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アスニー山科講座

アスニー山科(JR山科駅前)では、武田病院グループスタッフによる講座を開催しています。 このページでは、開催された講座内容を掲載しておりますのでご利用ください。

アスニー山科2006年9月27日(水) 顔写真
武田総合病院 栄養科副主任 北 真衣子
「食べて元気になりましょう」

▽ 『サクセスフル・エイジング』−「幸福な老い」を目指して

日本における65歳以上の割合は、20.4%。うち、男性は1120万人(人口の18%)、女性は1520万人(人口の23.2%)。ちなみに、65歳以上の就業率は人口の19.4%と世界でもトップ。日本人の平均寿命は85.54歳。(平均寿命とは、ゼロ歳が「肉体的に」何歳まで生きられるかを予測した平均余命)。「健康寿命」は、平均寿命から重いけがや病気による障害期間を差し引いた期間を指す。この健康寿命を延ばして行くことを目標とする。

●日本人の平均寿命を縮めている原因
 1.タバコ 2.食塩 3.アルコール 4.肥満 5.野菜・果物不足 6.運動不足 7.高コレステロール血症・中性脂肪
●死亡原因……1位 悪性新生物、2位 心疾患、3位 脳血管疾患
●日本人の「寝たきり」原因……1位 脳卒中、2位 骨折・転倒

▽健康な生活を送るために

【1】 生活習慣病を予防する
【2】 低栄養を防ぐ
【3】 骨を丈夫に保つ


【1】生活習慣病を予防する
・生活習慣病とは−−ゆがんだ生活習慣が元となり、発症から数十年の長い無症状の年月を経て、ある日突然命に関わる重要な病気を発症する恐ろしい病気。肥満や高血圧などさまざま。

● 予防しよう!

〔ポイント1〕禁煙しましょう!
タバコ1本で寿命を5〜10分縮めると言われています。タバコには多くの有害物質が含まれ、喫煙者本人はもちろん、周囲の家族の健康まで損ねてしまいます。

〔ポイント2〕食塩の過剰摂取に気をつけましょう!
食塩は交感神経を刺激して血管を収縮させたり、細胞内のナトリウム量を多くして水分を引き寄せたりして、血圧を上げる作用をします。1日7〜10g程度に制限しましょう。また、野菜や果物に含まれるカリウムはナトリウムを外へ出す作用がありますから、毎日しっかりと取るようにしてください。

※ 食塩が入っているのはお塩だけではありません。生鮮食品のナトリウム、調味料の塩分、加工品の塩分、嗜好品の塩分などにも注意が必要です。調味料にふくまれる食塩量は、濃口しょうゆ大さじ1に2.7g、薄口しょうゆ大さじ2.9g、ウスターソース1.6gと、和食中心の食事になっても塩分の多いものになりやすい。年代別の食塩摂取量では、50〜69歳の人たちが一番多い。どうしても和食が中心にんり、高齢になるにつれて味を感じにくくなり、塩辛くなっている。

※ 減塩のポイント
香辛料、柑橘類、だしの風味を少量ずつうまく使う。インスタント食品を控える。麺類のスープは残す。漬け物・かまぼこ・干物・塩辛などは控える。


※一回に取る食塩量の目安
みそ汁(1.2〜1.5g)、インスタントラーメン(5〜6g)、たくあん(1.4g)、梅干し(1g)、塩さけ(5g)、カレールウ(1.5g)
※食品表示を見ましょう
「食塩」と「ナトリウム」は違います。食塩相当量(g)=ナトリウム(g)×2.5

〔ポイント3〕アルコールは適量摂取を!
大量・連日の飲酒は控え、少量をゆっくり楽しみましょう。アルコールのエネルギー量は1g=7kcalと、炭水化物1g=4kcalに比べて高い。(缶ビール一本では140kcal)

〔ポイント4〕自分の適正エネルギーを知る
標準体重=身長(m)×身長(m)×22。標準体重18.5以下がやせすぎ、25以下が普通、30以上で太り過ぎ。この標準体重から活動量を割り出す。軽労働(入院中、デスクワークなど)の方は、標準体重×25〜30kcal。中労働の方は、標準体重×30〜35kcal。重労働の方は標準体重×35kcalとなる。

※どちらが生活習慣病にかかりやすい?
お腹に脂肪が付きやすい内臓脂肪型肥満(リンゴ型)と、腰や下半身に脂肪が付きやすい皮下脂肪型肥満(洋ナシ型)。内臓脂肪型肥満の方が糖尿病や高脂血症、高血圧になりやすい。普通体重の方も実は内臓脂肪が蓄積していたということがあるので、油断は禁物。内臓脂肪型肥満の判定基準は、おへそ周りを測り、男性で85cm以上、女性で90c以上の人。病院のCTで腹部断面図を撮影して判定することもある。この腹囲はメタボリックシンドロームの診断基準でもある。

〔ポイント5〕食物繊維をたっぷり取りましょう!
食物繊維は、ヒトの消化酵素で消化されない食品中の難消化成分の総体。以前は、エネルギーにもならず必要のないものとされていたが、最近は第6の栄養素として注目されている。食物繊維には水に溶ける「水溶性食物繊維」と腸内で水に溶けず排出される「不溶性食物繊維」の2種類がある。
「水溶性食物繊維」は、胆汁酸、中性脂肪、コレステロール、糖質などの体に不必要な物を体外に排出させる働きがある。糖質の吸収を抑えて、食後の血糖値の上昇を抑える。血糖値が高めの方は、繊維質の多いものを食事に加えるとよい。こんにゃく、ワカメ、キウイ、さつまいもなどが代表的。
「不溶性食物繊維」は便秘の解消や大腸がんの予防に効果的。人工の食物繊維・難消化性デキストリンが開発されて、血中のコレステロール値や血糖値を下げる効果が実証されている。血糖値を上げにくくする飲み物などが発売されているが、これらは人工的な不溶性食物繊維を入れて、糖の吸収を遅らせている。
食物繊維は胃の中に入ってゆっくり消化されるので満腹感が得られ、腹持ちが良い。コレステロールなどの排出を促すので、無理なく食事制限ができるという特徴がある。

〔ポイント6〕栄養をバランスよく取る!
栄養バランスのよい食事を1日3回取る。できるだけ食事時間を決め、毎食同じくらいの量を食べる。1日30品目を目指す。炭水化物が多く、脂質が少ない日本食を見直しましょう。

〔ポイント7〕動物性の油を控え、植物性の油を取る!
「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けられる。
飽和脂肪酸は(肉類、バター、ラードなど)取りすぎると動脈硬化を代表とした生活習慣病になりやすくなる。
不飽和脂肪酸は体内で酸化されにくい脂肪酸。一価のものは動脈硬化の予防に効果があるとされ、オレイン酸、オリーブ油、菜種油。多価のものは体の中では合成されないもので、魚油、ごま油、紅花油などに多く含まれる。
飽和脂肪酸(3):一価不飽和脂肪酸(4):飽和脂肪酸(3)の割合で取るのが理想的とされている。バターで調理するよりは、オリーブオイルを使い、一日一度は魚を食べるようにするとよい。飽和脂肪酸は常温で固体であり、不飽和脂肪酸は常温で液体である。
コレステロールは体に必要ではあるが、取りすぎると血中のコレステロールが増え、動脈硬化を促進させてしまう。

★ ☆食事療法のウソ・ホント☆★
魚を食べると頭がよくなる?−−−ホント!
魚に含まれる脂肪酸DHA(ドコサヘキサエン酸)は脳の神経の情報伝達に深く関わっている。記憶・学習能力が上昇したという動物実験結果があり、人ではアルツハイマー病の改善や乳児期の栄養にDHAが十分にあると知能指数が高かったという報告も。魚は毎食食べる必要はないが、一日一食くらいは食べるとよい。

マーガリンは植物油が原料なので、不飽和脂肪酸を多く含んでいる?−−−ウソ!
マーガリンは飽和脂肪酸。植物油が原料だが、不飽和脂肪酸に人工的に水素を添加し、マーガリンの構造を変えている。飽和脂肪酸に変えて、バターの味に似せて作っている。

健康油は脂肪がつきにくい?−−−ホント!
実験結果では脂肪がつきにくいとされているが、取り過ぎは肥満につながるので注意。「からだに脂肪がつきにくい」と宣伝されている特定保健用食品の健康油の主成分はジアシルグリセロールというグリセロールに脂肪酸二分子が結合した物質と言われている。小腸での吸収が抑制されたり、吸収されても中性脂肪になりにくく、食後の中性脂肪の上昇を抑えて皮下脂肪になりにくいという結果が出ている。しかし、取り過ぎには注意が必要。
※ 油には1gあたり9kcal!取り過ぎは肥満の原因。

〔ポイント8〕運動の習慣を持ちましょう!
運動は善玉コレステロールを増やして、中性脂肪を増やす働きをする。一回に30〜40分を目安としたウォーキングなどの有酸素運動を行うようにしましょう。ストレス解消にも。ほかにも軽めのジョギング、自転車、水中ウォーキングが効果的。


【2】低栄養を防ぐ
低栄養は、からだの必要量に対して、食べ物から取るエネルギーやたんぱく質などの栄養素が不足する状態。低栄養に陥ると、体重減少、筋力の低下、体脂肪の低下、感染、床ずれを起こしやすくなる。

○ NST……N(Nutrition)S(Support)T(Team)。病院で医師、看護師、薬剤師などがチームとなって、栄養状態を確認して低栄養の患者さんに対してサポートを行うこと。入院すると食事が食べられなくなる方がいるため、ますます病気が悪くなることも。回復には栄養が重要。栄養状態の判定には、見た目で分かる体重減少や、皮下脂肪圧の測定、血液検査などを行う。

●低栄養の原因
食欲の低下、噛む力・飲み込む力の低下(義歯が合わないなど)、消化液の分泌量の減少、味覚の低下(偏食)、食材料の入手困難、男性の調理技術不足。

☆ 低栄養にならないためには ☆
 1. 良質のたんぱく質をしっかり取る。(肉、魚、大豆などには必須アミノ酸が含まれる)
 2. 調理にひと工夫を。(咀嚼力に合わせて調理工夫を)
 3. おかずから食べる。(不足しやすい良質のたんぱく質、ビタミン、ミネラルが多いものから優先的に)
 4. よく噛んでゆっくり食べる。(消化液をしっかり出すように)
 5. 食欲のわく工夫を。(食材、盛りつけ、香りなども考慮して)
 6. 空腹感が最高の味付け。(間食は時間を決めて)

○ 毎日取ることをこころがけたい食品○
 肉類、魚介類、牛乳、大豆製品、緑黄色野菜、果糖類、イモ類、くだもの、油脂類


【3】骨を丈夫に保ちましょう!
●骨折のしやすさ、転びやすさ、簡易式チェックシート
 □過去一年間に転んだことがある(5点)
 □背中が丸くなってきた(2点)
 □歩く速度が遅くなったと思う(2点)
 □つえを使っている(2点)
 □毎日5種類以上の薬を飲んでいる(2点)
 ※6点以上の方は要注意!

●骨粗しょう症って??
骨の構成成分であるリン酸カルシウムが沈着せずに、骨の密度が減り、中身がスカスカで折れやすくなる。骨折しやすい部分は手首、腕の付け根、太ももの付け根など。なりやすい人は、女性、小柄で痩せている人、50歳以下で閉経した人。自分の力で変えられる生活習慣を変えて、骨粗しょう症を予防しましょう。カルシウム吸収の流れは、食品→腸管 →吸収→血管→骨。血管で吸収されずに余ったカルシウムが骨にいく。血管の中でカルシウムが不足すると、骨から吸収しようとして骨のカルシウムが不足する。

★ 骨粗しょう症になりやすいかチェック ★
 1. 乳製品を毎日取る習慣がない
 2. 日光に当たることが少ない
 3. 急激なダイエットをしたことがある
 4. 1日3杯以上コーヒーを飲む
 5. ほとんど歩かない
 6. たばこを吸う
 7. お酒を飲み過ぎる
 8. インスタントの食品をよく利用する
 9. 塩からいものが好き
 10. 食べ物の好き嫌いが多い
※ チェックが2個以下は大丈夫、3〜4個は気をつけよう、5個以上は要注意。
※今日から骨太になる食習慣を
骨といえばカルシウム(乳製品はカルシウム吸収率ナンバーワン!)、大豆製品、小魚、海藻、野菜

□カルシウムをとるためのポイント□
 1. 1日3食を欠かさない
 2. 牛乳、チーズ、ヨーグルト、豆腐から1日に2品は食べる
 3. 酢を利用して魚は骨ごと食べる
 4. 無謀なダイエットはしない
 5. ふりかけに工夫を
 6. スキムミルクをいろいろな食品に加えてみる
 7. ほうれん草より小松菜やチンゲン菜を

※一日に必要なカルシウムの量は600mg。生活習慣病が気になる方は海藻や野菜を。糖尿病や血糖値が高めの方は低脂肪や無脂肪の牛乳を。牛乳に比べて豆乳はカルシウムの量が少ない。ビタミンDを取ることでカルシウムの吸収をよくすることができる。青背の魚、すじこ、きくらげ、きのこ類、卵黄、また適度の紫外線に当たりましょう。きのこは油類といっしょにとりましょう。運動不足も骨を弱らせる一因なので、骨を動かす運動を。運動→骨量アップ、筋肉がついて骨を保護。
カルシウムの吸収を邪魔する食品としては、加工食品のインスタント食品、ナトリウム(食塩)、アルコール、コーヒー、食物繊維。

○ サプリメントって??
保健機能食品。薬でもなく一般の食品でもない。
栄養機能食品は厚生省が定めた基準にあう量のビタミン、ミネラルを含むもの。カルシウムでは250〜600mg。
国の許可を得て販売している、特定保健用食品「トクホ」なども。

□サプリメント利用の心得□
(1)自分の状態に合わせて摂取する
(2)継続しなければ効果はでない
(3)たくさん取ればよいものではない
(4)薬を服用している場合は医師に相談を


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