。






