
医療法人財団康生会 武田病院
心臓血管外科
血管外科 部長
佐藤 達朗 |
下肢静脈瘤はよく樹木にたとえられます。葉や小枝を刈る治療は簡単ですが、下肢静脈瘤本来の症状も治りませんし、すぐに芽が出て再発してしまいます。幹から根までを治療するのは非常に困難でした。従来の手術方法であるストリッピング術は静脈瘤を抜去するために無数の皮膚切開が加えられますが、すべての下肢静脈瘤を治療できるわけではありません。困ったことに合併症として、極度の疼痛や手術の際に静脈瘤に伴走している神経を傷つけてしまい、最悪の時には足が痺れて歩けなくなることもありました。その点、下肢静脈瘤レーザー治療は静脈瘤の幹から根の治療に最適です。新しい今までのレーザー治療と言えば、美容形成での皮膚のシミ、ほくろ取りや脱毛などがそうですが、皮膚の上からレーザー照射をするために皮膚は軽い火傷を起こします。そのためしばらくの間ピリピリと痛くて、軟膏をちゃんと塗って直射日光をカットしておかないと逆に痕になったりしまして治療後の管理が非常に厄介でした。下肢静脈瘤に用いるダイオードレーザーは細いファイバーを介して血管内から直接照射しますので低圧照射でかなり太い静脈瘤でも瞬時に繊維束に変性して1〜2ヵ月後には完全に消失します。この方法ではレーザーは皮膚や静脈瘤の周囲の組織にはほとんど影響はありませんし、術後の疼痛もほとんどありません。ですから下肢静脈瘤レーザー治療は静脈瘤の幹から根の治療に理想的です。さらにレーザー治療は皮膚切開を全くしませんので、術後における傷口の痛みとか消毒のわずらしさもありません。
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