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アスニー山科講座

アスニー山科(JR山科駅前)では、武田病院グループスタッフによる講座を開催しています。 このページでは、開催された講座内容を掲載しておりますのでご利用ください。

2005年3月30日(水) 顔写真
武田総合病院 
栄養科係長 林 優里
「丈夫な骨を作る食事〜骨粗しょう症予防の食事とあなたの食生活チェック」

▼骨を丈夫にするために

1、骨について

・骨の数は?……206本。赤ちゃんのときは350本あるといわれている。女性は15年、男性は18年かけて206本に形成されていく
・骨の重さは?……体重の5分の1(50kgの人なら10kg)
・骨は何からできている?……たんぱく質、リン酸カルシウム、水分、多糖類
・骨は生まれ変わる?……生まれ変わることができる

2、骨の構造

●骨の表面は皮質骨(ひしつこつ)。細かく、堅い繊維でできている。骨の内側は海綿骨(かいめんこつ)
→骨はたんぱく質でできた繊維に、ミネラル(カルシウム、リンなど)が付着してできている。建物に例えると、たんぱく質は鉄骨、ミネラルがセメントという、鉄筋コンクリートのような構造
・骨量―たんぱく質とミネラル分をあわせた量
・骨塩量―骨のなかのミネラルの量
・骨密度―堆積あたりの骨量のことで、骨の密度をあらわす

●骨の再構成
骨のなかには骨を壊す細胞(破骨細胞)と、骨をつくる細胞(骨芽細胞)がある。破骨細胞は古い骨を溶かし出し、骨芽細胞は壊した部分に新しいたんぱく質やカルシウムで新しい骨をくっつけていく
→つねに骨は新しく生まれ変わっている。
このサイクルがホルモンの働きなどでバランスよく繰り返ながら、しなやかで丈夫な骨をつくっている

3、骨粗しょう症について 

骨粗しょう症=長年の生活習慣やさまざまな原因で、骨の中がスカスカになった状態。骨折をしやすくなったり、骨折をおこしたようになる。海綿骨の密度が低下し、周囲の皮質骨も弱ってくる
→初期の段階では海綿骨の割合が多い背骨が弱くなり、やがてほとんどの骨も同じ状態になっていく

●骨粗しょう症になるしくみ
本来、骨のなかで働いていた破骨細胞と骨芽細胞とが力のバランスを崩すことでおこる。破骨細胞が過剰に働いたり、骨芽細胞の働きが弱くなったりする→カルシウム不足、ホルモンバランスの崩れが原因
      
・最大骨量(ピークボーンマス)…10代のころに栄養を蓄え、30代〜40代の間に最も骨が強く、太い状態になる
→その後は骨量が減少
※10代のころの無理なダイエットをした女性は後々、弱い骨に!
※40代〜50代の女性はホルモンバランスが崩れる時期。骨量の低下につながる!
→女性ホルモンは破骨細胞の働きをくい止める役割をしている
ホルモンのバランスが崩れると、その働きができなくなり、骨粗しょう症に

●骨粗しょう症の発症率と骨折しやすい部位
骨粗しょう症は歳を重ねるごとに、50代くらいから発症率が上がりはじめる
→女性の方が男性の3倍ほど確率が高くなる。しかし、男性も安心できない。
また、若い人でも食生活の乱れから骨密度が低い人も食生活の乱れから骨密度が低い人もいる
年齢に関係なく、遺伝や甲状腺機能亢進症、糖尿病、ステロイドを使っている方、消化器官に大きな病気をしていたり、手術後の方はカルシウムの吸収が悪くなることがあり、骨粗しょう症になりやすい
・骨折しやすい部位……手首、腕のつけ根、背骨、大腿骨頚部(足のつけ根)
骨粗しょう症は傷みがないので、骨が折れてはじめて骨粗しょう症だと気づく。
また、急激な身長の縮みや腰痛がある場合、背骨が体の重みに圧迫されているため痛くなっていることがある。放置すると内臓を圧迫して、ほかの病気を引き起こすことも

●骨粗しょう症の検査と治療
・検査法 1、骨塩検査―手首などに2種類のX線をあてて骨量を計測
     2、超音波法―かかとに超音波をあてて骨量を測定
     3、X線撮影―レントゲン

4、血液・尿検査―骨の代謝が正常かどうかを調べる

・治療法 骨折した場合はコルセットやギプスで部位を固定するのが基本
大腿骨頚部の場合は器具を入れたり、人工骨を使ったりするので大きな手術になる
予防としての治療には
1、食事療法―バランスの良い食事とカルシウムの摂取
2、運動療法―適度な運動と体操。日光浴
3、薬物療法―骨の代謝や形成を促進したり、骨の破壊を抑制するための、ビタミンやカルシウム、ホルモン療法がある
▼骨に大切な栄養

・カルシウム=骨の原料。骨密度の減少を防ぐ。筋肉の収縮を助ける。精神安定の働きも
・たんぱく質=骨のもともとの成分。魚や肉に多く含まれる。コラーゲンはカルシウムを骨にくっつけるのを助ける
・ビタミンD=腸からのカルシウム吸収を助ける。血液に入ったカルシウムを骨まで運ぶ
・マグネシウム=骨の原料。骨芽細胞に働きかけてカルシウムの量を調節。カルシウムとマグネシウムのバランスは重要で、カルシウム1に対してマグネシウムは2の割合
・乳糖=腸内で働いてカルシウムの吸収を助ける
・ビタミンC=コラーゲンの合成を助ける
・ビタミンK=骨にカルシウムをつけるためのたんぱく質を活性化。尿にカルシウムが出てしまうのを抑えて、骨の破壊をくい止める
・イソフラボン=大豆製品に含まれる。骨の破壊をくい止める働きをする女性ホルモンに似た働きをする。
⇔骨に悪い栄養
・食塩の取り過ぎ……ナトリウムのとりすぎは、カルシウムの尿への排出を促す
・リンの取り過ぎ……ハムやインスタント食品に含まれる。腸内でリン酸カルシウムをつくってしまい、便といっしょに排出されてしまう
・カフェインの取り過ぎ……コーヒー・紅茶に含まれる。一日3杯飲む人は骨が弱いという統計も
・アルコールの取り過ぎ……利尿効果が高く、カルシウムが排出されやすい。肝臓でビタミンDを活性化させてカルシウムの吸収に役立てるので、肝臓が悪いとカルシウムの吸収を妨げる
・食物繊維の取り過ぎ……いらないものを外に出す効果があるので、カルシウムも体外にだしてしまう
・シュウ酸の取り過ぎ……腸内でシュウ酸カルシウムをつくってしまい、体外に排出されてしまう
   
そのほか、喫煙、ビタミンの不足、ストレス、ステロイドの使用、運動不足も骨
粗しょう症を促進させる要因になる

●老年期には悪循環で骨粗しょう症になりやすい
  1、腸の吸収率の低下
  2、あっさり食で脂溶性ビタミンDの摂取が減る 
  3、腎臓の働きが悪化、活性型ビタミンDができにくくなる
 ・カルシウム不足→血中のカルシウム濃度を高めようと、骨からカルシウムが出ていく→骨粗しょう症→運動不足や寝たきりが骨をもろくする
・カルシウム不足→血中のカルシウム濃度を高めようと、骨からカルシウムが出ていく→細胞の中にカルシウムが増加→動脈硬化、認知症の原因にも

▼あなたの食生活チェック
栄養バランスの良い食生活チェック
〜「はい」か「いいえ」で答えてください〜
1)毎日緑黄色野菜(トマト、カボチャ、にんじん、ブロッコリーなど)を食べる
2)毎日淡色野菜(白菜、レタスなど)や、きのこ類を食べる
3)毎日果物(りんご、バナナなど)を食べる
4)毎日海藻(ひじき、わかめ、こんぶなど)を食べる
5)毎日主食(ご飯、パン、うどんなど)を食べる
6)毎日肉類や魚類、卵を食べる
7)毎日大豆製品(豆腐、納豆など)を食べる
8)毎日いも類(じゃがいも、里芋、さつまいもなど)を食べる
9)毎日油類(サラダ油、マーガリンなど)を食べる
10)毎日乳製品(牛乳、ヨーグルトなど)を食べる
左の項目で、「はい」が
7〜10個……栄養のバランスのよい食事がとれている。300?のカルシウムが自然に取れているので、「いいえ」のついた項目を改善する
4〜6個……栄養のバランスが崩れている。不足を補うことが大切
3〜0個……かなり栄養のバランスが崩れている。食事がワンパターンになっている可能性があるので、たまに違うものをたべるようにする
※無理をして、一日に30品目の食品をとろうとすると反対にカロリーの過剰摂取につながるので注意
カルシウム食生活チェック(1)
〜当てはまる項目を数えてください〜
日常生活・身体状況チェック(2)
〜当てはまる項目を数えてください〜
□小魚類をあまり食べない
□野菜、海藻、乾物類をあまり食べない
□大豆、豆製品をあまり食べない
□牛乳、乳製品をあまり食べない
□加工食品をよく食べる
□甘いもの、清涼飲料水が好きだ
□塩辛いものが好きだ
□アルコール類が好きだ
□肉類が好きだ
□食べ物の好き嫌いがたくさんある
 以上の項目で、該当した数を二倍してください。( )個×2=( )点
■日光に当たる機会が少ない
■35歳以上の女性である
■運動不足である
■最近怒りっぽくなったと思う
■胃腸の調子が悪い
■肌が荒れやすい
■タバコを吸う
■寝つきが悪い
■足腰が痛むことがある
■出産経験がある
■虫歯、歯槽膿漏がある
■風邪をひきやすい
■血圧が高い
■自律神経失調症だと言われたことがある
■生理不順などのホルモン異常がある(またはげ閉経後である)
■糖尿病などの慢性疾患の治療中である
■ストレスが多い
以上の項目で、当てはまったものはいくつでしたか。( )個=( )点
→チェック(1)とチェック(2)の点数を足した合計点によって判断します。
チェック@( )点+チェックA( )点=(合計点)
・5点未満……カルシウムはほぼ足りています。今後も気を抜かずにカルシウムを取りましょう
・5〜10点……カルシウムが少し不足しています。毎日忘れずカルシウムを取りましょう
・11〜20点……カルシウムがかなり不足しています。心がけてカルシウムをとりましょう
・21点以上……完全にカルシウムが不足しています。生活全体から見直しましょう
※あくまでもチェックですので結果が悪かったからといって、骨粗しょう症というわけではありません。骨粗しょう症かを判断するには、病院で検査を受けることが重要です。
▼丈夫な骨にするために〜食生活の見直し、改善を!
1) 1日3食、欠食なく食べる
〜一人暮らしでは食事が不規則になりやすい。朝食と昼食は少量、夕食は多くとる人が多いが、3食の量は均等が理想的。1日2食の人もいるが、加齢とともに腸の吸収率が落ちてくるので、一度に多くの吸収ができなくなる
 

・無理なダイエットは筋肉や骨の減少にもなる。ダイエットの回数が多い人、ダイエットをはじめた年齢が低い人も骨密度が低い

・調理時間とカルシウムの摂取量は比例する。調理済み食品の利用頻度が高い人や、調理にあまり手間をかけない人も、カルシウムや各栄養素の摂取量が少ないといわれている

・よく噛まないとたべられない食品にはカルシウムが含まれていることが多い

2) 好き嫌いしない
〜バランスよく何でも食べる
 
3) 加工品ばかりに頼らない
〜加工食品には、リンや塩分が多く含まれている。取り過ぎはカルシウムの吸収率を悪くすることに。できあいのお惣菜を食べるときも、そればかりでなく自分の作った食事に足りない栄養を補う意味で、一品加える程度にするとよい
 
4) 主食・主菜・副菜の組み合わせ
〜主食はご飯・パン・麺類、主菜は肉・魚・大豆製品、副菜は野菜。この3つが揃っていればほぼバランスのとれた食事といえる。この組み合わせを意識して食事をとるようにする
 
5) 間食・アルコールの取り過ぎ注意
〜一日のアルコールの適量は、ビールは中ビン1本、お酒は1合、ワインは小グラス2杯分(それぞれ一種のみの割合)。アルコールは毎日ではなく、2日間あけて飲むと肝臓が休まる
 

●いろんな食品を組み合わせる
1日のカルシウム必要量   成人男性 600?/成人女性 800?/骨粗しょう症の方 800?    
調査では、70歳以上の方で1日平均 539?のカルシウムをとっている
→その内訳は、多いものから、乳製品、豆類、魚介類、穀類、野菜類など。ほぼ必要な量のカルシウムがとれている

□乳製品 吸収率がもっともよく、その吸収率は50%
・普通牛乳(210g) カルシウム―231?  脂肪量―8.0g
・低脂肪乳(210g) カルシウム―273?  脂肪量―2.1g
・スキムミルク(大さじ3、18g) カルシウム―198?  脂肪量―0.2g
・生クリーム(1/3カップ、50g) カルシウム―30?  脂肪量―22.5g
・ヨーグルト(210g) カルシウム―252?  脂肪量―6.3g
1日のカルシウムの半分は牛乳一杯でとれる。牛乳が飲めない人は、料理に足したり、代わりにヨーグルトをとってもよい。しかし、牛乳は脂肪分も多いので飲みすぎると血液中の脂肪分が増えてしまうので、たくさん飲みたい人は低脂肪乳に代えるなどして気をつける
  
□大豆製品 優れたたんぱく質を多く含み、イソフラボンや、納豆にはビタミンKも含まれる

・豆腐(1/4丁、100g) カルシウム―90?  カロリー―54kcal
・厚揚げ(1/4、70g) カルシウム―120?  カロリー―75kcal
牛乳を豆乳で代用することがあるが、豆乳はあくまで大豆製品なので、カルシウム
をとるなら牛乳のほうがよい。大豆としての効果を期待するなら豆乳でもよい
  
□小魚・海藻類 カルシウムのほかマグネシウムも含む 
・干し桜えび(大さじ2) カルシウム―120?
・ちりめんじゃこ  カルシウム―220?
・ひじき(乾燥したもの8g) カルシウム―112?
ナトリウムも含むのでとりすぎは、カルシウムの吸収の妨げになる。料理に添える程度でとるようにするとよい

□野菜 カルシウムの吸収率は低いが、ビタミンも多く含むので毎日食べたい食品
・小松菜  カルシウム―126?
・モロヘイヤ  カルシウム―130?

●1日なにを食べれば600?になるのか?
《例》牛乳カップ1杯 (カルシウム 230?)
   高野豆腐1個  (カルシウム 130?)
   ちりめんじゃこ大さじ1杯 (カルシウム 110?)
   小松菜1/4束 (カルシウム 130?)

●ビタミンDとマグネシウム……カルシウムの吸収を助ける栄養素
・ビタミンD――鮭、さば、干ししいたけ、うなぎ、さんま、きくらげ、かじき、丸干し、しめじなど
・マグネシウム――玄米、ほうれん草、豆腐、ひじき、カシューナッツ、アーモンド、かつお、あさりなど
※これらは少しずつ取りいれるとよい

●減塩でおいしい料理を
・濃い味のものには、薄味のものを組み合わせておいしく食べる
・塩分をとらずにおいしく食べるには
→香味野菜(シソ、にんにく、しょうが)
→香辛料(唐辛子、からし)※香辛料に血圧をあげる効果はない
→酸味(酢、レモン)などを利用する
また、料理の方法としては、食品の内側に味をしみこませるのではなく、表面に
味をつけると、口に入れたときに舌で味を感じるので薄味だと感じない。切り身
の鮭などは塩分が高いので、味付けされていない切り身を購入し、調理する直前
に軽く塩をふる程度のほうがよい
  
●加工品、インスタント食品
肉の加工品やインスタント食品、ひものなどにはリンが含まれるので取り過ぎない

▼骨強化の食事を考える〜骨太クッキング〜

「ウメさん」75歳、身長145cm、体重48?
1日に必要なエネルギー=1400〜1500kcal、たんぱく質=55〜60g、脂質=40〜45g、カルシウム=600〜800?

・朝食―トースト、野菜サラダ、りんご、コーヒー エネルギー=406kcal、たんぱく質=9.9?、カルシウム=55?
ひじきをサラダに混ぜる、コーヒーを牛乳に代えると、エネルギー=531kcal、たんぱく質=16.3g、カルシウム=326?

・昼食―きつねうどん エネルギー=296kcal、たんぱく質=9.9g、カルシウム=65?
小松菜とあさりの煮びたしを一品加えると、エネルギー=329kcal、たんぱく質=12.4g、カルシウム=198?

・間食―せんべい、お茶 エネルギー=140kcal、たんぱく質=1.6g、カルシウム=5?
ご飯せんべい(残りのご飯にちりめんじゃこ・桜えび・ごまを混ぜてつぶし、平らにして焼いたせんべい)に代えると、エネルギー=118kcal、たんぱく質=6.3g、カルシウム=130?
    
・夕食―ご飯、鶏肉の竜田揚げ、味噌汁、煮物  エネルギー=558kcal、たんぱく質=25.3g、カルシウム=68?
竜田揚げをチーズ春巻きに代えて、味噌汁に豆腐を加えると、エネルギー=606kcal、たんぱく質=24.8g、カルシウム=284?

ウメさんのもとの食生活―エネルギー=1400kcal、たんぱく質=48g、カルシウム=192?
ちょっとの工夫で―エネルギー=1580kcal、たんぱく質=60g、カルシウム=948?
変わった料理でなくても、味噌汁に豆腐を入れたり、牛乳を飲むようにしたり、小魚を食べてみるだけで、カルシウム1日分が取れるようになる

▼カルシウム強化食品とサプリメント
●カルシウム強化食品→必要な量を考えながら食べる
1)カルシウム強化乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)
2)カルシウム強化菓子
3)カルシウム強化ドリンク
※これらの製品に含まれるカルシウムは、貝殻や卵の殻からとったカルシウムで、なの で、吸収率を考えると、乳製品のほうがよい
  
●サプリメント→情報に惑わされず、自分に必要なものを
1)中身をしっかり見る(指定されている分量だけをのむ)
2)継続しなければ効果はない
3)薬服用中は医師に相談を
▼まとめ
ほ・ねに大事なカルシウムは600?
ね・て食べて運動して規則正しい生活
ふ・とんと一緒に日光浴
と・りすぎないでバランスよく

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