
城北病院 皮膚科医長
信原 聡美 |
しみ・そばかすとは、どんなときにできるのでしょうか?
一般的にしみと呼ばれているものには様々な疾患が含まれています。もちろん疾患によって原因や病態が違いますから、治療法や対処の仕方は異なります。しみの病態生理により大まかに3つに分類できます。
●メラノサイトの異常が原因のしみ
【肝斑】
紫外線が最も多くあたる前額、頬骨部、口囲に左右対称性に生じる境界明瞭な褐色の色素斑です。原因は女性ホルモンなどによりメラニンを作る細胞であるメラノサイトが活性化されるためと考えられています。妊娠、経口避妊薬、紫外線によって悪化します。60歳をすぎると自然治癒に向かいます。
↓
《治療法》
医師の処方によるトラネキサム酸を内服すると2〜3ヶ月で改善します。しかし、内服を中止すると再燃します。また、紫外線が悪化原因ですから、日焼け止めは塗りましょう。その他に、ビタミンCのイオン導入や美白剤の塗り薬、ケミカルピーリングといった保険外の治療が有効です。
【そばかす(雀卵斑)】
両頬から鼻背にかけて見られる5mmまでの淡い褐色の色素斑です。子どもの頃から出現し、思春期に目立つようになります。日本人では色白の人によく見られる遺伝子の疾患です。メラニンの産出が亢進しているためにおこります。
↓
《治療法》
ビタミンCのイオン導入や美白剤の塗り薬、ケミカルピーリングといった保険外の治療が有効です。レーザー照射が有効な場合もありますが、再発する場合もあります。
●ケラチノサイトの異常が原因のしみ
【日光性黒子(老人性色素斑)】
一般的に「老人性のしみ」と呼ばれているものです。長年の日光暴露により皮膚を構成するケラチノサイトが光により老化をおこし、同時にメラニンの産生が増加することにより生じます。60歳以上の人であれば、大概の人に1個以上はあります。境界明瞭な褐色あるいは黒褐色の隆起のないもので、大きいものからそばかすくらいの小さなものまであります。このしみ上にもりあがったものが老人性のいぼ(脂漏性角化症)と言われるものです。
↓
《治療法》
レーザー照射が有効です。しかし、レーザー照射後、炎症後の色素沈着を起こすことがありますので、日焼け止めや美白剤の外用を行う必要があります。
●炎症後の色素沈着
かぶれやニキビ、アトピー性皮膚炎などの炎症がおこった後に残った色素沈着を言います。炎症がおこったために、皮膚の深い所の真皮にメラニンが増えてしまったためにおこります。
↓
《治療法》
まずは、炎症をおこす原因を除去し、治療する必要があります。かぶれの場合は、原因となる製品を中止し、ステロイドの塗り薬で早期に炎症を引かせます。アトピー性皮膚炎にしても、ニキビにしても、早期に医師にみてもらい治療を開始することによって、色素沈着を出来るだけ起こさないようにした方がいいでしょう。ひどくなればなるほど、その後の色素沈着が濃くなります。一旦出来てしまったものは、自然に軽快していきますが、日焼け止めや美白剤の外用、ビタミンCのイオン導入がより早くひかせるのに有効です。すべてのしみにおいて、紫外線が増悪因子です。刺激が少ない市販の日焼け止めを、春・夏だけではなく、1年を通して塗るようにしましょう。また、ビタミンCは出来てしまったメラニンを皮膚の外へ排出するのを増やすだけでなく、メラニンを作るのを阻害してくれます。積極的に摂取し、予防に努めましょう。 |