ヘッダイメージ
Topへ | 経営理念/基本方針 | 理事長あいさつ | 環境保全活動 | 武田病院グループ沿革 | 関連サイトへのリンク | グループ施設一覧 |
  HOME  >> たけだ通信  >> No.84
Essay
こころの通い合う医療を
武田病院グループ 副理事長
康生会武田病院 理事長・名誉院長
社会福祉法人 青谷福祉会 理事長 武田 道子
 

秋来ぬと目には、さやかに見えねども、風の音にぞ おどろかれぬる こんな句がぴったりの季節になりました。爽涼の風が吹き抜けて行きます。さわやかな風が心地よく感ぜられるのですが、医療、福祉の世界では冷たい冬の前兆となりますことでしょう。
今回の厚生労働省の方針は、国民にとりましては、お先真暗らの改正内容だと云うことは、御存知でしょうか。
これを議論して居りましても私達には、どうにもならないことですから、今、私達に出来ることを考えねばなりません。
21世紀は心の時代 全人的医療をおこなって行く上に最も大切なことは医師と患者さんや、その御家族との会話です。なにげなく話すひと言で、患者さんの心を傷つける場合や、又、逆に心を癒やされ未来に希望を見出して下さることもあります。私達医療人は、その患者さんの環境や御家族との関係を考慮して言葉を交わすことが大切です。

ところが今の保険制度では、じっくりとお話をするなどと云うことは、むつかしいのが現状です。外来診療は、患者さんの心を開いて頂く為には、何か共通の話題を見出して行くことでしょう。1時間待って3分診療と云われない為には、どのように配慮したらいいのかと考えさせられます。旅行者などでイライラして居られる方には、何か共通の話題を求めて行くことを心がけて居ります。幸いにして郷里の方なら、いろいろな話題も出てまいります。方言などが出て来れば、もっと心が開かれるのですが、私など、遠い昔のふる里の言葉は、もう殆んど出てまいりません。それでも京都は、どちらへ行かれましたか?あそこはネ…と話題はいくらでも出てまいります。
かかりつけ医 でしたら、先ずお久しぶり、誰々さんはいくつになられましたか…とか 又、中には誰々さんが亡くなられたとか云う時もありますが、トギレトギレの昔話しをしたりいたしますと、待ち時間が長いなどと云う苦情は無くなります。流れ作業のような診療をすると、苦情が出てまいります。
患者さんの生い立ちから生活などその人の趣味を知ることは、ひとりの人間を理解する基本として重要なのです。先生の顔を見るだけで病気が治ったなどと云って下さると、こちらも気分がよくなります。

月1回は必ずお顔を見に来るようにしていますなどと云って下さると医者冥利につきるところです。人間は気の持ちようで、かなり病気も左右されます。 今度は、むつかしいでしょう などと答えようものなら病人は生きる力を失ってしまいます。“大丈夫ですよ。しっかり食べて下さいネ 点滴をするより1口でも食べる方がいいのですよ"と申しますと、頑張って食べて下さいます。高令者の方々には もうすぐお誕生日ですネ お元気ですネ と声をかけてあげ長いおつき合いの方などには、ちょっとしたお花等をあげますと、人間関係が変ってまいります。このような診療をしたいものですが、残念ながら、ゆっくりとお話しをすることが出来ないのが現状です。
診療報酬は1分でも1時間でも同じですから、それでもやはり心のかよう医療人でありたいと思って居ります。
私などは、何でも相談に応じられる又、何でも話して下さる雑科医でありたいと望む今日この頃です。医は仁術と云う言葉が少しかいま見えるところです。算術ばかりに生きて居る今日ですが、ちょっと立ち止まり、仁術は通用しなくなりましたが話術で心を癒やして行くことが出来れば幸せです。

このページのトップへ

BACK TO INDEX