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ワンポイントフィットネス

フェイス 安全に運動を行うためのチェックポイント
医仁会 武田総合病院 西館
疾病予防センター 健康運動指導士
黒瀬 聖司

運動を継続することは、体力の向上や代謝機能の改善といった身体に良い効果を与えることが知られています。また血圧が安定する、血糖コントロールがよくなるなどの効果もあり、生活習慣病改善のためにも有用です。しかし、運動をする際には、注意をしなければいけないことがあります。

毎年マラソン中の突然死を耳にすると思います。突然死とは「予期されていない突然の病死」のことで、発症から死亡までの時間が24時間以内という医学的定義がされています。日本における突然死は、全死亡の約12%を占めると推定されており、そのうち、運動が原因で起きる突然死は1%程度で年間100〜200人と言われています。
では、どうして運動により突然死が起こってしまうのでしょうか。
運動を行うと誰でも血圧・血流の変動が起こります。この変動が、運動中や運動直後の突然死の可能性を上昇させます。このような運動に関連した突然死を起こしやすい疾患として、冠動脈硬化症に伴う心筋梗塞、心不全、致死的不整脈が挙げられます。また、若年者ではランニングなどのきつい運動で起こしやすいのですが、中高年者ではゴルフやゲートボールといった軽い運動でも起こしてしまう傾向があります(日本心臓財団「運動中の突然死の予防に関する研究班」)。この理由として、環境因子(暑さ、寒さ、早朝など)や生活因子(睡眠不足、飲酒、喫煙など)に、加齢に伴う冠危険因子保有率の上昇が重なることが挙げられます。そのため、中高年者では運動強度とは関係なく突然死を招く可能性が高くなるのです。
このように、中高年者や有疾患者の運動は、健常者に比べるとリスクは大きくなりますが、リスクをしっかりと管理することで安全に行うことができます。当院運動施設利用者の8割の方は疾患保有者です。利用希望者は、基本的には自分の意志により参加して頂いていますが、病院を定期的に受診されている方には、運動療法開始前に主治医に運動の可否を確認して頂いています。また受診状況を確認し、内服状況や採血結果の把握、必要に応じて運動負荷検査を受けて頂き、その結果をもとに運動強度を決定することによってリスク管理をしています。
また、体調の異変は、多くの場合、運動開始前に知ることが可能です。睡眠不足や内服の飲み忘れ、前日の活動量の増加などは、体調不良や血圧・心拍数異常、不整脈などを招く原因の1つとなります。運動開始前に確認を行い、異変がある場合はリスクを説明した上で、運動強度を下げ、必要に応じて運動を中止して頂いています。このようなリスク管理の結果、当院では1988年から集団心臓リハビリテーション、2000年から慢性疾患者を対象とした運動施設を運営していますが運動中の突然死は皆無です。

運動の際に、注意することは下記の通りです。
・定期的な健康診断を受け、異常がないことを確認する。
・睡眠不足や疲労が蓄積しているときなど体調が悪い時は無理をしない。
・内服をしている方は、飲み忘れがないか確認する。
・競技スポーツではなく、自分の体力にあった非競技性の運動をする。
・急に激しい運動をするのではなく、普段から運動習慣をつけておく。
・運動前後には準備運動や整理体操を行う。
・運動中に異常を感じたら、すぐに中止し、症状が治まらないようであれば病院へ行く。

突然死は完全に防ぐことはできません。しかし、それを防ぐ努力は必要です。自分の状態を把握し、リスク管理を行えば、安全に良い運動効果を得ることができます。やり方を間違えたり、無理をすることは危険な面があることを理解して運動を楽しむことが重要です。


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