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Voice of Chairman
武田病院グループ 必要とされる保健・医療・福祉サービスの提供に向けて

武田病院グループ理事長

武田 隆久

本年で45周年を迎えた武田病院グループ。これからも患者さまやご利用者の立場に立った
充実の保健・医療・介護サービスを提供して行くことができるよう各施設の機能向上と役割分担、連携強化に努めていきます。

厚生労働省より今年6月に公表された「人口動態統計」によると、2005年度の出生数106万2604人に対して死亡数は108万4012人と、前年度よりも2万1408人ものマイナスとなることが明らかになりました。
人口減少は現在の形式で調査を開始した明治32年以降(統計の得られていない昭和19年〜21年除く)初めてのこと。しかし、こうした人口減少は一過性のものではなく、現在の少子高齢化に拍車がかかっていくのはむしろこれからで、2050年には日本の人口は約1億人まで減少すると推計されています。
世界一の長寿社会を支えてきた大きな要因は、医療および介護の充実です。少子高齢化の加速により、超高齢社会を目前に控えた現在、この医療と介護のパフォーマンスの向上は、これまで以上に重要性を増していることと感じています。

しかしながら、高齢者窓口負担の増加や療養病床における食住費の自己負担化、診療報酬のマイナス改定、新たな看護基準、新医師臨床研修制度による医師や看護師の人員確保の問題など患者さまはもちろん、医療機関にとっても厳しい状況が続くのも事実です。ただ窮状を嘆いているだけでは何も始まりません。
私ども武田病院グループは、康生会武田病院や医仁会武田総合病院をはじめとする10病院を中心に、診療所や健診センター、リハビリセンター、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、訪問看護ステーションに免疫や遺伝子、ライフサイエンス関連の研究施設など保健・医療・福祉の3分野において50を超える医療介護関連施設の総合的なサービスを提供させて頂いております。
当グループでは、「患者さまおよびご利用者中心」の質の高い医療と介護、保健を永続的に提供していくために、「思いやりの心」を理念に各専門職種はもちろん、各施設間においても役割分担をしながら協力しあう職種間および施設間の連携強化をはかっています。
最近のトピックスとして専門性の充実という点では、医療法の改正の目玉になっている「生活習慣病(メタボリック・シンドローム)」と「がん対策」に取り組んでいます。

すでにお知らせさせて頂いておりますが、東山武田病院では今年4月から「生活習慣病センター」を立ち上げて、メタボリック・シンドロームに対して治療のみならず、食事・運動をはじめとしたライフスタイルを通した予防医療の分野にも取り組んでおります。
また、今秋より十条リハビリテーション病院において新しくがんの温熱療法「ハイパーサーミア」を導入いたします。これは腫瘍の局所を加温する治療法で、放射線療法や化学療法、免疫療法と併用することによって、腫瘍縮小や転移抑制などに高い効果が期待できるものです。副作用が少ないこともあり、患者さんに優しい治療法と言えます。

さらに、来春に新築移転いたします宇治武田病院には、近畿では初となる最新の医療機器として、放射線治療器「トモセラピー」を導入いたします。トモセラピーはCTの技術を放射線治療に利用した装置で、完全なコンピュータ制御によって高精度、高品質な放射線治療が実現できるものです。早期がんの場合は、ピンポイントの大量放射線により完治を目指すことができます。また、進行したがんには副作用を抑制しながら十分な放射線治療を行うことにより、生活の質を落とさないように必要量の放射線照射が可能とされています。

すでに武田病院画像診断センターでは、PET-CTによるがん検診が好評を得ており、また、武田病院健診センターでは、マンモグラフィを装備した「マンモ検診バス」を導入し、出張検診における乳がん検診を積極的に取り組んでいます。たけだ免疫遺伝子クリニックにおきましては、癌に対する細胞免疫療法、自家がんワクチン療法、各種免疫能検査(免疫ドック)を行っています。このように当グループでは、「がん検診〜がん治療」に至るまで医療機能が、もうまもなく揃うことになります。私たち武田病院グループの、京都における「がん拠点」を目指した取組みにご期待ください。
施設の整備としては、宇治武田病院の新築移転・社会福祉法人悠仁福祉会特別養護老人ホーム「ヴィラ鳳凰」・ケアハウス「やまぶき」が来春の開設に向け順調に進んでおります。最新の設備と療養環境を誇る病院、病院に隣接し安心して暮らせる特別養護老人ホームとケアハウスなどの老人福祉施設が中宇治地区の医療・福祉の中核施設として地域の発展に努めてまいります。

また、同時期になりますが、稲荷山病院に併設の特養「ヴィラ稲荷山」を開設いたします。地域の皆様の憩いの環境を提供していきたいと考えています。
このように当グループは急性期から慢性期・介護・保健の分野に至るまで各施設が専門性を発揮しながら機能を分担していく――。
この「選択と集中」「分担と連携」によって、地域の皆さまのニーズにお応えできる「安全・納得・信頼の良質な総合医療サービス」を提供して参ります。
どうかよろしくご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

参考)がんによる死亡は、1950年以来、増加を続け76年からは心臓病や脳卒中を追い抜き死因の第一位を占めている。日本の一年間にがんでの死亡者は30万人を超え、国民のほぼ3人に1人が、がんで命を失っている。


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