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アスニー山科講座

アスニー山科(JR山科駅前)では、武田病院グループスタッフによる講座を開催しています。 このページでは、開催された講座内容を掲載しておりますのでご利用ください。

2005年5月25日(水) 顔写真
医仁会武田総合病院皮膚科医長
松井美萌
「ライススタイルと皮膚のトラブル」

ライフスタイルの多様化

・食事の欧米化
・自動車社会、運動不足、コンビニライフ、外食産業の隆盛
・衣住居の変化
・ストレスの多い生活
・高齢化社会

○欧米に多かった疾患―糖尿病、乾癬(かんせん)
昔は日本人に多くなかった病気が増えている。
全身疾患として糖尿病が代表的で、高脂肪・高カロリーな食事が影響。

○アレルギー性疾患―じんましん、アトピー、
花粉症がポピュラーになってきたのは最近。
原因がわかりにくいものが多い。

○老化にともなった疾患―しみ、動脈閉塞症、かゆみ、床ずれ


■食事の欧米化が関与している皮膚疾患

1)糖尿病……現在、日本での患者数は700万人ともいわれている
2)尋常性乾癬……高カロリーな食事などが影響している。しっしんのような症状
3)脂漏性皮膚炎……にきび

《女子大生120人に質問》
Q きのうの夕食は?
1位 スパゲッティー
2位 ハンバーガー
3位 ぎょうざ

Q 皮膚の悩みは?
1位 毛穴が目立つ
2位鼻のきわが赤い
3位 あごにぶつぶつができる

※高カロリーの食事、肌にフィットする化粧品などの原因が重なっている

脂漏性皮膚炎--鼻のきわが赤い、毛穴が目立つ、ふけが多い

皮膚の脂漏部位(頭皮、顔、とくに鼻・眉毛部など)に赤み、がさがさしたしっしんができる。脂の出てくる部分に軽いかゆみを持っている方は意外に多い。

■原因
過剰な皮脂の分泌に刺激されて、皮膚の炎症が起こると考えられている

■治療
・ビタミンB2、B6の内服や外用剤を用いる。
・食品から摂取すると余分なものも取れてしまうので、お薬を使い、必要なビタミンだけを取ると、血中の脂っぽさも改善できる。
・外用剤として塗り薬や頭皮用のローションなどがあるが、対処療法なので、内側から治療したほうがよい。

  尋常性ざ瘡--白にきび

■原因
・毛包(毛穴の出口)が狭くなっているところに皮脂がつまる
・細菌がつくと膿んでしまう⇒空気に触れると黒にきびに

■治療
・ビタミン剤。膿んだものには抗生物質で対処
・ホルモンも関係しているので生活の改善も必要

  糖尿病(生活習慣病)

■原因
・遺伝、食べすぎ、飲みすぎ、運動不足、ストレス、肥満
・血糖値が高くなることでカロリーが消費しきれなくなり、高血糖に
↓↓↓
いろんな合併症が起こり、足の神経症や目の網膜症、腎症などになる。
かびや細菌などにまけやすくなる易感染にも。
・糖尿病性皮膚潰瘍(かいよう)―皮膚がえぐれる
・糖尿病性壊疽(えそ)―皮膚が真っ黒くなる

※じわじわ進行するのではなく、少しのきっかけで突然あらわれる

!!低温熱傷にご注意!!

糖尿病の人は知覚が鈍っている

↓↓↓
カイロを靴に入れたりすると、感覚がないまま低温熱傷になってしまう

  ▼やけどには2種類▼
 

●熱傷

・熱い物質での皮膚ダメージ
・一瞬で生じる
・比較的皮膚の表面に生じる
・子供(1歳程度)や老人に多い
・面積が大きいと死に至ることも

※小さい子供は熱いものや、熱い感覚がわからないためやけどが多い

●低温熱傷

・40〜50℃程度の物体に皮膚が長時間接していることで起こる
・皮膚の深い部分までダメージを受ける
・深く損傷するので難治性(治るまで数カ月)
・冬の時期、お年寄りに多い

※熱傷より重症。カイロを張ったまま休む、ホットカーペットの上で寝る、
ファンヒーターの前でのうたたねに注意。

【水虫】
○衣住居などの因子
・日本の気候
夏は多湿、靴を着用、冬も室内の機密性が良い、ブーツの流行⇒水虫にとって快適

●足、爪白癬(はくせん)

■原因
・白癬=水虫
・白癬菌(カビの一種)が皮膚や爪で増殖したもの
・かさかさの水虫も多い。かかとが白くかさかさに
・爪水虫は爪が白くにごる

■治療
・足白癬には外用剤(クリームや液体)
・爪白癬には内服薬
内服薬には1日1錠を半年間毎日のみ続けるものと、1日8カプセルを約3カ月間、一定の期間をおきながら服用するものがある。

※内服薬は肝臓に負担をかけるため、肝臓の悪い方は注意。
相性の悪い薬などもあるので、健診でのデータなどを持参し医師に相談する。
また、治りにくい方もいる。

○生活環境で注意すること
・足をよく洗い、しっかりと乾かす……水虫菌は湿った状態が好き
・水虫のある人とバスマットやスリッパを共有しない
・爪きりも清潔に保つ

※掌蹠膿疱症
(しょうせきのうほうしょう=手のひら、足の裏にかゆいぶつぶつしたものができる)など、水虫との鑑別が難しい疾患もあるので皮膚科受診をおすすめします。

■アレルギーが関与した疾患
(1)アトピー性皮膚炎
(2)じんましん
(3)接触皮膚炎

アトピー性皮膚炎--身体の左右対称に湿疹ができる

■原因
・遺伝、アトピー素因、ドライスキン、環境因子などが重なって発症する慢性の湿疹病変
・悪化因子は年齢によって異なる
・2〜12歳では食物、発汗、環境、細菌、カビ
・12歳以降では環境因子
・非アレルギー的要因として、乾燥、発汗、掻破などの皮膚バリア障害がある

■治療
目標! ありふれた治療で日常生活が送れること
・ステロイドの入った軟膏―いまある湿疹を抑える
・アレルギーを抑える飲み薬
・皮膚をしっとり清潔にする

 

じんましん

・24時間以内に消失する膨疹
・原因ははっきりわからない
・食品添加物、保存料、着色料
・ストレス
・薬品、漢方薬、サプリメント、健康食品
・胃腸障害
・寒冷、運動などで出現することも

 

 

接触皮膚炎(かぶれ&アレルギー反応)

・ヘアケア製品、化粧品、目薬、リップクリーム、歯磨き粉、イヤリング、ピアス、めがねのフレーム、香水、下着、ジーンズの留め金、湿布薬、時計のバンド、ビニール手袋、セメント、靴下のゴム、ウエットスーツ
・植物(さくら草)
・果物(マンゴー)

※アレルギー反応を調べる際にはパッチテストがおこなわれる

▼ステロイド剤(外用剤)の副作用は?
ステロイドとは、腎臓の上にある副腎という小さな臓器から分泌されるホルモンで、多くの種類の細胞の働きを調節することで炎症をおさえる働きをしている。⇒これをぬり薬にしたものがステロイド外用剤

※ステロイド外用剤をずっとぬっていると……
多毛、毛細血管の拡張、皮膚の萎縮、にきび、毛のう炎、皮膚がまけやすくなるなど副作用がでる。

■老化に伴う皮膚の変化
皮脂欠乏性皮膚炎   脂漏性角化症(老人性ゆうぜい)   老人性色素斑(しみ)
  血管の老化(閉塞性動脈硬化性)
■原因
皮膚のバリアが年齢、季節、入浴時の刺激などで失われると、少しの刺激でもかゆみをきたす。
■原因
・年齢を重ねると出てくる背中などに黒いイボ
・ひとつひとつは良性だがかゆみを発生時にかゆみを伴う
■原因
皮膚の内側で色素細胞が広がる

イボやしみに比べ頻度が少ない。
血管の老化により血管が細くなり詰まると、その先の皮膚が壊死。

■治療
・スキンケア、かゆみどめの軟膏
・入浴、室内、就寝時の注意(電気毛布を使うと肌が乾燥しやすい)

■治療
・液体窒素(ドライアイスよりも低温の物質)で焼灼
・イボにかゆみがあるときはイボを焼灼することで症状が緩和する

■治療
レーザー治療の効果が高い(しかし高価である)

■体力低下時の皮膚のトラブル
帯状疱疹(たいじょうほうしん)=ヘルペス   単純疱疹
■原因
・子供時代の水痘(=水ぼうそう)のウイルスである、帯状疱疹ウイルスが、治癒後も脊髄に潜んでおり、体力が低下した時などに神経の支配領域に沿って、まず疼痛が続いて紅斑、水疱を生じる。
・皮膚の炎症と神経の炎症が出るため痛く、神経痛が残ることもある。
■原因
・疲れた時、日にあたった後、かぜなどのときに症状がでる
・口唇、陰部、手指、口腔内、体幹などに出現

■治療
・早い段階で抗ウイルス剤を使う。
・ウイルス剤はウイルスが暴れている時にだけ効果があるので、症状が出たら早めに受診する。
・点滴、飲み薬、ぬり薬で2週間程度で治る。
※ヘルペスが深刻に出るときは全身検索が必要。
 内臓の悪性腫瘍が見つかることもある。
 疲れや体力低下のサインでもあるのでヘルペスには注意をする。

■治療
抗ウイルス剤を使う
※コップ、タオルなどを家族で共有しない。

1カ月に数回など、頻繁に出るようなら全身検索が必要。

▼床ずれ(褥とう)
仙骨部(お尻部分)、かかと、大転子(太もも)などにできる。
赤み→びらん→潰瘍→壊死、という順に進行。
細菌が感染するとその部分に熱が発生する。

■原因
・自分の体圧で生じる
・骨が突出した体型、やせ型に多い
・栄養状態が悪い
・糖尿病があると悪化しやすい
・けがや病気で一時的に寝つくとなりやすい
・関節の動きが悪い方
・車イスに乗っている時間の長い方

○予防するには……
・体圧を逃がす(体位交換、クッションなどの使用)
・ウレタン性のマットレスなどの使用
・低栄養を改善
・皮膚は清潔にしっとりさせておく
・傷ができたら放置せず皮膚科を受診し早めに治す
■おわりに■
皮膚は内臓の鏡
皮膚はその人の健康のバロメーター
心身ともに健康に過ごせるように皮膚のコンディションに気をつけましょう。

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