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アスニー山科講座

アスニー山科(JR山科駅前)では、武田病院グループスタッフによる講座を開催しています。 このページでは、開催された講座内容を掲載しておりますのでご利用ください。

アスニー山科 2006年6月28日(水) 顔写真
武田総合病院 循環器内科部長
黄 明宇
「メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満症候群)」

▼ メタボリックシンドローム

動脈硬化性疾患の発症リスクが生活習慣病によって高まる。これを疫学調査したところ、いくつかの危険因子が見つかり、これを「メタボリックシンドローム」としてまとめたもの。

○増加する生活習慣病
日本人の死因……1位ガン、2位心臓病、3位脳血管疾患。2、3位は動脈硬化性疾患との関連が深く、生活習慣の改善が必要。治療医学が発達したため心臓病や脳卒中の死亡率は下がっているが、多くの場合は後遺症が残っている。主要疾患の総患者数では、高血圧が700万人、糖尿病が2000万人以上。フラミンガム研究では、危険因子が重なるほど虚血性心疾患の発生率が上がるという報告がある。また、日本における脳血管疾患と心疾患は、予後寝たきりになることが多い。医療費が追いつかず、家族の負担も大きい。

○メタボリックシンドロームという考え方が誕生した背景
生活習慣病によって進行する動脈硬化性疾患を予防するため。治療医学ではなく予防医学としての考え方。【死の四重奏】と呼ばれ、上半身肥満、耐糖能異常、高脂血症、高血圧のすべてが揃うと発症リスクは31倍に。動脈硬化は一度発症すると元には戻らないので、炎症を抑え、それ以上悪化させないようにすることが重要。動脈硬化を促進させないようにすることが大事。○メタボリックシンドロームとは
動脈硬化を促進させるのが、肥満、高脂血症、糖尿病、高血圧といった生活習慣病です。肥満でありながら複数の危険因子あわせもつ状態をメタボリックシンドロームと呼びます。
「内臓脂肪の蓄積」を上流にもち、生活習慣病を複数発症した状態のこと。内臓脂肪の蓄積こそがすべて。メタボリックシンドロームの原因は肥満。肥満になるとインスリンの抵抗性が落ちる(インスリンが働きにくくなる)ため。肥満を解消すればインスリンの働きも元に戻る。診断基準は、【内臓脂肪の蓄積】+【2個以上の危険因子(高血圧、高脂血症、耐糖能異常、糖尿病)】=メタボリックシンドローム

○ 肥満と合併症 〜アディポサイトカイン〜
内臓脂肪型(リンゴ型)は、「たまりやすいが燃焼しやすい」。皮下脂肪型(洋ナシ型)は「たまりにくいが燃焼しにくい」。内臓脂肪が蓄積する原因は、過栄養、運動不足、遺伝素因、喫煙、ストレス、喫煙、加齢、アルコール過剰摂取、閉経などさまざま。脂肪細胞からは「アディポサイトカイン」が分泌されている!(アディポ=脂肪、サイトカイン=生理活性物質)。アディポサイトカインには悪玉と善玉があり、善玉アディポサイトカインやアヒポネクチンは動脈硬化を元に戻すことができる唯一の細胞で、悪玉アディポサイトカインやレプチンは血管の炎症を起こし、動脈硬化を促進させていく。同じ細胞が体の状態をみながら、善玉と悪玉を調節しながら出していく。標準体重の人は善玉が、肥満の人には悪玉が出る。肥満の人はどんどん動脈硬化が進んで行くことになる。ウエスト周囲径で内臓脂肪型かどうかを見分けるには、息を吐いたあとにおへその周りを測る。男性は85c以上、女性が90cm以上だと内臓肥満の疑いあり。
※LDL(悪玉)コレステロールがメタボリックシンドロームの診断基準に入っていないのは、別の疾患として考える必要があるため。

▼ 高血圧

早朝高血圧が130以上にならないようにコントロールする。血圧は常に変動しているので、一時的に血圧が高くてもすぐに薬を出す訳ではない。日本人は塩分摂取量が多いので、国民の二人に一人が高血圧または、高血圧予備軍。昔に比べると高血圧の受診率が2倍。血圧は下げれば下げるほど健康によいが、下げすぎると体調を崩す。至適血圧は上が120、下が80

▼高脂血症

コレステロール、トリグリセライド(中性脂肪)、リン脂質、遊離脂肪酸の4つがある。コレステロールは食事から約20%が吸収(外因性)され、体内で合成されるのは約80%。コレステロールを下げる油を使っても、多く取りすぎると意味がない。血中を流れるリポタンパクの中にはコレステロールや中性脂肪が入っていて、水に溶けやすいので体中をめぐってコレステロールなどを運んでいる。内臓脂肪の蓄積は善玉コレステロールが減り、インスリン抵抗性が落ち、血液が固まりやすくなる。

▼糖尿病

今後日本でますます増加する疾患。昭和40年と比べて、糖尿病での受診率は5倍に増加している。メタボリックシンドロームの人糖尿病になりやすく、両者の心疾患発症リスクは同等。肥満があり、高血圧、高脂血症を持っている人は糖尿病並に健康状態がよくないと自覚する必要がある。さらにメタボリックシンドロームと糖尿病の合併例では4倍近い心疾患発症リスクになる。とにかく生活習慣を改めることがすべて。

▼メタボリックッシンドローム
日本人で生活習慣病と持つ人は2人に1人。今後も増加すると言われている。肥満の条件がないとメタボリックシンドロームという診断は出ないが、なってしまう前にほかの因子も減らしていくことが必要。メタボリックシンドロームと診断されたら、特に自覚症状がないからとそのまま放置せず医療機関で指導を!治療は食事療法や運動療法を3〜4カ月続ける方法。とにかくやせることが最重要!内臓脂肪が落ちてから高血圧などの治療へ移行。腹八分目、エレベータを使わず階段を使う、少しの距離は自動車に乗らず歩く、間食をやめる、お腹いっぱい食べない、規則正しい食事(一日3食)、味付けを薄めにするなど気をつける。内臓脂肪を減らすには、まずは運動を。運動は少し汗をかく程度にし、走るよりなるべく長時間歩くようにする(有酸素運動を)。メタボリックシンドロームは内臓脂肪を減らすことで改善。食塩は一日7g、アルコールは飲まない日を週に2日はつくる。

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