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アスニー山科講座

アスニー山科(JR山科駅前)では、武田病院グループスタッフによる講座を開催しています。 このページでは、開催された講座内容を掲載しておりますのでご利用ください。

2005年9月28日(水) 顔写真
武田総合病院 歯科衛生士 副主任
箕浦 久美子氏
「気道感染予防〜肺炎予防のための口腔ケア〜」

1、誤嚥性肺炎について
2、口腔内の汚れ
3、お口のお手入れ
4、お口の乾き
5、お口のリハビリ体操

〔1〕誤嚥性肺炎について

●平均寿命と健康寿命
健康寿命……介護を受けずに元気に暮らすこと

●日本人の死因
1位 悪性新生物(がん)
2位 心疾患
3位 脳血管障害
4位 肺炎
※肺炎は高齢者がほとんど。
肺炎の年齢階級別の死亡率は、65歳以上の高齢者が95.6%。
→もともとの病気があったが、肺炎で死亡
→脳の病気で食べ物を飲み込めなくなり、肺炎を発症

●誤嚥性肺炎とは?
・嚥下機能(食べ物や飲み物を飲み込む働き)
・咳反射(むせたときなどに)
↓↓↓
これらが弱まり、気管に異物が入って肺炎を発症。
むせることが多くなると、抵抗力が落ちた時に肺炎になる。
※気管の入口には喉頭蓋というフタがあり、食べ物を飲み込むときには、反射的にこのフタが閉じるようになっている。
⇔しかし、年齢を重ねるとそのフタが閉じなくなったり、タイミングがずれる
(特に寝たきりの方はこの反射が起こりにくくなる)
※誤嚥性肺炎は一般的な肺炎とは違い、微熱が続くほか、食欲減退、眠くなる、ボーっとする、などの症状であるため、自分が肺炎だと気づかずに過ごしている方も多い。

!!気がつかないうちに起こる<不顕性誤嚥>!!
寝ている間は咳反射が起こりにくいので、寝ている間に自分でも気づかずに唾液を飲み込んでしまう。
↓↓↓
・お口の中の雑菌を減らし、唾液をきれいにしておくことが重要
・寝たきりの方には横向きに寝ていただく

〔2〕口腔内の汚れ

●口内の汚れ
・デンタルプラーク(歯垢) → 食べカスではなく、最近のかたまり
ねばねばしたもの。歯と同じ色なので見えにくい。
※汚れが取れていないところから虫歯や歯周病が進行する
歯肉炎など歯ぐきの病気は歯磨きで治る
・バイオフィルム
細菌どうしが手をつないでいるので水では取れない。
時間が経つほど硬くなり、膜をはって取れにくくする。
↑↑
歯ブラシなどで機械的に取らないと取り除けない
放置すると歯石になる

●残根多数の口腔内
歯の根っこだけがたくさん残っている人ほど、しっかりと磨く必要がある
→ 膿の袋が根っこの先にできると、血管を通じて雑菌が全身へまわって、心臓病や関節リウマチなどを起こす可能性もある
(心臓弁膜症の方で、弁膜から口内の雑菌が見つかった方も)

〔3〕お口のお手入れ
大塚製薬発行「摂食嚥下障害チェックシート」
(監修・聖隷三方原病院 リハビリテーションセンター 部長 藤島 一郎氏)
《歯磨きのポイント》
歯ブラシを大きく横に動かさず、細かく、縦や横に動かす
(大きく動かすと歯や歯ぐきの隙間の食べカスが取れない)

●入れ歯のお手入れの注意点
×水で流すだけ
×入れ歯洗浄剤に浸けるだけ
⇒入れ歯にもプラークが付く。水で流れるのは食べカスだけ。
入れ歯もキュッキュと音がするくらい、しっかりブラシでこすることが大事!
入れ歯洗浄剤は週1〜2回、曜日を決めて行う(キュッキュと音がするようなら必要ない)
また、入れ歯洗浄剤で洗浄したあとはブラッシングし、必ず水洗いをする。(洗浄剤が残っていると舌やお口の中の粘膜が荒れたりする)
<しっかりブラッシング>
・針金(針金についたプラークが残っている歯に付いてしまう)
・入れ歯の表側だけでなく、口内の粘膜に触れるところもブラッシング
※入れ歯用の歯ブラシが効果的

●お口の粘膜を清掃する手順
・歯ぐきと頬の間の粘膜
・粘膜を鍛えることも大切(入れ歯を長持ちさせることができる)

●舌清掃の手順
・柔らかめのブラシで舌の奥から手前へ、一方方向へブラッシング
・汚れが少ないときはブラシを寝かせてブラッシング
・舌に力を入れないことがポイント

●もしお口を磨かなかったら……
歯の根元の汚れが原因で、歯が途中からポキポキ折れてしまう。
歯ぐきが腫れて、口内に雑菌が増える。

〔4〕お口の乾き

寝たきりの人は特に乾燥しやすい。
元気な人でも熱が出たときや体が弱ってきたときは乾燥しやすい。

●唾液の働き
・お口の粘膜を保護
・舌や頬の動きを滑らかにする
・食べた物をまとめて飲み込みやすくする
・自浄作用
・抗菌作用
・味覚を感じる
・消化作用
・入れ歯を安定させる

●唾液分泌低下症候群の症状
・お口が渇いた感じがする、唾液がねばっこくなる
・味が分かりにくくなる
・お口の中が熱い感じがする
・食べ物を飲み込みにくくなる
・舌が赤く腫れやすい、痛みを感じる
・頬が痛い
・粘膜が薄くなる
・口臭がする、食べカスが溜まりやすくなる
・入れ歯で傷ができやすくなる

【こんな症状ありませんか?】
1. 口の中が乾く、からからする
2. 水をよく飲む、いつも水を持参している
3. 夜中に起きて水を飲む
4. クラッカーなど乾いた食品が食べにくい
5. 食べ物が飲みにくい
6. 口の中がねばねばする、話しにくい
7. 味がおかしい
8. 口で息をする(寝るときも)
9. 口臭が気になる
10. 入れ歯で傷ができやすい
⇒以上が唾液が少なくなることによって起きる症状です。
※血圧を下げる薬や精神安定剤などの副作用で口が乾くこともあります。薬の情報を参考にしてください。

<口腔機能回復リハビリ> 〜廃用萎縮を防ぐために〜
・口腔ストレッチ
・頚部マッサージ
・呼吸(深呼吸)
・唾液腺マッサージ

《舌体操》
1) 舌を前後にゆっくり突き出す
2) 舌で上唇をなめる
3) 舌を左にゆっくりと突き出す
4) 舌を右にゆっくりと突き出す
5) 舌を回す
※むせやすい人はご飯前に行いましょう

《表情筋のリハビリ》
1) にこちゃん顔。口角を左右に引き伸ばす
2)「ぱ」の声を出すつもりで口をあける
3) すっぱい顔。口唇・頬をすぼめる
4) 両頬をふくらませる
5) おたふく顔。右頬をふくらませる
6) 左頬をふくらませる
7) むふふ顔。上唇で下唇を包み込む
8) 下唇で上唇を包み込む
9) オラウータン顔。口腔の内側から舌で上唇を押す。または空気を入れてふくらませる
10) 口腔の内側から舌で下唇を押す(9に同じ)
※ぶくぶくうがいも効果的

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