| ●免疫とは |
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病気を免れる |
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病気にかからなくなる(予防接種) |
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病気を治す(免疫療法) |
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| ●ジェンナーに始まった種痘 |
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英国の医師であったエドワード・ジェンナーが種痘を発見 |
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牛痘にかかった乳搾りのサラが、他の人の天然痘よりも症状が軽かったため、その膿をフィッブス少年へ植え付けたところ、少年は天然痘を接種しても発病しなかった。
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| ●日本での種痘 |
| 安政年間に蘭方医の伊東玄朴が、シーボルト経由でバタビア(インドネシア)から牛痘を入手し、子供たちに植え付けたのがはじまり。その後、神田お玉
が池(現千代田区岩本町)に「日本種痘所」を開設し、天然痘の予防接種を行った。 |
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| ●がんの治療法 |
| ・手術・・・・・・ |
局限病変には根治的、あるいは主要病変の摘出 |
| ・放射線照射・・・ |
手術で取り残した、手術できなかった場所を広く照射 |
| ・化学療法・・・・ |
転移や全身に広がる白血病やリンパ腫などに全身的な抗がん剤治療 |
| ・免疫療法・・・・ |
第4のがん治療法。小さな残存病変を時間をかけて取る |
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| ●がん免疫療法への期待 |
| ・副作用が少ない → |
効果も少ない |
| ・医師の治療と併用できる → |
単独効果があまり望めない |
| ・自然に内在する治癒力アップ → |
限界がある |
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| ●がん免疫療法の端緒 |
| ・ |
がんの自然退縮・・・非常に稀であるが、1950年代ごろから注目 |
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がん細胞の周囲に免疫細胞(リンパ球、マクロファージ)が多く存在すると進行遅く、治療成績が良い |
| ・ |
結核患者にがんは少ない |
| ・ |
免疫能低下状態では、がんが起こりやすい |
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例.臓器移植後、拒絶反応を抑えるために免疫を抑制する薬を服用している人は、そうでない人と比べ、特定の悪性腫瘍を発症する確率が高い。 |
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| ●がんの自然退縮 |
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1900〜69年に176例の報告 |
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以来、年間約20例の報告 |
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感染症の膿胸罹患後に肺がん退縮 |
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↓ |
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感染症から治る時に免疫系が活性化されるため、がん細胞が小さくなる
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| ●自験例 |
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急性骨髄性白血病の26歳男性…治療してもなかなか良くならなかった(1975.3〜1977.4) |
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↓ |
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3回の重症感染症(重症肺炎、蜂窩織炎、緑膿菌敗血症)の治癒を契機に血液や白血病の所見が向上 |
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| ●免疫に関係する細胞 |
| 樹状細胞・・・・・・ |
がん細胞の性質など情報をリンパ球に伝達する |
| リンパ球・・・・・・ |
白血球の一種でNK(ナチュラルキラー)細胞、
T細胞、B細胞に分けられ、免疫作用に直接的に働く |
| マクロファージ・・・ |
がん細胞を貪食する細胞 |
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| ●白血球(好中球、単球、リンパ球など)の働き |
| ・ |
好中球(白血球の約半数を占める)・・・貪食作用と殺菌作用、主に細菌を処理 |
| ・ |
単球・・・マクロファージとなって活発な貪食作用 |
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↓ |
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非特異的(どんな細菌、ウイルスに対しても同じ反応を繰り返す) |
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リンパ球 |
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B細胞−抗体をつくる |
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ヘルパーT細胞−司令塔として他の細胞(B細胞、NK細 キラーT細胞)へ指示 |
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キラーT細胞−抑制性サイトカインで細胞傷害 |
| ・ |
NK細胞−抗原感作なしに細胞傷害 |
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↓ |
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特異的 |
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| ・ |
オーケストラのように各細胞が分化した相互の協力のもとに免疫の役割を果
たす。 |
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働きを記憶に残し、対処の度に反応を増強する。 |
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| ●NK細胞 |
| ・ |
第3のリンパ球とも言われ、がん細胞と接触すると、酵素(グランザイム、パーフォリン)によってがん細胞を破壊する。 |
| ・ |
生来持っている働きの一つであり、異物に接触して記憶する免疫とは異なる
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| ●がん免疫療法の4つの高揚期 |
| ・BCG 〜60年代 |
| ・ |
黒色腫等に効果があるとして各種がん患者に多数使用 |
| ・ |
フランス、イギリスで盛んに研究され、それをヒントに各種菌体成分を取り出し免疫療法を試したり、細胞壁の一部を抽出して免疫療法とした。 |
| ・ |
丸山ワクチン |
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| ・OK432 70年代 |
細菌や植物抽出物をがんの免疫療法剤として使用
PSK |
| ・インターフェロン 80年代 |
| ・ |
BRM研究高揚期 製薬メーカー、総合飲料メーカー、紡績会社、酒造メーカー等で生産され、そのごく一部が一部の病気(慢性骨髄性白血病、腎がん、黒色腫)に効くとして、現在も健康保険で利用できる。 |
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| ・樹状細胞 2000年代 |
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| ●がん免疫療法の現状 |
| ▽問題点 |
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がんの進展度、大きさ |
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進行している、あるいは末期のがんに免疫療法だけでは無理 |
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抗原性が低い |
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正常の細胞との違いが強く出ないと免疫細胞が、がん細胞を認識しにくい |
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腫瘍を殺す特異的なキラー細胞が誘導されにくい |
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| ▽展望 |
| ・ |
樹状細胞をがブレークスルー? |
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弱い抗原性でも繰り返し樹状細胞に抗原の情報を伝えて、樹状細胞が効果
的に使えないか、という研究が世界的に行われている |
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| ●補完・代替療法 |
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定義 科学的未検証かつ臨床未応用の医学医療の総称 |
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小史 |
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| 米国 |
ポピュラーヘルス運動からNCCAM(国立補完代替医療センター)設立へ発展(1998年)。年間2兆円の市場 |
| 日本 |
1998年金沢で第1回日本代替療法学会(現日本補完・代替療法学会)が開催、国立大学ではがん免疫療法に近い補完・代替療法講座が開設(寄付講座として) |
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補完療法 |
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漢方薬、サプリメント、ハーブ、アロマ、無添加、無農薬など |
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代替療法 |
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つぼ、手かざし、アーユルベーダなど |
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| ●サプリメント市場は拡大? |
| ・ |
入手が容易(スーパー、ドラッグストア) |
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医療費自己負担増を見越した健康志向 |
| ・ |
予防は基本的に保険医療の枠外 |
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ビタミン・ミネラル以外は成分に大差ない |
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高価なものも少なくない |
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↓ |
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よりどりみどりだが、選択はユーザー次第 |
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| ●医者の当惑 |
| がん患者から「これを食べて(飲んで)よいか?」と聞かれることがある。 |
| 医者としては、「わかりません」と答えるしかない。 |
| ↓ |
| 健康志向などで増大する潜在的需要と医療現場とのギャップ |
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| ●まかり通る悪徳商法 |
「弱み」につけ込む悪辣さ
ホームページのリンク先で権威付け
※国立栄養研究所などで、間違った情報を流さないようにと注意している
・要注意、虚偽広告の例
がんが治った
○○に効く
○○博士、○○院長推薦
○○学会で評価された |
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| ●健康薬と治療用医薬の区別 |
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治療用医薬
長期間の治験、データの蓄積、統計的な処理、厚生労働省の審査会を通
過する必要がある |
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健康薬
スーパー、コンビニで市販されるサプリメント
薬局で市販される一般薬、大衆薬、OTC(オーバー・ザ・カウンター・ドラッグ) |
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↓ |
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医師の処方なし |
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| ●がん免疫療法の限界 |
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がん免疫治療は、(感染症)予防のワクチンとは戦略・目的が異なる(予防対治療) |
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がんは免疫監視機構を逸脱した腫瘍 |
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腫瘍には免疫抑制物質があるため免疫が効きにくく、抗原性が低下 |
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| ●理想的な腫瘍抗原 |
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すべての腫瘍で広く発現(期待薄い) |
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正常細胞では発現しない |
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腫瘍の発育に関係深い |
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抗原性強くT細胞に認識される |
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↓ |
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大阪大学の杉山治夫教授は、WT1(ウィルムス腫瘍遺伝子)のペプチドを用いてがんの免疫療法を行い、好成績を収めている |
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| ●がん治療の夢 |
・腫瘍特異的免疫療法
細胞療法(DC、CTL)…樹状細胞とキラーT細胞を培養し、体内に戻す治療
腫瘍ワクチン |
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| ●新しい標的治療 |
がん特有の標的に対して抗体療法、標識抗体療法
細胞増殖(シグナル伝達系、増殖因子受容体、血管新生など)の阻害剤・・・
数種類の腫瘍、特に血液の腫瘍のいくつかで画期的なものが開発され、一部保険適用になっている
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| ●結論 |
| 免疫療法は、夢がないわけではない |