
医道会 十条病院
外科手術部長
島袋 隆 |
私ども十条病院外科は、悪性疾患にはQOLを損なわない、リンパ節郭清を含めた根治手術を、良性疾患には低侵襲手術を目指し、早く家庭復帰、社会復帰が出来ますように、患者様一人一人にとって良質な医療とは何かを常に考え、その提供を志しております。そこで日常の診療で行っております手術術式または術後管理の工夫の一部を紹介致します。
1.
腹部手術の術後にほとんどの症例で胃管チューブを留置しません。
胃管とは胃または腸内の内容を排出する目的で、鼻から管を通します(1〜7日間)。胃手術後は言うまでもなくすべての腹部手術で胃管留置は外科の必須と長い間考えられてきました。しかし鼻からチューブが入っているため患者さんの不快、苦痛は無視できないものがありました。われわれは今までの経験から胃管留置は必須でないものと考え、胃切除術、胃全摘術をはじめとし、ほとんどの腹部手術後は経鼻胃管チューブの留置は行っておりません。これにより楽な入院生活が可能です。
2.総胆管結石手術における胆管一時縫合閉鎖を基本術式としております。
従来、総胆管結石術後には胆管の狭窄を防ぐ、遺残結石に備える目的でTチューブというシリコン製の鋳型を留置する方法が一般的でした。その際入院が少なくても一ヶ月以上必要で、その間チューブを身につけてなければいけませんでしたが、当院では胆管を一次縫合閉鎖することにより、患者様のQOLの向上と早期退院が可能となっています。胆管の再狭窄は経験しておりません。
3.痔疾患、ヘルニアに対するさまざまな工夫をしております。
痔症例により、痔核結紮、痔核切除術(Milligan-Morgan 変法)と、それを基本に独自に工夫した術式も行っています。術後の疼痛は軽微です。ヘルニアには症例により人工の補強材(PHS等)を用いた修復術や従来法(Iliopubuic
tract repair,M'c Vay,Marcy法)など行っております。
4.術後のドレーン留置について
外科手術では術後の出血、縫合不全、これに伴う腹膜炎等に備えからだの中に筒(ドレーン)を留置します。これは痛みを伴い患者様の行動を制限せざるを得ないもので、私どもは本数を必要最小限にしてこれを可及的に早く抜去するようにしています。これには毎日の注意深い患者様の観察が必要です。
5.乳癌について
乳癌につきましては、術後の患側のリハビリを積極的に行っております。また、化学療法を、外来または短期入院の上、行っております。
以上簡単な紹介ですが、皆様の体調に問題がありましたらお気軽にご相談ください。
|