●脳梗塞:脳の血管がつまる――65%以上
・脳血栓―脳の血管がつまる(アテローム血栓性脳梗塞)
・脳塞栓―心臓など他の場所から血栓が飛んでくる
・ラクナ梗塞―脳の深部の血管がつまる。小さな梗塞
●脳出血:脳の深部で血管が切れて出血する――25%
●クモ膜下出血:脳の表面にあるクモ膜の下にできた血管の瘤が出血
脳卒中(脳血管障害)の発生率は低下していない。
重症例は減っているが、全体では増加。後遺症に悩む人は約170万人と推計される。
その大部分がリハビリテーション医療の対象に。
▼リハビリテーション医療
1. 残存している機能の保持
2. 潜在能力の開発・増進
3. 適切な訓練、作業療法
4. 家庭復帰、社会復帰
《チームスタッフ》
1)医師:リハビリチームのリーダー
2)看護師:患者の健康管理、日常生活動作・自立への支援
3)理学療法士(PT):身体機能・能率障害に対する運動療法、物理療法
4)作業療法士(OT):作業療法を通して日常生活活動の獲得
5)言語療法士(ST):言語機能や摂食・嚥下機能の改善
6)看護助士:患者の身の回りの世話
7)クラーク:書類や費用の相談、連絡調整
8)医療ソーシャルワーカー(MSW):退院後や今後の生活支援
9)地域医療連携室
残念ながら、現在8)の医療ソーシャルワーカーが機能している施設は少ない。
以上のチームが協力し合い、リハビリテーションの効果を高めて家庭復帰・社会復帰できるように支援していくことが重要である。脳卒中患者の示す機能障害は多彩で、さまざまな程度の障害が組み合わさっているのが普通。これに潜在機能を加えて考えれば、同じ機能障害レベルの患者は非常に少ないといえる。例えば、障害として中枢神経麻痺、高次脳機能障害(失行・失認・失語と器質的精神症状など)、廃用症候群、そのほかの合併症などがある。
↓
脳卒中の患者一人一人についてこれらの障害を正確に評価・把握し、その上にたってリハビリテーションの目標を定めて、プログラムを作成し効率よくリハビリテーションを進めていく必要がある。
▼リハビリテーション機能の分化
(1)急性期リハビリテーション――急性期病院
十分なリスク管理のもとに、発症早期からベットサイドで開始され、手足の動きが硬くなったり、肺や心臓の機能が衰えたりする廃用症候群を予防することと早期離床が目標。
脳卒中の治療と並行して行われる場合が多い。この段階を十分にしておかないと、次の回復期へ移れない。
(2)回復期リハビリテーション――専門病院、訓練室
疾患が安定期になった段階で、リハビリテーションを集中的に行い、日常生活動作(ADL)の向上、歩行の自立、家庭復帰など最大限の機能回復を目標とする。
京都でも回復リハビリ専門の施設が増えており、回復リハビリ病棟から家庭復帰された方は全国平均で60〜70%。
(3)維持期リハビリテーション――診療所、病院、保健施設、介護保険施設など
自立支援、寝たきり防止、介助量の軽減、快適な在宅・施設生活を支援。
獲得した機能の維持向上を目指す。
▽武田総合病院の回復期リハビリテーション病棟では
・座位の練習
・平行棒や歩行器を使った歩行訓練
・階段の昇り降りの練習
・言語療法
などをはじめ、あらゆる器具を揃えており、多くの患者さまが個人のプログラムに合わせた訓練を行っている。
患者さま、ご家族の意見も取り入れながら、看護師や療法士で毎日プログラムを検討し、2週間に一度は医師を含めた全員でプログラムの改善点を検討している。
※急性期・回復期リハビリテーション施設を退院後、日常生活活動を維持向上するためには、地域の保健施設などでいろいろなサービスを受けなければならない。
しかし、残念ながら日本における維持期リハビリテーション施設は、セラピストや社会心理士、心療内科医や職業訓練士などが非常に少ないため不充分。
退院後は時期を逸せずに、適切なリハビリテーション医療が受けられる体制を構築することが重要である。 |