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アスニー山科講座

アスニー山科(JR山科駅前)では、武田病院グループスタッフによる講座を開催しています。 このページでは、開催された講座内容を掲載しておりますのでご利用ください。

アスニー山科 2006年5月31日(水) 顔写真
医仁会武田総合病院 脳神経外科 部長
川西 昌浩
「神経外科医からみたシビレ、痛みの話」

【手のシビレ】

手のシビレがあると、頭(脳)を心配する方が多いが、多くの場合は手や手首、肘が原因。

● 手根管(しゅこんかん)症候群
手首の付け根が原因。手首の付け根には靭帯が横に走っており、その靭帯の中を神経が走っている。この神経が圧迫され、手首が痛む。閉経期以後の女性に多い。夜中に手が痛くなり、明け方にしびれて手を振ると楽になる。早期の段階に靭帯を切ることで、比較的簡単に治る。

● 肘部管症候群
手の小指側がしびれるが、肘が原因。肘の内側の神経が圧迫を受けて症状が出る。肘をよく使う職業の方に多い(大工さんやタイヤの整備をされている方など)。また、男性に多い。

【首のシビレ】

● 頸椎症
60歳以上の方の4人中3人にみられる。病気というより、加齢によって起こる自然な変化でもある。脊髄が圧迫されることで起こる。予防策としては、首を反らさない、できるだけ首を動かさない、美容院での洗髪の姿勢を避けるなど。

<頸椎症の予防>
1. 下を見ない
2. 固い所を歩かない
3. 重い物を持たない
4. 長時間乗り物に乗らない
5. 寝るときの枕の高さや柔らかさに気をつける
6. 禁煙
7. 頭を下げないように、首に「厚手の顔タオル」を軽く巻く
8. 朝夕シャワーを浴びる
9. 座布団やクッションを活用
10. パソコンやデスクワークの姿勢(首が曲がらないよう)に気をつける

【腰の痛み】

● 原因
・内臓の病気、うつ病、ストレスなど
・ 腰に異常がある
・ 原因がよくわからない腰痛

● 腰痛に悪い姿勢
・ 中腰で物を持つ(物を持つ時は、荷物を体に近づけて。脇をしめる)
・ 肥満は腰痛のもと(腰椎には体重の3倍の力が加わる)

※ぎっくり腰とは……筋膜が急に痛む状態をいう。すべてが椎間板ヘルニアというわけではない。
※※立位より座位の方が腰への負担が大きい……立っているときより、座っているときの方が腰に負担がかかっている。椅子に座るときは、背を背もたれに付けて深く腰をかけるようにする。

<腰痛緩和体操>※痛くない範囲で行うこと
○仰向けに寝て両膝を立てる(腰の反り返りが緩和され、腰痛と足のシビレが楽になる)
○上記の状態で、膝頭を両手で抱え、胸の方にゆっくり引き寄せる(そのまま20秒)

??こんな症状ありますか??
・ しばらく歩くと腰や足、お尻が痛い(立っているだけでも同じ症状がでる)
・ かがんで休むと痛みが楽になる
・ 自転車こぎや押し車なら問題ない(痛みは出ない)

腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)
頭から続いている腰の神経(お尻まである)が、狭くなる病気。症状としては間欠性跛行(かんけつせいはこう:足をひきずる状態)や、歩いていると足が痛む、足に力が入りにくくなる、立っているだけでも痛むなど。かがむと楽になるのも特徴の一つ。治療としては、まず保存療法がとられる。(腰痛に関しては急激に悪化するものは少ない)生活指導、薬物療法、不良(伸展位)姿勢の逃避、立位・歩行時の杖使用、長距離移動の際は自転車や老人車を使うなどする。

※腰が原因でなく、足の血管が悪い場合も
足の血管が細くなる病気でも、上記のような症状が出る場合がある(閉塞性動脈硬化症)。腰が悪い場合は、長時間立ったり歩いたりすると、かがんだり椅子に座って休まなければ楽にならない。足の血管が悪い場合は、とにかく運動を休むと楽になる
※※緊急手術を要する腰の病気(極めて稀な例)
(症例)80歳男性。3年くらい前から左足のまひがあった。しかし、2日前から尿閉(尿がでなくなった)。尿閉は、腰の病気で唯一緊急手術を要する症状。24〜48時間以内の手術が必要。

<全脊椎手術の内訳>
1位 腰部脊椎管狭窄症
2位 椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニア
骨と骨の間にあるのが椎間板(ゴムのような働きをしている)。これが神経を圧迫する病態。1〜3カ月間手術はせずに様子を見る(保存療法)。尿閉や、足に力が入らなくなるような症状が出た時だけ緊急手術。基本的には1カ月ほどで治ることが多い。(飛び出していた椎間板がへこんでしまう)

【圧迫骨折】

無症候性の圧迫骨折(痛みはないが骨折している)をしているが、気づかない方が多い。こけてしりもちをついたときや、物を持った拍子でも起こる。いずれにしてもシビレなどよりも、疼痛が起こる。寝返りするだけでも激しい痛みがある。加齢などにより、背骨の中身がスカスカになる骨粗しょう症が主な原因。閉経後、または70歳以上の方に多い。予防としては、普段から軽度の運動をする、日光浴をする、乳製品・ビタミンDをとるなど。

圧迫骨折に対するセメント療法
大部分の圧迫骨折は痛みとの戦い。除痛目的として椎体形成術(セメント注入療法)がある。皮膚の上から、骨折をした骨に骨セメント(人工骨:PMMA。50年以上前から使われている)を注入する治療法。90年代からアメリカでは盛んに行われているが、現在の日本では保険適用外。※セメント注入の際に、針が神経に刺さってしまったり、セメントが肺へ流れ込んで呼吸ができなくなったという症例が海外で報告されている。

▽まとめ
○手のシビレは頭以外にも、首、手首、肘などにも原因があることも多い
○頸椎症はできるだけ予防に努めましょう
○腰痛の大部分は、検査だけきちんとしておけば悪化しないことが多い
○足がしびれる場合は、腰だけでなく血管も調べる必要がある
○圧迫骨折にはセメント治療が開発されている

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