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Voice of Chairman
武田病院グループの目指す方向性 ―診療報酬の改定を迎えて―

武田病院グループ理事長

武田 隆久

診療報酬改定により、医療機関はこれまでにない厳しい状況下に追い込まれている昨今、あらためて病院の機能整備・充実が見直されています。制度改革の荒波に飲み込まれないために、武田病院グループでは「思いやりのこころ」を経営理念に各施設の機能充実、有機的連携を進めることにより、地域の皆さまに多方面から貢献できる医療を展開してまいります。
武田病院グループの取り組み

この4月、診療報酬と介護報酬の同時改定が行われました。診療報酬の改定では2002年のマイナス2.7%を超えるトータルでマイナス3.16%と史上最大の引き下げとなりました。政府はこの20年間で診療報酬を10%削減することを目標に掲げています。
団塊の世代の方々が75歳を超える2025年には、医療費をはじめとする社会保障費の急増が懸念されています。そのため、逼迫する財源問題を現在から考慮しておくことは確かに重要です。しかし、医療や介護だけが社会保障費を垂れ流しつづける財源悪化の元凶のような見られ方には賛同できません。
事実、一部では医療費は飛びぬけて高騰をつづけるように言われておりますが、GDP(国内総生産)に対する日本の総医療費は、OECD(経済開発機構)加盟国の平均とほぼ同じです。大型公共事業に偏重してきた従来路線に関しては棚上げにされたまま、診療報酬に関しては賛否両論が根深いにもかかわらず、国民的議論が行なわれないままに審議が行なわれてしまった感を否めません。

医療機関においては現在、常に安全で質の高い医療サービスを効率よく提供していくことが求められております。しかしながら安全管理や医療の質の向上、効率化を推進するための院内のIT化などには多大なコストが伴います。
今回のような病院の根幹を揺るがすような診療報酬のマイナス改定が続くようでは、いずれ医療機関の経営を圧迫し、本来注力すべき安全対策コストなどを捻出できなくなる病医院が出てこないともいえません。
何につけても“構造改革"という4文字を免罪符のように振りかざし、十分な検証なしに何もかも削り取ってしまう現在の改革路線を医療にそのまま当てはめるようでは、結局は国民がそのツケを払わされてしまうのではないでしょうか。

医療機関にとっては厳しい時代を迎えることとなりましたが、武田病院グループでは“患者さま本位の医療"という考えのもと、今後も継続して質の高い医療や介護、そして福祉を提供し続けていくために、グループ各施設の機能の向上、連携の充実に向けて邁進していく所存です。

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