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腱板断裂(腱板というすじがきれて、動作時痛をひきおこす)

肩の図解腱板断列の図

図のように肩関節は周りに三角筋という筋肉があるのですが、その内側に肩甲骨と上腕骨とをつなぐ腱板という筋肉、腱があります。肩の構造はゴルフボールのボールとティーを思い出してもらえば、想像しやすいと思うのですが、図に示している関節窩がティー、上腕骨がボールと思ってください。肩関節が動く上で、このティー(関節窩)をボール(上腕骨)が転げ落ちないようにする必要があるのですが、腱板はボールに付着しており、腱板が働いてティーから転がらないようになっています。この腱板が切れると動作時に、ボールがティーから転がりそうになります。切れた腱は肩を挙げていく上で肩峰と上腕骨の間にはさまり、動作時の痛みが引きおこされます。また筋肉なので切れると筋力も弱まるのです。つまり動作時の痛みと力が入らないというのが腱板断裂の症状です。
ここで五十肩との大きな違いは腱板断裂での症状は肩関節のある方向(肢位といいます)で、肩の痛みが出現する頻度が高いということです。下記に示す画像診断は、確定診断に必須ですが、問診、理学所見でおおよそ腱板断裂か五十肩かが診断できます。

診断

問診:外傷暦(怪我、打撲、転倒など)があったかどうかをお聞きします。

理学所見:可動域(動く範囲)をしらべ、力の入れ具合、どの肢位で痛いかを調べます。

画像診断:レントゲン、MRI、エコー、関節造影などがあります。MRIでほぼ診断はできますが、関節造影検査をすると、より詳細に診断できます。

治療

関節鏡手術の図

基本は保存的治療です。
炎症期は、疼痛が強い時期ですが、安静時痛、夜間痛などがある時です。この時期は注射や内服薬などで炎症をとり、平行して温熱療法、リラクゼーションを処方し、睡眠障害がある場合は睡眠薬等を処方します。

次にリハビリです。ここでお話しておきたいのは断裂があっても結構リハビリで症状は軽快するということです。リハビリで、動きをよくすることで、断裂した腱のひっかかりがなくなると症状は軽快します。しかし、外傷後3ヶ月経っても症状が軽快しない時や若年者で筋力低下(力が入らない等の主訴)がある場合には手術を要する可能性が高くなります。保存的治療と十分な診察にて手術の必要性を考慮していきます。
手術が必要な場合には、切開せずに小さな傷を4、5箇所つくって関節鏡(内視鏡)手術を施行します。方法としては、肩峰の下面を削り、断裂した腱を上腕骨にくっつけます。


内視鏡

関節鏡手術のメリットとしましては、

等が挙げられます。(ただし、修復困難な腱しか残っていない場合は切開手術をする場合もあります。)

術後のリハビリはかなり大事な要素です。入院期間は要相談ですが、2週から3週程度です。術後3週間は外転枕という装具を体幹に装着します。装具をしている期間は自分で動かすことを控えてもらいます。装具を外してからが、本格的なリハビリになります。

個人差がありますが、目安として、日常生活の軽作業は術後6週から8週で可能となります。重労働で術後4ヶ月から6ヶ月(労働の程度によります)、完治も個人差がありますが、8ヶ月から1年です。個人差があるのは、年齢、体格、骨格の問題、腱板の損傷の程度、他の疾患(糖尿病、心臓病などの)合併症の有無などが関係するからです。


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