| 結石の種類 |
シュウ酸カルシウム結石・・・・最もポピュラーなもの
サンゴ状結石(感染結石)・・・膀胱炎や腎盂炎などの尿路感染によってできる
尿酸結石・・・・・・・・・・・痛風の原因である尿酸が核を形成
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| =疫学= |
| ●年間有病率・罹患率(人口10万人対) |
1965年から5年ごとに全国統計をとったところ、階段状に増えているのが特徴
有病率(その年に結石を持っている患者数)は、65年に比べ95年は2.2倍以上、
罹患率(その年にかかった新しい患者数)も2倍近く伸びている。
※生涯罹患率(一生の内に尿路結石にかかる率)−男性9.5人(100人中)
女性 4人(
同 ) |
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| ●罹患者年齢 |
1965年は、青年層の後半期にあたる29〜39歳にピーク
1995年は、働き盛りの50歳代にピークが移動
今後は、人口の高齢化に伴い高齢の患者が増えるだろうと予想される |
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| ●上部尿路結石と下部尿路結石の分類 |
・上部尿路結石…腎臓と尿管の結石
・下部尿路結石…膀胱、尿道の結石 |
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1945年までは下部尿路結石の方が多かったが、戦後徐々に減少し、高度成長期以降は上部尿路結石が95%を占めるようになった。
(=欧米のパターン)
その原因として日本人の食生活が豊かになったことが考えられる。
また、下部尿路結石は男性が圧倒的に多い。男性は尿道が長く細いためで、女性は尿道が短く自然に結石を排出してしまう。 |
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| ●尿路結石成分別頻度 |
カルシウム含有結石が最も多く、結石全体の約80%を占める。
(シュウ酸カルシウム+リン酸カルシウム45.1%、シュウ酸カルシウム26.2%、リン酸カルシウム8.8%)
その他、尿酸、リン酸マグネシウムアンモニウム、シスチンなど
・・・・・これらはある程度原因がはっきりするので治療も行いやすい |
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| ●尿路結石症の季節変動 |
結石は夜間につくられ、痛みは早朝に起こることが多いと言われている。
季節的には5〜8月に多発する。その理由として、脱水傾向から尿が濃くなり石ができやすいという考えもあるが、確かではない。
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| =成因= |
| ●尿路結石形成と諸因子の関係 |
結石はいくつかの原因が重なってできる。
(尿酸結石やレシチン結石など原因がはっきりしているものは除く) |
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結石化第1因子(環境因子):
尿路通過障害、尿路感染、長期臥床、食事や薬剤、内分泌異常、代謝異常など |
| ↓ |
| 晶質・基質の増加 |
↓
↓
↓ |
← |
結石化第2因子(結石形成抑制あるいは促進因子):
クエン酸、マグネシウム、ピロリン酸・・・・抑制因子
蛋白複合物質、酸性ムコ多糖類、尿pH・・・促進因子 |
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| 結石形成 |
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| ●尿路結石と生活習慣病 |
成人病・・・
昭和30年代、三大成人病の脳卒中、がん、心臓病が働きざかりの人が多く発症。
早期発見・早期治療の第2次予防に重点が置かれた。 |
| ↓ |
生活習慣病・・・
成人病には食事・運動の生活習慣や環境が関与していることがわかり、病因の除去を主眼とした第1次予防に変わった。
例えば、肺がんや心臓病とたばこ、動物性脂肪と直腸がん、肥満と糖尿病など
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| ↓ |
メタボリックシンドローム・・・
生活習慣病と言われる肥満や高血糖、高脂血症、高血圧、動脈硬化などの危険因子が重なり、糖尿病(腎不全、網膜症、神経障害)や脳卒中、痴呆、心臓病などの重大な疾患を引き起こす |
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| 尿路結石もこれら最終的な疾患と同じように、さまざまな要因が関係して起こる。 |
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| =診断= |
| ●結石成分とX線透過性(水を1とした結石密度) |
X線、超音波、CTなどの画像診断の発達により結石は比較的容易に発見される。
しかし、X線でうつらない場合もある
例えば、尿酸結石−結石密度が1.4ではあるが、透過性がありX線ではうつりにくい
リン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム結石−密度が濃く、よくうつる
感染結石−密度が低く、場合によっては薄くしかうつらない |
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| ●閉塞の起こりやすい部位 |
尿路にはもともと狭い場所が3カ所あり、結石が留まりやすい。
・腎盂・尿管移行部
・尿管と股大動脈・股大静脈の交差部
・尿管・膀胱移行部 |
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| ●結石による尿路閉塞 |
| 尿管に結石があると尿が流れにくいために、尿管が結石を送り出そうするが、バックプレッシャーがかかって、逆に腎盂が圧迫される。慢性腎盂閉塞によって腎盂腎杯系の拡張を来し、機能している腎組織を障害し、最終的には水尿管水腎症に。 |
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| ●なぜ痛みが起こるのか |
結石によって腎臓が圧迫されると、神経がきている腎臓の皮膜や血管が拡張し痛みを感じる。腹部と同じ神経節のため、結石の痛みがあると消化器症状が現れる。
※腎臓内に結石がある場合、本来痛みはない |
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| ●腎疝痛時の痛みの分布 |
腎の痛みは腰背部に集中。腰背部から尿管に沿って鼠径部(そけいぶ)まで痛みが走る場合もある。
※疝痛と呼ばれる激しい痛みは、尿管結石と考えられる。 |
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| ●尿路結石の部位と疼痛 |
・腎盂結石−側腹部痛
・上部尿管結石−側腹部痛と下腹部痛
・下部尿管結石−側腹部痛と下腹部痛
※腹痛と血尿の症状から腎結石と考える場合があるが、腎臓ではなく膀胱に近い場所に詰まっている可能性もあり、X線は腎臓から膀胱まで撮る必要がある。
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| ●結石の大きさと痛み |
結石は小さいほど痛みが強い。
大きな石は腎臓の中に留まり、なかなか尿管には下りてこない。
腎臓内に結石がある間は、鈍痛程度で疝痛や転げ回るような痛いは起きない。
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| =治療= |
| ●痛み対策 |
・鎮痛剤・・・
内服薬、注射、座薬があり、なかでも座薬の効き目がよい
・利尿・・・
利尿をつけ自然排石を待つ。しかし尿量の増加によって詰まっている尿管を圧迫し、かえって痛みが強くなる場合がある
・結石破砕・・・ESWL(体外衝撃波結石破砕術)
ほとんど開腹手術は行っておらず、現在は体外から衝撃を当てて体内で結石を割るESWL(体外衝撃波結石破砕術)が主流
結石破砕は5mmを境目に適用を考える。 破砕により石が小さくなり、尿が少しでも流れれば痛みが取れる。
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当院では、集束レンズで焦点を合わせ、電磁振動版から衝撃波を出す非常に簡単にできる装置を使用し、外来レベルで結石を破砕することができるようになった。
※腎結石の場合は1〜2日の入院が必要 |
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| =再発予防= |
| 結石は再発率が高く、治療後5年で約40%、10年で約60%の人が再発すると言われている。 |
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| ●武田病院の症例(平成15年の統計) |
| 症例1000人のうち再診604人 |
| ↓ |
| 再診患者の通院状況を分類 |
| 定期的通院 約60%= |
再発率は30%と他と比べ低い。
問題なし(正常)30% |
| 不定期通院 約30%= |
再発率は高く、問題なしも少ない。 |
| 通院なし 約10%= |
再発率は約70%と高いが、問題なしは定期的通院と
ほぼ同じという点については解釈が難しい。 |
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| ●上部尿路結石発生率の推移と栄養摂取量の割合の変化 |
戦後、上部尿路結石症が非常に増加した背景には、脂肪、動物性蛋白質、カルシウ
ムの摂取が多くなったことにある。脂肪は約3倍になったが、量は欧米人に比べま
だ少ない。
しかし日本人の体質もあり欧米人並みに取る必要はなく、むしろ高脂血症が増えて
おり要注意。 |
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| ●カルシウム結石症の食事指導 |
| 1. |
カルシウム:過量摂取の場合のみ制限 |
| 2. |
シュウ酸:特に過量摂取の場合のみ制限
シュウ酸を多く含む食品…ほうれん草、たけのこ、ナッツ類、緑茶、紅茶等
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| 3. |
カルシウムとシュウ酸のバランスのとれた食事
シュウ酸をたくさん摂取した場合はカルシウムも取ること!
(例、紅茶とミルク、ほうれん草と小魚や海藻類)
それは、腸の中でシュウ酸とカルシウムが結合し便として排泄されるが、シ
ュウ酸の量に比べてカルシウムの量が少ないとシュウ酸の吸収が増えて、腎
臓の中でカルシウムと結合して結石をつくってしまう。 |
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| 4. |
蛋白質:1日70gくらいに制限 |
| 5. |
野菜:摂取をすすめる(最低1食1皿)
尿のアルカリ化を促進する |
| 6. |
塩分・糖分:過量摂取の場合のみ制限
高血圧や糖尿病などの生活習慣病を避ける |
| 7. |
夕食中心の食生活の改善 |
| 8. |
夕食後、就寝までに時間をあける(規則正しい食生活)
“結石は夜つくられる” 結石形成に関する因子が体内に入ると、体の環境が酸性に傾き結石ができ
やすくなる |
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| ●まとめ |
上部尿路結石は、
・100人に4〜10人の生涯罹患率
女性の発生率が低いのは、女性ホルモンの影響による。
現在、閉経後の調査が行われている。
・働きざかりの壮年層に多い
・原因は不明なことが多い
・再発しやすい
・悪い転帰は腎機能障害 |
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| 往々にして結石は両方の腎臓にできる。腎機能が悪くなれば腎不全になるおそれがあり、定期的に診察を受けることが大切でしょう。 |