| 戦後歴代3位の長期政権として君臨した小泉内閣が終幕した。
おそらく11月発行の本誌では時事ネタとして古いかもしれない。
しかし原稿執筆が9月であることを勘案していただいて興味のある方だけ目を通してください。
田中真紀子外相や、閣僚経験のない安倍晋三幹事長抜てきなどのサプライズ人事、内実の伴わないワンフレーズ・ポリティックスなどでマスコミの扇動を原動力とする政治を行ってきたが、終盤はその浅底を露呈するような小泉チルドレンなるものや、さまざまな影の金脈図などが噴出する形での寂しい終演となった。
発足当初「改革を断行する」と訴え続けていたので何かやってくれるだろうと我々も期待したものだが、今振り返ると郵政民営化以外には何をどう改革するとは言っていないのも興味深い。
国民皆が一種のトランス状態に入っていたのかもしれない。
竹中平蔵・内閣府特命担当大臣に丸投げをして断行されたのは他でもない企業の淘汰であった。
「退出すべき企業は市場から退出させる」という雄々しいキャッチフレーズも懐かしい。
その言葉どおり大企業の破綻が相次いだ。
日経平均株価も恐ろしい勢いで暴落したので読者の中にも冷や汗をかいた方は少なくなかったのではないだろうか。
この時の政府コメントは「米国同時テロのせいだ!悪の根絶こそ急務だ!」というものだったと記憶しているが、果たして本当にそうだったのか?
金融恐慌と呼んでもいい2003年、政府が打ち出した方策は「退出すべき銀行を税金で救済すること」だった。
これは安心だ!
何しろ底値となった銀行が絶対につぶれないのだから。
というわけで国税は外資系ファンドに莫大な利益をもたらす結果となった…。
振り返るときりがないのでこの辺りでやめておくが、言いたいことはイメージ的に改革断行のように思われがちなこの政権は、案外打算的に柔軟に方向転換を繰り返して来たのだなということだ。
ご存知のように公的部門の膨大なムダ、諸悪の根源と言って良いのは「天下り」だ。
(…言っちゃったよ)
天下り先は70以上の特殊法人、2万6000もの公益法人に潜在する。
そして特筆すべきは、この内閣が財務改善に本当に必要な努力である「天下り廃止」にまったく取り組まなかったという事実だ。
このような事実がマスコミで報じられないのが不思議だったのだが、先日とある会議でM先生がマスコミ関係者と話していた時の話を聞いて納得した。
M先生は民間病院の窮状や長期入院を希望する家族の意見がなぜマスコミで伝えられないのか?と尋ねたところの答えはこうだった。
「マスコミはジャーナリズムではない」
…含蓄のあるお言葉だ。
ヒラリー・クリントン米国上院議員は日本の医療従事者を「聖職者さながらの自己犠牲だ」と評したが、これもあまりマスコミでは取り上げられなかった。
おそらく「医療者は悪者」のイメージ作りに都合が悪かったのだろう。
そういえば、政権が交代してから少し医療現場の窮状や医療政策の歪みがマスコミでも出てき始めたように思う。
ということは日本は国を挙げての情報操作をしているということ?
近隣のお国と大差ありませんね。
まぁそれはさておき、この政権の一貫したスタイルを一言で表現するならば「強者救済・弱者撲滅」であったのだろう。
それは巨大な時価総額を手に入れた企業の経営者なら、その手法や人格などおかまいなしに政治家にしてしまおうとした恥ずべき過去でも良くわかる。
政権交代と同時に退任表明した規制改革・民間開放推進会議の議長を勤めた宮内義彦・オリックス会長も同じような類の方だった。
この議長が推し進められた政策によって公的病院の建設はオリックスのPFI事業に頼り、予算が削減された医療機関はオリックスの機器リースを使わざるを得なくなった。
おそらく狙いの本丸は皆保険制度の崩壊とオリックス医療保険の莫大な収益だったのだろうが、その前に闇の部分が噴出してしまったのが心残りだったことだろう。
しかし逃げ足も速かった、やはり山師としては一流の方なのだろう…。
ところで話は変わるが、現在大規模公立病院が看護師の青田刈りを行っている。
これは新設の7:1看護単位というものを取得するために大型病院がなりふりかまわぬ引抜工作を仕掛け始めたのだ。
人件費は固定支出となる。
需給関係が崩れ始め、採用に好条件提示を余儀なくされている上に医業収入は確実に減額されている今、収支で計算すればこれほどの人員を抱えては経営が成り立たない。
なので私立病院はそこまでの青田刈りには付き合えない。
しかし、公立病院には様々な優遇に加えて一般会計からの繰り入れ(かつての補助金)もあるので可能なのだ。
一般に非採算でもやらねばならない分野が医療には多い。
しかしこの新看護基準は医療費の高騰が問題になっているこの時代に、赤字体質の公立病院にステータスを与える目的のみで設立されたことは明白であろう。
長い前振りとなったが、ここで政府が天下りの流れを阻止しなかったこととようやく繋がりが出る。
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ベトナムのともだち「ユンちゃん」
明るい女の子です。戦争という暴力は、表に出ることもない弱き者に限りなく深い傷跡を残します。 |
支援の募金は「ユンちゃんを支援する会」まで
郵便振替 00770・0・56452
問い合わせは 村山さん090・9115・3445へ |
文章構成の稚拙さは、無料情報誌「たけだ」の素人投稿なので御勘弁願いたい。
ちなみに15年ほど前、私が某K大病院で研修医をしていた頃は、朝の点滴・採血・伝票書きから回診・処置まですべて研修医同士で行い、それを詰所でゆるゆると鎮座されている看護師様に上申していたものだ。
さすがに今は幾分変わっていると思うのだが、そのような状況の病院にどんどん看護師を増員して国内全体では看護師不足というのもいかがなものだろう。
また日本看護協会は「看護師養成数は順調に増えつつあり、現状では深刻な看護師不足は解消されている」ため「安易に外国人看護師を受け入れるべきではない」と主張している。
…本当?
看護師免許保有者数はもちろん増え続けているが、実労看護師数は増えていないというのが末席医療者の感想なのだが…。
いやいや、協会の偉い役員の方々は大病院所属ですので淀みのないご意見なのでしょう。
世界中を見渡して公立病院をこれほど優遇して私立病院に試練を与える国は少ない。
今振り返れば「官から民へ」というフレーズがいかに虚無な言葉だったかが身にしみる。
腫瘍切除のため来日したベトナムのともだち「ユンちゃん」
ベトナムのドゥー・トゥイ・ユンちゃんは神経線維腫症が主因とみられる腫瘍が顔の右半分を肥大化させている。日本人の支援で来日し、手術が無事終わった。だが、腫瘍が目立たなくなるまで、10年程度かけて切除を進める必要がある。 |